
香川は日本でも有数の晴れの日が多い県として知られていますが、それでも、休みの日にどこかへ行こうと思った日に限って雨だったりするのはよくあること。特に、瀬戸内海の美しい景観を期待してやってきた観光客の皆さんにとっては残念としか言いようがありません。
とは言え、せっかく高松まで来てくれたのだから雨の日なりに楽しんでほしい… ということで、今回はあえて雨の日を選んで高松市の街歩きをしてみました。
地方都市は、軒並み郊外のショッピングモールに客を奪われて中心街は衰退傾向にあるようですが、ここ高松はわりと元気です。全国的にも活性化事例として注目される商店街の再開発エリアと、昭和の香りが残るディープな街が共存する高松の街なかは、雨の日はまた違った表情を見せてくれます。最後にはとっておきの抹茶スイーツも紹介するのでぜひご覧ください。
雨の日は靴を磨いて。あえて雨を楽しむように散策すると街の風景が変わる。

さっそく傘を差して街を歩いてみましょう! スタート地点はことでん瓦町駅から。まずは駅から線路沿いに北へ少し歩くと、歩行者用のこじんまりとした踏切が見えてきます。
高架化されている都会の鉄道ではほとんど見られなくなった小さな踏切が、雨の日はさらにレトロ感を醸し出すんですよね。コトコト走るローカルなことでん電車と撮る、実は密かにお気に入りの場所なのです。ちょっとシャッターを遅くしすぎて超特急みたいな電車になってしまいましたが…(笑)

この辺りの街並みも一見なんの変哲もない風景なのですが、雨になると結構いい感じなんですよね。めっちゃディープ!


瓦町駅周辺は再開発が進行中なので、昭和の頃からのビルが多くて味のある街並みがまだまだ続きます。ちょっとした細い路地なども多く、ストリート写真を趣味にされている人にはまさに打ってつけな場所が点在しています。

フォトスポットと言えばこちらも注目。瓦町駅の南側に隣接する形で2階に広場があって、実は市民以外にはあまり知られていないスポットなのです。

ここはあえて雨の日に行くこともないのですが、地面がタイルなので雨に濡れると周りのビルが写り込んで綺麗。屋上フォトみたいなのも密かに流行っているようですが、なんとなくそんな写真も撮れます。

モデルとして同行してくれたまいさんも楽しそう。さすがに雨の撮影は憂鬱かなと少し気を遣っていましたがほっとしました。

広場から降りる階段も雨だとめっちゃいい雰囲気。

ここにきて雨脚が強くなってきたので、ちょっと地下へ避難。高松には地下街はありませんが、瓦町駅の正面には地下広場があります。

ちょっとした展示物や、赤いモニュメントもあるのでちょこっと立ち寄るには良いかも。

ふたたび地上へ戻って商店街のアーケードへ入って行きましょうか。


瓦町駅前から入る高松常磐町商店街はちょっと暗いアーケードなのですが、通学路にもなっているのか高校生などの若者率が意外と高い商店街です。かつてジャスコがあった跡地には今後マンションが建設されるなど再開発が進んでいるようなので、これからどんな街並みになるのか楽しみですね。


突き当りの田町交番からちょっと商店街を外れて、高松税務署前の歩道橋へ。ここからの中央通りの眺めもわりと好きなのです。


ここからまた商店街を通って片原町駅まで歩いて電車で瓦町まで戻るのがラクなのですが、あえてあちこち屋根のない通りをうろうろ歩いて、片原町辺りにやってきました。

片原町商店街の細い路地の先にぽつんとある華下天満宮。よくここに可愛い猫がいるのですが、さすがに雨なので出て来なかった…

ここからはアーケードのある商店街を通ってふたたび瓦町駅に戻ることにしましょう。まずは片原町商店街へ。


ここを含む高松中央商店街は、兵庫町、片原町西部、片原町東部、ライオン通、丸亀町、南新町、常磐町、田町の8つの商店街からなり、そのほぼすべてを覆うアーケードは総延長2.7kmにもなります。一説では日本随一の長さと言われています。
一時は他の地方都市と同じような衰退の危機に瀕したそうですが、その後大規模な再開発によりハイブランドを始めとしたファッションや、全国展開するチェーン店などが相次ぎ出店し、現在では休日平日を問わずかつての賑わいを取り戻した感があります。
その再開発の象徴のひとつ、丸亀町壱番街前ドーム広場。ここにはハイブランドのお店などが並び、洗練されたイメージです。


ここから続く高松丸亀町商店街は、いわばメインストリートと言っても過言ではないハイセンスなアーケード街となります。


都会に行けば必ずあるようなチェーン店からその土地のローカルなお店、飲食店やカフェなども多く、ショッピングモールにはない外歩きの楽しさなど、ここを通れば人が集まる理由がなんとなく分かるはず。


多くの観光客は香川のアートや自然豊かな景観を求めてやって来ると思いますが、それぞれの街にはそれぞれの表情があって、一見リトル東京のようにイメージされる高松の市街地も、こうして歩いてみると土地の文化や風土にふれるようで案外楽しいですよ。
そして、ポケモンセンターがオープンして、さらに賑わいの増した丸亀町グリーンと呼ばれるモールに差し掛かりました。

ここはイベント等もよく行われていて活気のあるエリア。今年も11月28日~12月25日にはクリスマスマーケットも開催される予定なので、さらにキラキラな街を楽しめそうです。

さすがに歩き疲れたのでカフェタイムにしましょう。ここ丸亀町グリーン2階にある「お野菜食堂SOHSOH」にお邪魔しました。旬の野菜をたっぷり使ったランチや夕食で人気のお店なのですが、実はカフェ利用にも最適なのです。
食事するお店というイメージが強いからか、付近のカフェが混雑している時にも案外お客さんが少なかったりする穴場に変わります。

そしてカフェタイムに超おすすめなのがこちら。お抹茶のティラミス(630円)。

升に入ったビジュアルがかわいい。ティラミスの大人の甘さと、ほんのり苦い抹茶が絶妙でした。
これはおすすめ! 街歩きのちょっとしたご褒美になりました(笑)

という事で今回は、せっかくの雨なので傘を差しつつ高松の街なかを歩いてみました。
ゆっくり歩くと数メートルごとにいろんな表情を見せてくれる楽しい散策でした。観光客のみなさんもそうですが、地元高松に住む皆さんも地元再発見になるかもしれませんよ。

おしまい。
モデル = まい / Twitter @ec201804
