
鉄道マニアならずとも一度は乗ってみたい観光列車。
JR四国にも3つの「ものがたり」列車が運行されていて、今回レポートするのは多度津駅発着の「四国まんなか千年ものがたり」。実はずっと乗りたいと思っていたんですよね。でも、多度津駅まで電車で行って、帰りは大歩危駅から特急かな? せっかくだから祖谷のかずら橋など周辺も観光したいけどどうやって行くの? みたいな事を考えてたら面倒くさくなって、つい先延ばしにしていました。
そんな折、旅行会社のトラベルビジョンさんからまるっとパックになったバスツアーがあると聞き、それめっちゃええやん! という事で参加してきました。いつものように写真多めのレポートになりますが、ぜひ最後までご覧ください。
面倒な手配はすべてお任せ!観光列車「四国まんなか千年ものがたり ~そらの郷紀行~」に乗る絶景旅

という事でJR高松駅バスターミナルからスタート!
今回参加するのは、JTB総合提携店(株)トラベルビジョンさんが企画するバスツアーで、各地より乗車(高松~宇多津~丸亀)しつつ琴平駅へ。そこから観光列車「四国まんなか千年ものがたり」に乗り大歩危駅、さらに貸切バスで祖谷のかずら橋、道の駅霧の森、父母ヶ浜を巡って各地へ帰着するというもの。ツアーの申し込みだけすればあとはすべてお任せの楽ちんツアーです。
途中、ゆめタウン高松前、宇多津駅、丸亀駅などから参加するお客さんを乗せて、少し早めに今回の乗車駅である琴平駅に到着しました。

2017年にデビューした「四国まんなか千年ものがたり」は、土日祝日を中心に多度津~大歩危(おおぼけ)間を往復するJR四国の観光列車です。多度津発下り便を「そらの郷紀行」、大歩危発上り便を「しあわせの郷紀行」と名付け、提供される料理などに違いがあります。
琴平駅には「四国まんなか千年ものがたり」専用待合室「ラウンジTAIJU」があって、列車内での食事を予約した人にはウェルカムサービスが楽しめます。


ウェルカムサービスの冷たいスープをいただいたりしながら過ごすうち列車の到着時間が近づいてきたのでホームに行きましょう。レトロな琴平駅のホームてしばらく待っていると、深緑の上品な先頭車が見えてきました。なんだかワクワクする!

琴平駅には14分停車するので、多度津や善通寺から乗車した人はいったん下車してラウンジの利用ができます。皆さんがラウンジでゆっくりしている隙に1号車「春萌(はるあかり)の章」を拝見、若葉の芽吹きをイメージしたという緑のソファがとってもシック。

2号車「夏清(なつすがし)の章」※冬は「冬清(ふゆすがし)の章」は、3~4人席のベンチソファー。お客さんがいらしたので撮影しませんでしたが、壁に沿って配置する縦座席のロングシートなので、車窓を眺めるのにいいかもしれません。
そして、今回私たちが乗るのは3号車「秋彩(あきみのり)の章」。色づく山々と熟れた果実をイメージしたデザインとのと。


旅行会社さんの方で座席も手配してくれたので乗車する直前までどの席か分からなかったのですが、徳島県産という杉材に包まれた室内空間は、これって本当に列車の中なの? と思うほど豪華なしつらえで、めっちゃラッキーでした。


シートに腰掛けると一気に非日常の世界へ。琴平駅がハリー・ポッターに出てくるキングスクロス駅のようにさえ見えてくるから不思議です。
そして発車時間の10:48、琴平駅の職員さんたちが手を振って見送る中、「四国まんなか千年ものがたり」がゆっくり走り出すと、さらにワクワク感が増していきます。さぁ、ここから大歩危まで1時間46分の列車旅のはじまりはじまり!



琴平駅を発車してしばらくすると、アテンドさんがドリンクなどのオーダー(別料金)を取りに来てくれるので、せっかくなのでビールを注文。今回同行してくれたななさんは、梅酒のロックです。
ちなみに、ななさんは普段タクシードライバーとして高松市内を運転のほか、観光タクシーのドライバーとしても活躍中とのことで、勉強も兼ねて今回のツアーをとても楽しみにされていたそう。心なしか、いつもの取材よりテンションが高い(笑)

私も今日は車じゃないので、失礼してアルコールを愉しもうと思います。カンパーイ!


