四国を中心に外食チェーン展開する株式会社ふじやと、四国大学デジタル創生学部が、飲食業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する共創プロジェクトをスタートしました。学生18名がから揚げ専門店「かたに商店」の現場に入り、AIやデジタル技術を活用して、新しい仕組みと魅力を創り出します。
現場と一緒に作るDX!学生が主役のプロジェクト
ふじやでは、長年の経験から培われた運営ノウハウがある一方で、紙やハンコ、手入力に頼る部分も残っており、人材獲得や情報発信、業務改善といった課題を抱えていました。外部ベンダーにシステムを依頼するだけでは現場に根付かないと考え、「現場を否定するDX」ではなく「現場と一緒に作るDX」を目指しているそうです。
デジタルネイティブである学生さんの視点こそが、変革のきっかけになると期待されています。学生さんは、単なるアルバイトではなく、現場スタッフのノウハウと学生さんの新しい技術への興味、そして企業の経営視点が組み合わさる「共創のプロジェクトメンバー」として参加します。
プロジェクトでは「DX Quest」と題して、アプリ・集客企画、採用・教育コンテンツ制作、デジタル・ブランディングなど、6つのテーマから学生さん自身が興味あるものを選べる仕組みになっています。プログラミングスキルがない学生さんでも、知識や技術を身につけながら参加できるよう、4段階の関わり方が用意されているそうです。

AIも活用!「かたに商店」で実践スタート
今回のプロジェクトの第1フェーズは、株式会社ふじやが展開するから揚げ持ち帰り専門店「かたに商店」が舞台です。2026年8月18日から9月15日までの全5回で実施され、学生さんは「商品開発・情報発信チーム」と「業務改善チーム」の2チームに分かれて活動します。
初回は「まず、食べて知ってもらうところから」という方針のもと、「かたに商店 城東店」で商品の試食からスタートしました。現場からは、商品発注や在庫管理が個人の経験と勘に頼っているため、欠品や廃棄が生じているという具体的な課題が共有されたそうです。AIやデジタル技術は、から揚げという商品がお客様に届くまでのプロセスをより良くするための「手段」として活用されます。

生成AIの利用についても、個人情報を含まない業務データに限定し、内容の確認を行うといった明確なルールが事前に決められているので、安心して取り組めますね。
地域DXのモデルケースを目指して
第1フェーズで生まれた成果は、徳島県、香川県、愛媛県、兵庫県(淡路島)に広がる株式会社ふじやの店舗網へ横展開することも視野に入れています。地域の外食企業が、地域の大学と協力して課題を解決するこのプロジェクトは、地方の中小企業におけるDXと人材育成の実践モデルとして期待されています。
株式会社ふじやの鍛谷 徹 代表取締役社長は「私たち自身が学ばせていただく気持ちで、真剣に向き合います」とコメント。四国大学の山本 耕司 副学長・学部長も「学生ならではの素朴な疑問や新しい視点が、ふじやの皆様との対話の中でどのような価値に変わっていくのか、私たちも大いに期待しています」と語っています。
この取り組みが、飲食業界だけでなく、地方のDX推進に新たな風を吹き込むことでしょう。
