社会に出て数年経つと、誰しも一度は「学生の頃もっとちゃんと勉強しておけばよかった」とか、「もう一度大学で勉強したい!」、「今更だけど修士や博士にチャレンジしたい!」なんて考えたことがあると思います。
特に普段の業務を行う中で自らが持つ知識の限界を感じた時や、さらなるステップアップを図りたいタイミングで切実に感じたりするものです。
実は僕もそんな思いを持ち続けている者のひとり。自営業なんかやってるとマーケティングの知識は必須だし、人の心理を読み取る知識も必要。お金と時間があれば、大学でマーケティングや行動心理学みたいな分野をきちんと学びたいし、関連する研究もしっかりやってみたい… 向上心の無い僕でさえそう思うのだから、これをご覧の読者の皆さんなら「いや、それわかる~!」と同意してくれるんじゃないかと思います。
さて、今回縁あって、社会人が大学院に進むためのさまざまなサポートを行う「香川大学リキャリスキル教学センター」さんが各研究科長や社会人在学生・修了生たちにインタビューする現場に立ち会うことができました。
香川大学大学院ではどんな学びがあるのか、社会人在学生や修了生たちのリアルな声なども交えながら紹介したいと思います。
社会人が働きながら学べるさまざまな制度を活用できる香川大学大学院
香川大学大学院では、創発科学研究科、地域マネジメント研究科、教育学研究科、医学系研究科、農学研究科の5つの研究科を用意。働く社会人のためにオンデマンドを活用した授業やオンラインによる個別指導、長期履修制度なども充実、学費の面についても奨学金や国の教育訓練給付制度なども活用できる研究科もあります。
各研究科の内容や特徴については、各研究科長のインタビューからひろってみました。大学院ということもあって、より実戦的で、深く研究する内容が多く見受けられます。
◆創発科学研究科
創発科学研究科は、工学、経済学だけでは賄えなかった部分、それぞれの強みをうまく融合させて日々複雑化する地域課題の解決に資することを目的としています。予期しない異分野の融合によって、新たな知見と創造につながる研究を目指します。創発科学研究科博士前期課程では教育学、法学、経済学、工学、危機管理学又は学術の6つの学位が取得できます。特に危機管理学については全国的にも大変珍しく、香川大学の大学院が選ばれるひとつの理由となっています。
地域の内外の方々が業務上で必要とする様々なテーマに対応すべく、文系と理系の教職員がうまく融合した指導体制を組んでいるのが特徴です。また、キャンパスや分野を超えて、情報を交換、共有し、共通の問題意識を持って取り組めるのもポイントです。
◆地域マネジメント研究科
地域マネジメント研究科のプログラムの特徴として、 他のビジネススクールと異なり、いわゆる経営系の科目に加えて地域公共系の科目を履修できるのがポイントです。そのため民間企業の方のほか、自治体の方や教員、医療従事者など様々なバックラウンドを持つ方々が履修されています。
テーマとしては、人事制度や人材育成をはじめ、マーケティング、効果的な情報発信、自治会のあり方など、仕事を行う上で自身が身近に直面する課題について幅広い知見から解決すべく、取り組む方が大半です。
◆教育学研究科
教育学研究科では学校力開発コース、授業力開発コース、特別支援力開発コースの3つから選択でき、標準的な2年での履修のほか、職場を長期間離れることが困難な方向けに、キャンパスへの通学を1年間に集中して行う短期履修学生制度、また、多忙な方向けに3年間の長期履修学生制度も利用できます。
学部卒業後そのまま進学する方もいますが、ほとんどは小学校や中学校の現職の教員の方たちが履修されており、学校が抱える様々な問題点を解決したり、個々の授業力を高めたり、多様な支援を必要とする子どもにどう向き合うかというテーマなど、教育現場で役立つ実戦的なプログラムとなります。
◆医学系研究科
医学系研究科では医学専攻、看護学専攻、臨床心理学専攻のそれぞれのコースで、医師をはじめ看護師や臨床心理士、薬剤師、臨床工学技士といった様々な医療従事者の社会人が学んでいます。子育て中の世代が多いことにも配慮し、休学制度やオンデマンド講義を拡充することで、社会人学生の学業継続の負担軽減に努めています。資格取得のみならず、少子化や人口減少が進むこれからの時代において臨機応変に対応できる能力や人間力を養うトレーニングを強化し、地域へ医療人材を輩出することを目指しています。
◆農学研究科
農学研究科では、食料、環境、生命科学という3つを柱とした教育と研究を行っており、具体的には農業分野のほか、食料全体に関わる産業や、製薬、化学メーカーなど幅広い産業を支える教育や研究を行っています。
農学研究科では、社会人や学部からの直接の進学者、そして約10カ国からの留学生も学んでおり、多様性のある学生間の交流があるのも特徴の一つです。自身の専門分野における最先端の知識を身につけ、研究することで社会に貢献し、また、職場に戻った際に業務に還元できる実戦的な教育や研究も可能です。
では、実際に社会人として働きながら大学院で学び、研究するってどんな感じなのでしょう? これも在学生や修了生のインタビューの中からひろってみましょう。
「大学院で理論や倫理をしっかり学ぶことで、さらにこれまでの経験が生きてくる!患者さんの心のケアに繋げたいです。」
「オンデマンド授業を活用し、仕事と家庭を両立!海外での発表機会を得られるのも大学院の魅力。良い経験になりました!」
「大学院生という立場を活用し、普段では出会えないような方々にお会いできるのも魅力の一つ。研究に生かしています!」
「企業人だけでなく、起業を志す人や公務員、若い学生など、いろんな立場の人と交流できるのも通学型大学院の魅力です。」
「大学院での学びは、単なるスキルアップということではなく、より人間力を上げることに繋がるのではないかと思います。」
今まさにリアルに経験している社会人だからこそ、新しい知識や研究が「じぶん事」として捉えられ、さらに今後の仕事を行う上で役に立つといった声や、学生生活においてさまざまな人たちと交流できる、仲間ができた、といった声が目立ちました。
またインタビュー中や合間の雑談などでは、現役の若い学生に混じって学食を利用するのが懐かしくて楽しかったとか、大学の図書館を使い倒せるとか、公共交通機関などで学割が利用できるといった、学生あるあるみたいな話も面白かったです。
在学生や修了生の皆さんが口を揃えて言われていた事は、悩むなら大学院に飛び込んでみよう! という事でした。
仕事や家庭との両立が大変だったり、今の自分に合う研究科が分からなかったり、そういった悩みに対してサポートしてもらえる香川大学リキャリスキル教学センターもあります。
「学び直し」や「リスキリング」に興味のある方! どうせなら大学院で学んで修士や博士を取得する選択肢もアリかもしれませんよ!
今回お邪魔した各研究科長や在学生・修了生のインタビューがまとめられた動画もできたそうです。ぜひ一度ご覧になってみてください。
出演 = 山内怜奈(フリーアナウンサー)/ X @yamauchi_reina_
取材協力 = 香川大学リキャリスキル教学センター