
最近よく聞きますよね、国内観光地でのオーバーツーリズム問題。
四国ではまだあまり感じないのですが、本州に行くとちょっとした観光地でも人がわんさか… 安・近・短みたいな旅行やインバウンドの増加などさまざまな要因はあるのでしょうが、人気ランキング入りしているような観光地でゆったり過ごすなんてことはほぼ期待できなくなっています。
そこでちょっとおすすめしたいのが隣町の駅前散策です。特に地方は車社会なので、混雑を避けるという意味では、案外町の中心にある駅前が穴場だったりします。その町では一番歴史のある場所であることが多く、それこそプチ観光スポットにこと欠きません。
そんな隣町の駅前散策を提案する第三弾、今回は坂出駅周辺をゆるーく散策してみました。これがなかなか楽しかったですよ!
今後の再開発で変わって行く?昭和レトロが残るディープな街、坂出駅周辺

JR坂出駅前にあったイオン坂出が2024年2月に惜しまれながらも閉店し、その跡地には図書館やギャラリー、カフェなどが入った「坂出駅前をまちのリビングへ」とする複合施設が建設予定。昭和レトロ的な面影が残る商店街のアーケードも、老朽化により次々と撤去され、街の表情もこれまでとは違ったものに変わりつつあります。
そんな変わりゆく坂出駅前を今のうちにちゃんと目に焼き付けておきたい。なんなら今まで知っているようで知らなかった風景にも出会えるかもしれない。ふとそんなことを思って、あらためてJR坂出駅にやってきました。

今回の散策はここからスタート。
瀬戸大橋線の開通と同時に高架駅となったJR坂出駅と、その敷地に広がる駅前の広場はまるで都会のベッドタウンのような洗練された雰囲気。駅の高架下には飲食店やコンビニなども入り、ちょっとしたショッピングゾーンにもなっています。
なのですが、今回は坂出らしさを見つけたいので失礼ながらスルーして市街地のある北側を進むことにします。歩道に設けられた屋根が日差しを遮ってくれて有難い。

実はこの先、パッと見では分からないのですが全国的にも大変珍しい建築群があります。それがこの「坂出人工土地」。

一見、なんの変哲もないテナントビルに見えるのですが、裏側に回るとすごい構造になっています。

坂出人工土地は、建築家の大高正人氏が設計し、1968年に着工。1階に駐車場や商店を配し、その上に住居の建替えなども可能とする強固な構造をした土地を作り、団地や公園、集会場などの町を建築するという、当時「空中都市」として話題を呼んだ斬新な建築物なんだそうです。
少子高齢化が進む現代とは違って、1968年と言えば今後ますます人口が増えていくと信じられていた時代。都市部の少ない土地をどう有効活用していくかが喫緊の課題だった頃のひとつの解として注目を集めたのでしょう。
その坂出人工土地ですが、まるで迷宮!


何店かの飲み屋がひっそりと営業しているようですが、老朽化も進み廃墟の一歩手前といった印象で、異世界感が半端ない。所々二階に向かうであろう階段があるのですが、規則性がないので、へたに上がると迷ってしまいそうな怖さが少しあります。

階上の人工土地の部分は市営住宅となっていますが、坂出市のHPなどで「居住地への立ち入りはご遠慮ください。」とアナウンスされているので割愛。人工土地の北に接する坂出市民ホールの屋上にあるバラ園を覗いてみました。てか、バラ園に向かうこの階段がまるでコンバトラーV!(年代がバレる…)

さすがにバラの時期ではないので期待はしてなかったのですが、真夏のこの時期でもわずかですがバラが綺麗に咲いていました。ちなみに奥に見えるのが人工土地の住居部分。


坂出市民ホールの前もちょっとした広場になっていて、景観も抜群でした。


さらに駅前通りに出て、坂出人工土地の正面を歩きます。この角度から撮ると、坂出もそこそこ都会やん?って思います。

アートな壁があったので記念に一枚。

それにしてもまともな梅雨が来なかったからか、今年の夏は本当に暑い!(毎年言ってますが…)
この暑さではのんびり街ブラというわけにもいかず、逃げ込むように元町名店街のアーケードに向かいました。