琴平を出て30分ほど列車に揺られているとちょっと早い昼食です。多度津発の「そらの郷紀行」では、金刀比羅宮の石段500段目にあるカフェ&レストラン「神椿」の料理長が監修した「さぬきこだわり食材の洋風料理」が提供されます。
まずは冷製料理から。

てっきり駅弁の豪華版みたいなものかと思っていたのですが、しっかりとしたお重がでてきて感動!
ゆっくりふたを開けると…


左上から、「瀬戸内鮮魚のフリット カラフルトマトとバジルのソース」に「魚介のマリネ 自家製瀬戸内レモン添え」、続いて左下は「オリーブ地鶏のコンフィ 旬の緑豆のソース」、そして「讃岐オリーブ牛の和風ローストビーフ」という本格的な料理が並びます。なお、メニューは定期的に変更されます。

香川が誇るブランド牛、豚肉、鶏肉の「讃岐三畜」や、瀬戸内海の魚介、温暖な気候で育た新鮮な野菜など、香川に住んでいても、一度にこれだけの地元の食材を美味しくいただけるなんてそうそうありません。
夏らしくすべて冷製なのですが、肉はしっかり、魚介や野菜はあっさり、プラス旅情スパイスもあってとっても美味しくいただきました。

列車は樹齢約700年と言われるタブノキが名物の讃岐財田駅を過ぎ、

やがて、県境のトンネルが続くエリアに入って行きます。
トンネルの中は橙色の灯りが良い雰囲気。ご夫婦やカップルなどでロマンチックなひと時も過ごせそう。

トンネルを過ぎると、「四国まんなか千年ものがたり」の見どころのひとつ、今では全国的にも珍しいスイッチバックのある秘境駅・坪尻駅に到着します。
このスイッチバックを文章で説明してもピンとこないと思うので、図で説明すると…

勾配がきつくて通常のような停車ができない本駅には、多度津方面から進むとまず①の引上線に入線して停車します。その後運転手さんが進行方向とは逆の運転台に移動し、車両をバックで進めて②の坪尻駅に入線する仕組みです。阿波池田方面からは逆に先に駅に停車してから発車後にスイッチバックします。
引上線からは美しい滝も見えます。

反対の窓からは秘境らしく、美しい緑が眩しい。

このスイッチバックそのものも鉄道ファンにはたまらないらしく、この日常ではほぼ乗降客のいない秘境の駅に全国から多くの人が訪れるそうです。列車は方向を変え、ゆっくりホームに入って行きます。

この駅は徒歩で延々歩くか列車でしか行くことのできない、まさに秘境の駅。私も以前一度だけ訪れたことがあって、列車の本数が少なくてめっちゃ苦労したのでこれは有難い。「四国まんなか千年ものがたり」は少しの間停車して駅に降りることができます。


駅を降りてみると分かるのですが、なんでこんなところに駅があるの? と不思議になるほど駅周辺には人が生活している気配がまったくない。駅が開業した頃には駅を作るだけの需要があったのだと思いますが、今では観光資源として辛うじて存続している駅なのでしょう。

秘境の無人駅なので発車の合図はアテンドさんが手持ちのベルをカランカランと鳴らしてくれます。こういう演出もいい!
そして、ふたたび列車に戻るとちょっとしたサプライズが! まぁ、すべて書いてしまうとつまらないので、実際に乗って確かめてみてください。
そして列車はさらに秘境を進みます。

坪尻駅を出発すると、食事の温製料理が運ばれてきました。

「讃岐オリーブ豚のカレー煮込み」と、「香川県産コシヒカリのコーンピラフ」です。こちらも美味しくいただきました。

列車は阿波池田の街を囲むように大きくカーブしながら進み、

四国三郎という異名を持つ吉野川を渡ります。


そして、食後のコーヒーとマドレーヌをいただきながら、いよいよハイライトの小歩危そして大歩危の渓谷に差し掛かります。


日本一の激流と呼ばれる大歩危小歩危は、世界有数のラフティングの名所なんだそう。この日も車窓からいくつものラフティングボートが見られました。てか、吉野川のブルーが美しすぎる!
美味しいコーヒーを飲みながら優雅にこの車窓を眺められるのは唯一無二の体験じゃないでしょうか。この日は今にも雨が降りそうな天気だったのですが、それはそれで変に水面が反射せず、美しい姿を見せてくれました。

鉄橋を渡り、渓谷の東側を走り出すと緑の中に覆道のような半トンネルが続き、渓谷美と相まって、列車内はちょっと不思議な空間になります。この区間は結構良い写真が撮れたので、ぜひ試してみて!

