第75番札所善通寺の門前町として、また旧陸軍師団の置かれた町として栄えてきた善通寺市。最近ではそのレトロな町並みが県外からの観光客に密かに人気との情報を得て、実際に善通寺レトロをめぐってみました。
こんにちは。
50手前になって、鏡に映った自分の顔がそろそろレトロじゃないかと感じ始めているガーハラダです。
突然ですが、最近は、むしろ県外からの観光客から注目を集めているという善通寺市のレトロな町並みをめぐってみました。
案外地元だからこそ気づかない魅力があかもしれませんのでね、ぜひお付き合いください。
善通寺レトロの魅力は善通寺市観光交流センターに聞け!
実は善通寺ってまったく縁が無くて、高松に住みながらまともに観光するのは今回が初めてでした。
そんなわけで、とりあえず何か情報を得ようと、まずは善通寺市観光交流センターに立ち寄る事にしました。
なんだか、いきなり旅情をかき立てられる建物です。
最初のレトロみっけ!
何気に裏に回ってみると、むしろこちらの方が良い雰囲気だったりします。
まるで高級料亭のような佇まいですね。
これだけでも善通寺に来た甲斐があったな・・・なんて感心していると、奥から愛想の良い番頭さんのような職員さんが声をかけてくれました。
という事でお言葉に甘えて車を置かせていただき、徒歩で町並みを散策する事にしました。
ちなみに、市役所ほか市内各所に無料で駐車できるスペースはあるそうなので、車で回られる人にもやさしい町ですよね。
施設名 | 善通寺市観光交流センター |
所在地 | 香川県善通寺市善通寺町2丁目8番23号 |
電話番号 | 0877-64-1250 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
休館日 | 火曜日(祝日の場合は翌日) |
駐車場 | 無料(6台あり) |
弘法大師生誕の地、総本山善通寺
観光交流センターからてくてくと向かった先が第75番札所にもなっている総本山善通寺。
五重の塔を目指せばいいので、迷わずすんなり行く事ができます。
途中、なんとも懐かしげなレトロな建物に遭遇!
大正湯との看板のとおり、大正時代に建てられた銭湯のようです。
様子からすると現在は営業はされてないようですが、往時は善通寺参拝の観光客で賑わったのかもしれませんね。
そして善通寺境内に入ると、その威風堂々とした存在感に圧倒されてしまう五重の塔がそびえ立ちます。
東院に建つ五重の塔は弘法大師空海によって創建されました。
現在のものは一度焼失したものを再建されてるいそうですが、総けやき造りで、高さ43mは日本で3番目の高さを誇るそうです。
ちょうど、お遍路さんも参拝されていました。
総本山善通寺は東院と西院に別れ、この金堂や五重の塔があるのが東院。
そして、これから向かう御影堂(みえどう)などがあるのが西院となります。
こちらの西院は駐車場に近い事もあって、たくさんの観光客や参拝者が来ていました。
せっかくなので、親子連れの観光客にお話しを伺ってみました。
中国から来られる方も最近はおしゃれになってきたので、日本人と見分けがつきませんでした・・・
そして総本山善通寺を後にして何気に歩いていると、これまた雰囲気の良いお店がありました。
明治29年創業の老舗、熊岡菓子店さん。
建物自体は大正2年に建築されたそうですが、とても味のある店構えですよね。
名物の「カタパン」は、元々は軍用食料として考案されたもので、元は「兵隊パン」と呼ばれていたそうです。
タイミングが悪くて売り切れが多かったのですが、せっかくなので小丸パンを少々購入。
なにせ1枚20円なのもので、ちょっと小腹を満たす2枚買っても40円。
「2枚だけでもいいですか?」なんて恐る恐る聞くと、お店の奥さんはニッコリ笑顔でかわいい紙袋に入れてくれました。
地元の人にはお馴染みの味だと思いますが、パンというより超カチカチな硬さのお煎餅という感じで、この歯がもげそうな食感が病みつきになりそう。
もう少し買っとけばよかったと後悔です。
明治男子の気骨を感じる乃木館
総本山善通寺から南に少し歩くと、綺麗なイチョウ並木に差し掛かります。
並木道の左右には陸上自衛隊善通寺駐屯地が見え、その敷地内にはこれまたレトロな赤レンガ倉庫が見られます。
赤レンガで造られた旧兵器庫は明治後半から大正にかけて建てられたもの。現在も倉庫として現役で活躍中との事です。
こちらの建物は非公開との事で、外観を眺めるだけ。
その代わりと言ってはなんなのですが、自衛隊の敷地内でも一般公開されている場所があるそうです。
そこは、旧陸軍第11師団司令部として建てられ、現在は乃木館と呼ばれています。
乃木大将と言えば、あの「愛は死にま~すか♪」の映画「二百三高地」で有名な日露戦争の英雄ですよね。
その乃木希典陸軍大将が第11師団の初代師団長として、善通寺に2年8か月赴任されていた事は知る人ぞ知る近代史の1ページです。