日陰に入っただけでほっとする。こんな異常ともいえる気候の中では、アーケードは雨除けというより日除けという意味で本当に有難い存在です。

ここも地方の例にもれずすっかりシャッター街となっているのですが、そんな中でも元気に商売をされている「増田ニコニコ庵」さん。こちらのお団子や饅頭が素朴な味でとっても美味しいんですよ。


路地にさりげなく置かれているベンチも昭和っぽくていい感じ。

以前はアーケードも延々続いている印象だったのですが、本町商店街の讃岐醤油画資料館あたりでおしまい。その先は、2023年から2024年にかけて撤去されたそうです。


アーケードが撤去されてすっきりとした路地。でも、この強い日差しを見ると二の足を踏んでしまいます…
それでも暑さに耐えながら少し歩くと、昭和の頃賑わっていた面影がそこかしこに残っていて、なんとも懐かしい感覚になりました。


とは言え、この灼熱地獄の中では10分も持たない。そそくさとアーケードへ戻り、充電することにしましょう。

いったん坂出駅前まで戻って「カフェ 栞(しおり)」さんへ。

この「氷」の旗の吸引力と言ったらもう!
真夏に限らず街ブラ散策するなら、あらかじめ休憩で立ち寄れそうなカフェを何店か押さえておくのがコツ。特に地方の街だと、駅前なのにカフェ難民になったりするのでわりと重要です。
「氷」の旗が立っているだけにかき氷の種類も豊富だったのですが、私は迷わず定番の練乳イチゴ。ちょこんとのった「おいり」がかわいい!

今回同行してくれたまいさんは、ちょっと珍しいレモンティー風。こちらも美味しそう!

センスの良い店内で、頭キーンとなりながら美味しくいただきました。

かき氷のお陰でいい感じに身体も冷却されたので、ふたたび北へ向かい、坂出港西運河までやってきました。歩けば坂出駅から15分ほどなのですが、ここは無理せず車で移動。暑いなりにも海が見えるとわずかですが涼しく感じますよね。

この西運河は釣り船などが発着するそうですが、この日は人影もなくひっそりとしています。正面に見える両景橋などの風景が丸亀港あたりと似ているのですが、こちらの方が細長く入り組んでいるのでさらに運河っぽい。

その両景橋の下は、意外と良いフォトスポットでした。日陰なので比較的涼しいですしね。

そして、振り向けば西大浜緑地。地図上ではその存在を知っていたのですが、実はここを訪れるのは初めてです。

この西大浜緑地を含む坂出緩衝緑地は、坂出市の市街地と臨海工業地帯である番の州エリアを隔てるように東西に長く整備された公園緑地帯で、環境対策の要素が強いようです。
なのであまり整備されたイメージがなかったのですが、これが公園に入ってみると意外といい感じなんですよね。

何せ森感がすごい。木陰どころか、かなり暗い場所まであって、特にこの時期は過ごしやすい。何人かジョギングされている人とすれ違いましたが、炎天下だと自殺行為であっても、この森の中なら良い運動になるのかもしれません。

木漏れ日のある場所はポートレートに打ってつけ。

子どもたちには松ぼっくりや落ち葉ひろいなど、ちょっと昭和な遊びも楽しいかもしれません。同行した写真仲間のおじさんも「ここは撮影にいいですね!」とお気に入りの様子。こういう発見があるから街歩きは侮れないですよね。


という事で今回はJR坂出駅周辺をゆるく散歩してみました。暑い時期なのですが、駅前ならちょこちょこ休憩できるお店や施設もあるはず。
有名観光地もいいですが、のんびり地元民になった気分で隣町を散策してみるのも楽しいですよ。皆さんもぜひどうぞ!

おしまい。
モデル = まい / Twitter @ec201804