終点の大歩危駅に近付いてくると、沿道の幼稚園やお店、道の駅などから手を振ってくれる人たちがいて、すごくあったかい気持ちになる。


大歩危駅に到着すると、地元の人たちでしょうか? めっちゃ歓迎されました(笑)



歓迎のシャボン玉も紙吹雪のようにたくさん飛ばされドンチャン騒ぎ! ヤバい、楽しすぎる!

トドメの子泣き爺も笑いました。

こんなに非日常や旅情、美味しい食事に感動する絶景、人の温かさにもふれられる鉄道旅が他にあるでしょうか?
ほんと、もっと早く体験しておけばよかったとちょっと後悔しています。「四国まんなか千年ものがたり」マジおすすめですよ!
周辺観光も楽ちん! 丸一日楽しいだらけのバスツアー

さて、充実の「四国まんなか千年ものがたり」を下車して、本来ならここから特急に乗ってそのまま帰るか、路線バスなどを使って周辺観光をするかなのですが、バスツアー参加の我々はそのまま大歩危駅近くで待機している貸切バスに乗り込みます。
まず向かうのは「祖谷のかずら橋」。公共交通機関で行くのは大変かもしれませんが、貸切バスなので楽ちんです。

いや、めっちゃ久しぶりに来たけどええとこやん!
かずら橋を渡るのに550円(大人)かかるのですが、それもツアー代に入っているのでチケットも買わずに楽ちん。ただし、橋を渡るのはさすがに楽ちんではないので、そこそこの恐怖と闘いながら心して渡りましょう。


ななさんも小さい頃に渡って以来ということで、そこそこ恐怖を味わったようです(笑)

さらにバスに揺られて約1時間ほど、愛媛県に入って「道の駅 霧の森」へ立ち寄りました。

霧というか、すっかり雨になってしまいました。
四国中央市新宮町にある「道の駅 霧の森」は、馬立川の清流に沿って温泉やカフェ、コテージなどが建つ癒しの施設です。最近では「霧の森大福」が人気で、わざわざ買いに出かける人も多いのではないでしょうか?

さすがの人気で、せっかくだからお茶しようと立ち寄った「霧の森茶フェ」は満席で10組ほど待ち。今回は諦めて、ななさんがお土産を買って帰るとのことで菓子工房にお邪魔しました。

夏の足湯も結構いいもんですよ。ハンカチしか持ってこなかったので今回はやめましたけど…

そして最後に向かったのが、香川県民の皆さんにはすっかりお馴染みの父母ヶ浜(ちちぶがはま)。ガーカガワでも何度も記事にしているし、天気も悪かったのでさっと流します。

県外からの来られる人に「電車やバスで行くことはできますか?」ってよく聞かれるのですが、なかなかこれが意外と不便なのです。結果、大半は自家用車かレンタカーで行くことになるのですが、思い切って今回のようなツアーに参加するのも手ですよね。しかも豪華観光列車付きです。
ななさんもいつになくご機嫌でした(笑)

ちなみに今回のバスツアーの料金はひとり18,900円。値段だけを見るとちょっと高いと思うかもしれませんが、調べてみると「四国まんなか千年ものがたり」に乗るのに食事代も入れて多度津~大歩危間で9,930円、高松から多度津までと、帰りの大歩危から高松までの特急利用で計5,970円。さらに大歩危からかずら橋までの往復バス代やら入場料やらで総額17,790円なのでそれほど変わらない。すべて楽ちんなのを考えると、コスパは高いと言えます。
トラベルビジョンさんでは定期的に同様のバスツアーを企画されるようなので、チェックされてみてはいかがでしょうか?
⇒ トラベルビジョン
個人的には楽しすぎて、次は他の「ものがたり」列車にも乗ってみたくなりました。
ななさんもお疲れさまでした!

おしまい。
モデル = なな
取材協力 = 株式会社トラベルビジョン
