
高松盆栽の魅力を広めようと高松市内の高校生が立ち上げた盆栽部「かみんぐ」。大学生になった今は、さらに大きな夢を描いて活動しています。今回は、そんな彼女たちが開催した「盆栽 絵付け体験」にお邪魔し、活動の今をお聞きしてきました。
高校生だった彼女たちは、大学生になっても盆栽を続けていました。
高松の盆栽を若い世代に広めようと活動する女子大生グループ「かみんぐ」。今回、讃岐おもちゃ美術館で開催された「盆栽 絵付け体験」を取材してきました。

実は「かみんぐ」のメンバーを取材するのは今回が初めてではありません。以前、高校生だった彼女たちが開催したワークショップにも足を運びました。当時は「高校生が高松の盆栽をPRする」という活動そのものが新鮮でしたが、その一方で、卒業後はそれぞれの進路へ進み、活動も自然と終わっていくのだろうな… なんて勝手に思っていたものです。
※以前の様子
関連記事 高校生が立ち上げた「盆栽部」が苔玉ワークショップを初開催!高松盆栽の魅力を伝える
ところが、久しぶりに会ってみると、彼女たちは大学生になっても活動をちゃんと続けていました。
しかも、以前からのメンバーだけではありません。大学進学後に友人たちも加わり、今では新しい仲間と一緒に高松の盆栽を広めています。
「高校生の時からずっとやっていて、大学生になった今も続けています」
そう話す彼女たちの姿を見ていると、高校時代に始めた地域活動が、単なる一時的な取り組みではなくなっていることを感じます。
高松盆栽を広めて、将来はそれを職業にしたい!

「かみんぐ」は現在、SNSでの情報発信や、今回のようなワークショップを中心に活動しています。盆栽に興味を持つきっかけをつくり、実際に触れてもらうことで、その魅力を知ってもらおうというものです。
今回の「盆栽 絵付け体験」でも、会場には親子連れの姿がありました。
用意された小さな鉢に、参加者が思い思いに絵や模様を描いていきます。子どもたちは真剣な表情で筆を動かし、その隣では「かみんぐ」のメンバーが手を貸しながら楽しそうに会話を交わしていました。

完成した作品を見てみると、動物を描いたものやカラフルな模様を施したものなど、どれも個性豊か。
盆栽というと、少し敷居が高く、年配の人が楽しむものというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、こうした体験から入れば、子どもたちにとっても身近な存在になりそうです。


では、彼女たちは高松盆栽のどんなところに魅力を感じているのでしょうか。
代表の亀井さんは、「意外と手間がかかるところ」だと話します。
盆栽は、植えて終わりではありません。時間をかけて手を入れながら育てていくからこそ、次第に愛着が湧き、やればやるほど好きになっていく。そこに盆栽の魅力があるといいます。
そして、そんな魅力をワークショップなどを通して伝え、まずは盆栽を知るきっかけをつくりたい。その人が盆栽を好きになり、今度は自分が広める側になってくれたら…。それが「かみんぐ」の目指しているところです。

今回、もう一つ印象的だったのが、新しく活動に加わったメンバーの話でした。
彼女自身、もともとは盆栽に詳しかったわけではありません。「近所にあるけど、知らない… みたいな存在だった」と振り返ります。それでも活動に誘われ、関わっていくうちに、盆栽には意外といろいろな種類があることを知り、「おもしろい」と感じるようになったそうです。
これは、まさに「かみんぐ」がやろうとしていることの一つの答えなのではないでしょうか。
盆栽を知らない人に、まず知ってもらう。実際に触れてもらう。そして、少しずつ興味を持ってもらう。「盆栽を広める」というと、盆栽そのものをPRすることをイメージしがちですが、彼女たちが作ろうとしているのは、もっと手前にある「盆栽を好きになるきっかけ」なのかもしれません。

そして大学生になった彼女たちには、高校時代にはなかった新しい野望も生まれています。
現在は地域サークルとして活動している「かみんぐ」ですが、代表の亀井さんは大学で経営学を学んでおり、「これを将来、仕事にしていけるようにできたら」と話してくれました。
高校生の地域活動から始まった「かみんぐ」が、今度はその活動そのものを仕事にすることを考え始めているわけです。
もちろん、SNSで発信したり、ワークショップを開催したりするだけで、高松盆栽の魅力を広く伝え、さらにそれを仕事として成立させるのは簡単ではありません。継続的に人を集める仕組みをつくることや、盆栽を知らない若い世代に届く新しいコンテンツを考えること、その先にどんな収益の形をつくっていくのかなど、これから考えるべきことはまだまだありそうです。
ただ、今の段階で完成された形を求める必要もないのでしょう。幸いにも学生生活があと3年半あるので、じっくり腰を据えて育てて行けばいい。
高校生だった頃には「高松の盆栽を広めたい」という思いから始まった活動が、大学生になった今、「これを仕事にできないか」というところまで進んできた。そこには、少なくとも彼女たちの成長があります。
SNSで情報を発信し、ワークショップを開催する。その先に、どんな活動を作っていくのか。高松盆栽を観光や地域文化と結びつけるのか、それとも若者ならではの新しい楽しみ方を提案するのか。まだ具体的な答えは見えていませんが、だからこそ今後の展開が楽しみです。
そして、彼女たちは仲間も募集しています。
「年齢問わず、一緒に活動してくれる人を募集しています」
大学生に限らず、盆栽に詳しい必要もありません。実際、新しく加わったメンバーも、最初は盆栽をよく知らなかったそうです。
高校生だった彼女たちが、大学生になっても活動を続けている。そして今度は、新しい仲間と一緒に、その活動を次のステージへ進めようとしている。
以前の取材では「高校を卒業したら終わるのかな」と思っていた私にとって、今回の再会はちょっとした驚きでした。
「盆栽と言ったら高松だろ!」
高校生の頃から掲げてきたその言葉は、大学生になった今も変わっていません。
まだまだ道半ば。それでも、彼女たちがこれからどんな形で高松の盆栽を広めていくのか。そして「盆栽を仕事にする」という野望を、いつか本当に形にできるのか。
ガーカガワとしても、これからも彼女たちの活動を追いかけてみたいと思います。

おしまい。
盆栽部かみんぐ Instagram @coming.25.415
