
さぬき市の津田エリアで新たなイベント「ぐるぐる横丁」を企画している、地域おこし協力隊の迫田さんと、移住者の垣見さん。
2人とも奈良出身という共通点を持ちながら、なぜ香川・津田にたどり着いたのか。そして、なぜ今この場所でイベントを続けようとしているのか。話を聞くと、“地方移住”という言葉だけでは片付けられない、津田ならではの魅力が見えてきました。
今回は、そんなお2人にイベントの紹介も兼ねて津田に対する思いを語っていただきました。
垣見さん(左)と、迫田さん(右)
「海のある暮らし」に惹かれて、津田へ

――そもそもなのですが、なぜ津田に移住しようと思ったんですか?
垣見さん:「大学生の時にコロナ禍になって、人と関わる機会が一気に減ってしまったんです。将来どうしようかなって考えていた時に、『もっと人と触れ合える暮らしがしたいな』と思うようになって。もともと奈良にずっと住み続けるイメージもなかったので、“地方で暮らす”ことに興味を持ちました。
そんな時に見つけたのが『田舎ホームステイ』というサービスでした。地方に興味がある人と、受け入れてくれる地域の人をつなぐ仕組みなんですが、その中で津田出身でまちづくりをされている方が運営する『まち宿AETE』という宿泊施設が目に留まりました。『なんかここ行きたいな』って直感で(笑)」
垣見さん:「実際に1カ月滞在してみたら、海が近い暮らしがすごく良くて。奈良って海がないので、それだけでも新鮮でした。自然もあるし、まち宿AETEのオーナーさんをはじめ、いろんな方の紹介のおかげで地域の方と仲良くさせてもらい、『また帰ってきたいな』と思うようになりました。その後も何度も通って、2年ほど前に正式に移住しました。」
――迫田さんは?
迫田さん:「私も奈良生まれなんですが、その後は兵庫や東京でも暮らしていて、新卒では東京でスタートアップ企業の人材支援をする仕事をしていました。
でも働く中で、これまでの自分の生き方に疑問が出てきて。そんな時に当時津田に短期滞在をしていた大学時代の友人から『好きそうだから来てみませんか?』って声をかけてもらったんです。
その後退職し、津田でうみの図書館のお手伝いをして滞在をしながら転職活動をしていたのですが、その期間中に津田に関わる地域おこし協力隊の募集があり応募しました。地域おこし協力隊の任期の3年以上、『津田は住みたい場所なのか、一緒にいたい人たちなのか。』を考えつつも結局は直感を大事にしようと、短期滞在期間中に地域おこし協力隊の選考を受けきって採用いただき、移住をすることにしたというのがここまでの流れです(笑)」

――実際に住んでみて、津田の印象はどうでした?
迫田さん:「景色がいいとか自然があるとか、もちろんそこも魅力なんですけど、一番は人との距離感ですね。津田の方は新しい取り組みやイベントにも関心を持って、受け入れてくださる方が多い印象があります。
地域や人へのリスペクトを持つことが前提ではありますが、移住してきて1年ほどで津田にとって大事な『津田の松原』という場所で、今回の規模のイベントができていることが何よりの証拠かと思います。」
「津田って、今なにかが起こりそう」

――津田ならではの魅力って何だと思いますか?
迫田さん:「津田って、今まさに“動いている感覚”があるんですよね。宿ができたり、お店ができたり、『これから何か始まりそう』みたいな空気がある。私は前職でスタートアップ支援をしていたので、そういうスピード感や変化って好きなんです。でも東京みたいに消耗する感じではなくて、自然や暮らしの豊かさもちゃんとある。その両方が共存しているのが津田の面白さだと思います。」
垣見さん:「都会だと、25歳の2人がイベントを立ち上げて、20店舗集めるなんて結構ハードル高いと思うんです。でも津田だと、”やってみたい”が形になりやすい。“ないものを作れる余白”がまだある場所なんだと思います。」
「ぐるぐる横丁」は“日常をもっと楽しく”するイベント

そんな2人が企画しているのが、5月30日に津田の松原で開催される夜イベント「ぐるぐる横丁」。
イベントのコンセプトは、「日常はもっと、美味しくて、楽しくていい。」。
“楽しいことは都会に行かないとない”―そんな感覚を少し変えていけたら、という想いから生まれたイベントです。
会場には、飲食店やスイーツ、コーヒー、お酒、雑貨、ワークショップなど約20店舗が出店予定。地元で人気の店舗はもちろん、普段なかなか津田では出会えないようなお店も並びます。
さらに、浴衣レンタル&着付け体験、モルック体験、アートワークショップなど、子どもから大人まで楽しめるコンテンツも用意されているそう。

垣見さん:「参道のお店を覗いたり、レジャーシートを借りて海辺でゆっくりご飯を食べたり、家族や友達と過ごしたり、ワンちゃん連れでも楽しめたり。にぎやかに楽しむ場所もあれば、のんびりできる場所もあるイベントです。」
迫田さんが中心となって今年1月末~2月にかけて開催した「うみとひかりの夜」のひとコマ。夕暮れ時の津田の松原がめっちゃ雰囲気良かったのですが、夕方から行われる「ぐるぐる横丁」でも、こんな美しい風景の中、のんびり過ごせそう。

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また、「ぐるぐる横丁」が夜開催なのにも理由があります。
津田の松原は、海沿いならではの景色が魅力で、満月の日には海から月が昇り、“月の道”ができる幻想的な風景が見られることも。
迫田さん:「津田って昼の海水浴のイメージが強いんですけど、夜の松原もすごく綺麗なんです。周辺が暗く、星も月も海とセットで見られるし、空気も気持ちいい。今回のイベントをきっかけに、『夜の津田っていいな』って知ってもらえたら嬉しいですね。」
会場はJR讃岐津田駅から徒歩約10分。道の駅の駐車場も利用可能で、周辺には宿泊施設も点在しています。「イベントだけで帰る」だけではなく、津田に泊まり、朝の海や松原も楽しんでもらう。そんな広がりも見据えているそうです。
目指すのは「程よいにぎわい」

――最後に。津田をどんな場所にしていきたいですか?
迫田さん:「“人をいっぱい呼びたい”というよりは、『程よいにぎわい』が理想なんです。オーバーツーリズムみたいな状態ではなくて、今ある津田の景色や空気感を大事にしたい。でも何もないわけじゃなくて、来た人が『なんかここいいな』って思える場所。まだ答えは模索中ですけど、イベントを重ねながら少しずつ見えてくるのかなと思っています。」
イベントは単発ではなく、今後も継続開催を目指しているとのこと。
「5年後も続くイベント」を見据えながら、地域の人も、移住者も、訪れた人も、一緒に楽しめる場を作っていきたいと話します。
■ぐるぐる横丁 開催概要
日時 2026年5月30日(土)16:00〜21:00
場所 津田の松原(さぬき市津田町)
内容 飲食・スイーツ・お酒・ワークショップ・遊び体験など約20店舗が出店予定
夕暮れから夜へ変わる津田の海辺で、“ちょうどいいにぎわい”を味わってみてはいかがでしょうか?

