サッカー界のレジェンドを顧問に迎え、ガチでトップリーグを目指す「UDN香川」
明治期に県立丸亀高等女学校(現丸亀高校)で女子サッカーが行われていたとされる資料が見つかり、以来、女子サッカー「なでしこ発祥の地」と言われる香川県(丸亀市)。
そして、ここ綾川町は知る人ぞ知る「さぬきうどん発祥の地」。そんな縁起の良い(?)土地に新たに誕生したのが、女子サッカーチームUDN香川です。
そのUDN香川ですが、本気度がハンパない!
きちんと運営会社を立ち上げ、綾川町は廃園になった旧保育園を選手寮に改修してチームに無償貸与するなど支援。
そして、チームの顧問には、メキシコ五輪に日本代表で出場して銅メダルを獲得し、その後Jリーグの監督を務めるなど日本のサッカー界ではレジェンド的な存在である松本育夫氏を迎えるというガチもガチなチームなのです。
そしてこの日は、UDN香川の運営会社であるUDN株式会社が主催する「香川県女子サッカーフェスティバル」が開催される綾川町総合運動公園にお邪魔してきました。
天気はあいにくの土砂降りの雨・・・
まぁ、でもサッカーは、雷や余程ひどい荒天でもなければ試合は行いますからね。
実は僕も小学生の頃から30歳すぎまでサッカーをやってたのですが、逆に雨の日の方が燃えるってなもんです。
香川県女子サッカーフェスティバルには、関西や中四国の強豪5チームが参加、30分1本の総当たり戦で試合が行われます。
最初、UDN香川のトライアウト的な大会なのかなと思っていたのですが、聞けばまったくそんなわけではなく、純粋に各地の女子サッカーチームの交流を深め、女子サッカーの普及・強化を目的としたものなんだそう。
綾川町も力が入っていて、開会式には綾川町長さんも挨拶されていました。
そして、ふと見ると・・・
なんと、あのレジェンド、松本育夫さんが普通に試合を眺めているじゃないですか!
幼少の頃に、釜本さんとともに憧れてたレジェンドですからね(ちなみにセルジオ越後さんはサッカー教室でおもろい事ばかりやってたので、いまだにエライ人とは思えないのです)、もうチキりまくりですよ。
それでも意を決して挨拶すると、
めっちゃ優しい人でした(笑)
恐縮しながらもしばらくお話しさせていただいたのですが、「来年の東京オリンピックはメダル獲ると思いますよ」と神のご宣託がありましたので、皆さんぜひ期待して応援しましょう!
というか、みんなレベルが高い!
全国大会出場チームも混じっていますからね。将来のなでしこ達のプレーにしばし取材を忘れて見入ってしまったほどです。
UDN香川が本格始動したら、地元で身近にハイレベルな試合が見れるようになるわけです。ほんと楽しみになってきました。
地元のファンを巻き込みつつ、女子サッカーの新たな受け皿として
運営会社であるUDN株式会社の代表取締役である中本さんにお話を伺いました。
ーーUDN香川は本気でトップリーグを目指されているそうですが、どのような主旨でチームを運営されるのでしょうか?
「ご存じのように、今なでしこリーグもプロ化に向けて具体的な動きが出ていますが、男子に比べるとまだまだ女子サッカーの環境は厳しいものがあります。今、夢を持ってサッカーを頑張っている少女たちの受け皿として活動したいというのがひとつの目標です」
ーー2011年になでしこがW杯優勝をしてフィーバーとなりましたが、その選手のほとんどが別の仕事を持ちながらやっているという現状に、多くの人たちが驚かれたと思います。
「せっかく頑張った子たちが他の競技に行ってしまったりという事も少なからずあります。夢の先がしっかりしていないと、見たい夢も見れないので、そこはなんとかしたいですよね」
ーーこの綾川町でチームを運営するという点についてはどうですか?
「地元綾川町の方々はもちろん、できれば香川県全域の皆さんがファンになり、応援していただけるチームを目指しています。女子サッカーを通じて、地元香川県の人たちと交流し、地域そのものを盛り上げていきたいですね」
ーー最後に、今後の予定などをざっくりと教えていただけますか?
「今後、スカウティングなどを行い、有望な選手を集めていきます。その後、来年の春からは県リーグから活動を開始する予定です。また、近々ファンクラブも立ち上げる予定ですので、ぜひ皆様のあたたかい応援をお願いいたします」
トップリーグとなると、そこへ行きつくまでに数年かかるわけで、夢を持ちながら活動するにしてもなかなか困難な道が予想されます。
そんな中、あえてここ香川県で女子サッカーのトップリーグをゼロからめざす、その心意気に個人的に感動を覚えました。
それに、いちサッカーファンとしては、地元から芽が出たチームを最初から応援できる「見守る」楽しさもありますよね。皆さんも、自分の娘たちのようにUDN香川を応援しませんか?
ガーカガワとしても、今後もUDN香川を追いかけたいと思っていますので、どうぞお楽しみに!
おしまい。