高松市六条町にあるサンドロ(SANDRO)さん。
前回の記事でアシスタントからジュニアスタイリストに昇格したスタッフの eno さんに、美容師として修業している苦労話などをあれこれお聞きしましたが、今回その努力が認められて、ついに一人前のスタイリストへ昇格したとのこと。
そこで、お祝いがてらあるミッションを与えることにしたので、特におじさん世代にぜひご覧いただきたいと思います。
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ということで eno さん、このたびはスタイリストへのご昇格おめでとうございます!
スタイリストになったので、ちょっとイキってもらいました(笑)
サンドロのオーナー・櫻井さんも大絶賛です。
いつもヤラセにお付き合いいただきありがとうございます(笑)
結論。迷ったら「おまかせ」がイケオジへの近道! たまにはおじさんもオシャレを意識してみよう
仕事柄、取材や撮影などで人と会うことが多いので最低限の身だしなみは意識しているのですが、生まれつきの酷い天然パーマだけはなんともし難い。毎朝、整髪料で誤魔化しているのですが、これは長年に渡る懸案事項です。
それと、私のように50歳もとうに過ぎたおっさんって、普通に存在しているだけでも面倒くさいと思われますからね(という気がする…)。せめて見た目だけでも格好よく、清潔感のある身なりを整えておかなければいけません。
うちのマダムも「サンドロさんに取材に行くなら、そのうっとおしい髪の毛をなんとかしてもらったら?」というので、今回は無茶なお願いをしようと思います。
僕をイケオジにしてください!
何故にいきなり真顔になる!
これは呆れているのか、それとも自信に満ちた表情なのか… いや、願わくば後者であってほしい。
ということでここからは、修行の成果がどれほどのものなのかを体験してみたいと思います。まずは問診票に記入して…
ここではまずアレルギーの有無や、2年以内のブリーチやパーマの有無、髪質で気になる点などを書き込んでいきます。お好みのイメージ欄になかったので「イケオジ系」と書き足しておきました。(こういうところがめんどいと思われるのか…)
そして問診票をもとにしっかりカウンセリングも行ってくれるので安心。本来ならここで希望のスタイリングなどを聞いてもらいながらプロならではの提案もしてくれるのですが、そもそも自己満足のイケオジではさすがにイタいので、ここはスタイリストさんのセンスと感性に「おまかせ」することにしました。
ちゃんとロッカーや更衣室も完備。更衣室に入ると、めっちゃいい匂いがしました。
ちなみにイケオジになる前はこんな状態。実は娘に「恥ずかしいから変な事せんとって!」と言われてから私自身は露出を控えていたのですが、今回は仕方ないので晒します。果たしてこの悲惨な状態からどう変化するのでしょうか。
皆さまお久しぶりでございます…
ダメオジ炸裂です…
着替えが終わったら、軽く髪の毛の状態をチェックしてもらいながらどんな髪型にするのか説明してくれます。最初にカウンセリングしてもらいましたが、より具体的に説明してくれるイメージです。必要ならここでも希望を聞いてくれますが、もちろんすべて「おまかせ」なので余計なことは言いません。
軽く髪を流してもらってからカットに移ります。果たしてどんな髪型になるのでしょうか…
あまりおっさんの顔を見せるのも忍びないので、せっかくなのでカットしてもらいながらガチスタイリストになった苦労話しなどを聞いてみましょう。
ーー前回、ジュニアスタイリストになった際に、スタイリストになるまでにカットを100人こなすという課題があると聞きましたが、その過程でどんなことを考えていましたか?
enoさん「アシスタントの頃からすべて実戦だと思いながらやっていたので、自分がデビューした時にいい意味で緊張なく、心にゆとりを持ってできるように、精神面でのコントロールができるよう意識していました。常に自分がこうしたい、こういうふうに作りたいというのを忘れないように、きちんと伝えたい事を伝えられるようにずっとシュミレーションしていましたね」
ーーちなみに100人切るって、相手はどんな人なんですか?
enoさん「モデルさんの場合もありますし、インスタで募集したり、あと櫻井さんのお客様が申し出てくださったり…」
ーーそうやって場数をこなしていったんですね。ところでお客さんからこんなふうに切ってもらいたいと指定されるのと、僕みたいに「おまかせ」されるのと、どちらがやりやすいですか?
enoさん「まだ本格的にメニュー化もしてないので、髪の毛もそうですし、メイクも任せてくれると嬉しいなと思います。例えば私はこうやってしてるからって最初に言われちゃうと、私、頭まだ硬いので、そうやってしなきゃって思っちゃうんですよね。もちろんお客様に合わせて対応しますが、お客様の想いを汲みつつ、自分なりの提案ができるのが理想です」
ーーでもお客さんっていろいろじゃないですか? 丸顔の人もいればシュッとした人もいるし、髪質にしたって千座万別でしょうし。そういうのって、パッと見てこの人こんな風にやってあげたらええんちゃうかな… っていう基準みたいなのは何かあるんですか?
enoさん「基準ってのはないんですけど、そこはもう感覚です。櫻井さんは理論的にするタイプの方なんですけど、私はもう結構感覚でいろいろ進めていくので、パッと何回かお会いしたりとか、お話したりパッと見た時にこの人多分こうやってしたらもっと可愛いなとか」
ーーそれって、すごい引き出しが多くないとできないと思うんですけど?