私は子供の頃、その「二百三高地」のあまりにも衝撃的な戦争描写と、それ以上に衝撃的だった、あおい輝彦と夏目雅子のラブシーンのおかげで、しっかり大人の階段を登らせていただきました。その節は大変お世話になりました(笑)
ですので、この乃木館は個人的にはちょっとワクワクしながらの訪問となりました。
今回は広報担当官さんが案内してくれました。
広報担当官といっても専門職ではなく、自衛官のみなさんが持ち回りで担当されているとの事。
今日は久しぶりの広報担当という事で、心持ち緊張されていました。
秋口だというのに一瞬、木枯らしが吹いてしまいました・・・
乃木館は、現在1階部分は音楽隊の事務所として使用されており、一般公開されているのは2階の部分。
こちらには、乃木大将ゆかりの品々や日露戦争から太平洋戦争にかけての旧陸軍に関する資料、現在の自衛隊の活動に関する資料などが展示されています。
なんだか軍オタみたいに思われてもいけないので自嘲します・・・
その他にも、乃木大将の執務机や山下大将の遺品などが展示されていました。
中には外国人の方もちらほら見学に来られるそうです。
最近は、歴女や軍オタといわれる人たちも増えているようですし、そうじゃなくても私のように何か映画を見たとか、小説を読んだとかで実際の戦史関係の資料を見たいと訪れる人も多いのでしょう。
興味のない人にはまったく面白さが分からないとは思いますが、このレトロな建物と、明治男子の気骨を感じるだけでも案外楽しめるのではないでしょうか?
敷地内には、戦車や戦闘機なども展示されています。
こういう、ある意味非日常な世界にふれるのも新鮮かもしれませんよね。
尚、見学の際は特に面倒な手続きは必要ありませんが、門の守衛室へ一声かけて下さい。
施設名 | 乃木館 |
所在地 | 香川県善通寺市南町2-1-1 |
電話番号 | 0877-62-2311 |
営業時間 | 9:00~12:00 13:00~16:00 |
休館日 | 水曜日、年末年始 |
駐車場 | 無料(10台あり) |
そしてふたたび善通寺レトロをほっつき歩く
乃木館を後にして今度は北に戻りつつ、市役所方面に向かう事にしました。
行く道々でレトロな建物が普通に使われている事に驚きを隠せません。
四国学院大学のキャンパス内にも旧陸軍の建物が残っているとの事で、少しお邪魔しました。
以前は騎兵隊の兵舎だったという建物。
個人的にはこの格子窓がいかにも懐古的でそそられます。
そういえば、私が子供の頃通っていた小学校はなかなかの歴史があって、その当時にはこういう格子窓の旧校舎が残っていました。
窓ガラスを割ると修理が大変だからめっちゃ怒られたのを覚えています。
そして、こちらは同じキャンパス内にあるホワイトハウスと呼ばれている建物です。
なんだかメルヘンぽくて、かわいらしい建物ですよね。
こちらも旧軍では兵舎として使われていたそうです。
そして、今回の善通寺レトロの〆で向かったのは、善通寺市役所の敷地内にある旧善通寺偕行社です。
旧善通寺偕行社は、旧陸軍将校の社交場として1903年(明治36年)に建てられた洋風建築です。
現在はリノベーションされて、結婚式やイベントに使用されているそうです。
ここまでまーまし歩いて喉もカラカラだったので、まずは併設されている偕行社かふぇさんに向かいました。
なかなかオシャレなカフェです。
小奇麗なマダムたちがお友達と午後のカフェを楽しまれていました。
なにせ喉が渇いていたので、ちょっとフォトジェニックじゃないですがミックスジュース(550円)。
店内からは、偕行社の裏側を眺められてなかなか綺麗でした。
旧偕行社は見学無料ですが、イベント等と重なった時は入場制限がかかる場合があるそうです。
まさに大正ロマンを感じる館内です。
きらびやかな社交界を思わせるロマンあふれる建物でした。
施設名 | 旧善通寺偕行社 |
所在地 | 香川県善通寺市文京町2丁目1-1 |
電話番号 | 0877-63-6362 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
休館日 | 年末年始 |
駐車場 | 無料(善通寺市役所駐車場) |
めぐり疲れた体には足湯ですっきり
今回紹介した善通寺レトロめぐりはいかがだったでしょうか?
おそらくこのコースを歩いて回るとそこそこ足もだるくなると思います。
私もなんとなく足の変な所が痛くなったので、ぼちぼち車を止めさせてもらっている観光交流センターに戻る事にしました。
しあわせすぎる~っ!
気温も少しずつ下がってきて、街歩きにはちょうど良い季節になりますよね。
遠くに旅行もいいけど、身近なところにも魅力的なスポットが案外あるものです。
大正ロマンあふれる、太っ腹な善通寺レトロもなかなかようござんすよ。