最近は「癒し」や「サードプレイス」という単語とともに注目を集めているスナック。都会の若い人たちからは、昭和の頃の水商売的なイメージとは違ってポジティブな見方で捉えられているようです。
僕もサラリーマンだった頃はよく通ったものですが、お店のママや常連さんなど、何のしがらみもない赤の他人との素の会話が楽しくて、一時期、スナックは僕にとっての精神安定剤のような存在だったような気がします。
ふと、そんなことを思い出したのは、今回ある人からの紹介で立ち寄った串揚げ屋さんがまさに良い意味でスナックのような温かさを感じるお店だったから。最近ではめっきり外で飲む機会も減ってしまったのですが、このお店なら定期的に通ってみたいと思ったので、ぜひ紹介させてください。
カウンターでいただく揚げたての串揚げと、自然と会話が弾むアットホームな空間
フェリー通りから西へ入ってすぐ、古馬場町の飲み屋街にひっそり佇む「Dining Fry 串彩(くしさい)」さん。
店の外に置かれたビールケースの上にはブーケが飾られ、店主さんの気遣いにほっこりしながら暖簾をくぐると、そこはカウンターを中心としたこじんまりとした空間になっていました。
お店を紹介してくれた方が予約まで取ってくれたのでその旨伝えると、そこから会話が広がる広がる。常連さんらしきお客さんも巻き込んで、いきなり旧知の仲のような雰囲気に包まれました。なんだかこの距離感が懐かしい。
お店はママさんと娘さんとで切り盛りされているようで、接客しつつ料理を作ったりドリンクを提供したりとチームワークもバッチリ!
ひとしきりあれこれ話したあとは、まずはビールで乾杯と行きましょうか。個人的な話で恐縮ですが、今回は高校の同級生がわざわざ高松まで訪ねてくれたので久しぶりのサシ飲みです。
その同級生がいきなり「これ、めっちゃ美味しい!」と目を丸くする。まだなにも注文してないだろうとツッコみそうになりましたが、お通しだけで酒が飲めるとベタ褒めです。
もちろんお通しだけで済ますわけには行かないので、串揚げを注文することにします。
串揚げは肉類に魚介類、野菜類など40種類以上。お店のこだわりとしては、薄味のやさしい味を意識されいるとのこと。これは迷う!
おすすめもできますよと言われるので、まずはお任せの三品をお願いすることに。あっという間に揚げたてアツアツがやってきました。
キスの大葉巻きにアスパラの豚バラ巻き、そしてちくわチーズ。最初のおすすめだけあってどれも本当に美味しい! 確かに薄味なので素材のうま味を殺すこともなく、そしてビールにも合う。お好みでソースをつけてもいいですね。
そして、2杯目のビールに移ったところでプリプリ食感が絶妙な海老に、なんだか子どもの頃のお弁当を思い出してしまったうずら卵。これもヤバイ!
串揚げ以外にも20種類以上のおばんざい(お惣菜)やご飯物、デザートもあるので、飽きることがないです。
やっぱ、ビールにはタコわさっしょ!(笑)
チキン南蛮など固有のソースが付くものはグラスで届くという親切さ。オシャレですしね!
ついつい、ビールも3杯目に突入してしまいましたが、質の良い油でカラッと揚げているからか、まったく胃にもたれない。
同級生と込み入った話にもなったのですが、そんな時は「お待たせしました!」なんて元気にやらずにそっと注文した料理を置いてくれるような配慮も感じ、そしてまたママさんに話しかけると楽しい会話が始まる。なんだか、とても居心地の良いお店でした。
冒頭にスナックを持ち出しましたが、人恋しくなったら仕事の帰りにでもちょこっと立ち寄って美味しい串揚げを肴に会話を楽しむ。そんな止まり木のような使い方に最適な串彩さんでした。
店名 | Dining Fry 串彩 |
所在地 | 高松市古馬場町9-16 清水ビル1F |
電話番号 | 087-811-9431 |
営業時間 | 18:00~23:00 |
休業日 | 日・月曜日 |
駐車場 | なし |