enoさん「そうですね。だとするとその引き出しっていうのは、やっぱり香川の人と全然違うファッションの人とか、地方から集まってきておしゃれに変身した人とかもいるので、そういう人たちをずっと見てます。東京に行けば例えばファッションとか髪の毛が結構目につくので、そういうところを見たりとか、メイクだと自分で検索してます。いつもアプリ使って毎朝今日の自分のメイクをしようとか、空き時間とかもバーって見て、可愛いのがあれば明日自分にしてみるとか。見ながらこれ誰だれさん似てるからこれいけるかも… そういう感じでいつも研究しています」
やっぱりセンスの有り無しってインプット量の多さなんですよね。僕も写真を撮ってて思うのですが、ある時ある場面で撮影する時、写真のイメージがパッと湧くのは過去に見たり撮ったりした頭の中のストックからですもんね。だから写真の上達法も、他人が撮ったたくさんの写真を見ることと、実際にたくさん自分で撮ってみることに尽きると思っているのですが、どんな世界もやっぱりインプット量って大事なんですね。
ふと見ると櫻井さんもそろそろ手が空きそうなのでちょっと聞いてみましょうか。
ーー実際に櫻井さんが100人切りっていう目標を立てられて、最終的には櫻井さんがOK出されたんですよね。もうスタイリストとしてバッチリという、OKを出されたポイントって何ですか?
櫻井さん「話し出すと長くなるのですが、(長くなったので要約すると…笑、コロナ禍以降、気軽にカットモデルの声がけがし辛くなったそうで、100人集めるのが大変)50人になった時に、大変だからもういいよって言ったら本人は『私は100やりたいです!』って。その瞬間に、こいつやれるやつ。これはもう、この心意気を買おうと。その時点で技術水準も心意気も自分の中では合格出していたのですが、場数をこなさないと、やっぱりわかるものもわからないし、やってきたものも咀嚼しているというか、そういった意味でも100はやらせてみようかと。だから、100人来た瞬間、やっと100人来たー! みたいな感じでしたね(笑)」
という、いい話を聞いているうちにヘアカラー(白髪染め)を塗りたぐられておサルになっていました。自分でやる時はいつも地肌にしみるのですが、enoさんがやるとまったくストレスを感じませんでした。
ヘアカラーが定着するまでの間は美味しいコーヒーでひと休み。こういうちょっとしたサービスも、すっごい満足度が上がるんですよね。
その後のシャンプーも… なんだか髪を洗ってもらっているというよりマッサージされているような感覚で、すごく気持ちが良かったです。うなじを触られたときは「オオーッ」ってなりました。(いや、決して変な意味ではなく…)
そして、イケオジになるためのブローや整髪料を使ったセットのやり方などを伝授してもらいながら髪型をキメてもらうと…
いや、なんかめっちゃええやん!
どうでしょう? イケオジになりましたでしょうか?
実は自分では「ちょっとええ感じになったよね」ぐらいにしか思ってなかった(自己肯定感の低い僕は、それでも珍しく満足している)のですが、家に帰ったらマダムに「それ、めっちゃいいやん!」と言われるし、後日帰省してきた辛口の娘も「ええやん」って言ってくれたし、何人かから「なんか若くなったよね?」とか言われて、密かにドヤ顔しております。
今回はフルカラーもお願いしたので13,200円(税込)と、普段は10分カットみたいなお店で済ませてる僕からすると10倍かかったのですが、周りの評価がこれほど良いなら1年に1度くらいは… いや、稼げるようになって毎月通いたい!
なお、通常のカットだけなら5,500円(税込、enoさん指名の場合)なので、白髪を気にしない人ならもっと気軽にイケオジに変身できると思います。
ーー実はガーカガワも割と若い人たちも見てくれてて、もしかするとこれから美容師になりたいって人も見てくれるかもしれません。最後に、そんな人に向けてちょっと偉そうに語っちゃってください!(笑)
櫻井さん「言っちゃってくださいよ!(笑)」
enoさん「(笑)。そうですね… 私がここまでして思ったのは、周りがどうでも、周りに追い越されても、続けた人が本当に一番だなと思いました。『辛かったら逃げてもいいんだよ』って優しく声をかけてくれた人もいるんですけど、そこはもう個人個人の判断だと思うんですけど、私の中では辞めるっていうのは最大の逃げだと思って今までやってきたので、辞めなくてよかったなって思います。辛いときはめっちゃ辛いし、絶対一人では乗り越えれないので、まずは一人でも二人でも本音を話せる相手を見つけることが一番。私は櫻井さんと自分の母親がそうだったので辞めずにここまで来れたんです。
死ぬほど辛いなら別ですが、本当に好きな事に向かっているのなら(辞めるという)究極の選択をしないでほしいですね。私の側には絶対に超えられないと思っている櫻井さんという存在があるのですが、だからといって超えることができないと思いながら仕事はしていません。今の自分にはあれこれ夢を持つのは欲ばりだと思うので、目の前のことをしっかり、逃げずにやっていきたいですね」
なにこのストイックさ!
聞けば、休みの日もスタイリングや髪型、メイクなどの情報を集めて研究していると言います。向上心を持って頑張り続けている enoさんにはいろんな引き出しがあるので、女性も男性も、おっちゃんでも、気軽に相談されてみるといいですよ。
自分では気づかなかった、もっと素敵な自分を発見してくれるかもしれません。
店名 | サンドロ(SANDRO) |
所在地 | 高松市六条町599-2 |
電話番号 | 087-880-9870 |
営業時間 | 火・水・金曜 9:30~21:00 木曜 9:30~19:00 土日祝 9:30~20:00 ※カット最終受付は閉店1時間前 |
定休日 | 月曜日、第四火曜日 |
駐車場 | あり |