東京に住む娘の話によると、ここ最近旅行先の候補としてどうやら香川が注目されているらしい。
インバウンドの増加もあって国内の有名観光地はどこもオーバーツーリズムのようで、旅行者がのんびり楽しめる環境じゃなくなっていると聞きます。そんな中、観光客も比較的少なくて気候も温暖、瀬戸内海をはじめ世界的にも知られている観光スポットも多い香川に行ってみたいという声をよく聞くようになったそうです。
いやもう、そんな話を聞いたら「香川ええとこやでぇ~!」と、もっと背中を押したくなる!
さらに今回は、香川って車がなければあまり観光できないんじゃね?というハードルを取り払うべく、公共交通機関のみで巡る王道観光地を厳選、東京からでもお手軽に来てもらえるルートを計画してみました。
そしてなんと!
神奈川県在住のインフルエンサー・るかさんにお声がけし、実際に1泊2日の香川女子旅を体験してもらうという大型企画でございます。
その前編として、まずは1泊2日の1日目。関東住みだとなかなか船旅なんてできないだろうという事で、とっておきの島旅を満喫してもらおうと思います。東京とその周辺にお住いの旅好きの皆さんにぜひ参考にしていただきたいと思います。
※交通機関の時刻や各施設の価格等は取材時時点のものです。実際の旅行の際は最新の情報を公式webサイト等でご確認ください。
東京(成田)から高松へ。LCCのジェットスター利用で意外とリーズナブルに行けるのです。
東京(成田)発7:20。ちょっと早起きしなきゃいけませんが、リーズナブルに香川に来るならジェットスターに限ります。
曜日や時期などで変動はしますが、例えば10月や11月の片道料金の最安値を見てみると4,080円(本項執筆時点)! もっとも、受託手荷物や座席指定などはオプションになるので実際にはもう少し高くなりそうですが、それぞれの旅行スタイルに合わせて選択できるのも魅力ですよね。
高松空港到着も8:55なので1日たっぷり観光できるし、快適性もJALやANAなどのフルキャリアと比べても遜色なし。実際るかさんも「ほぼ寝てました(笑)」というぐらい快適だったそうですよ。
そして定刻より早く到着して少々慌てましたが、無事るかさんとも高松空港で合流していよいよ香川旅のはじまりです。ようこそ香川へ!
高松空港から小豆島行きフェリーの発着する高松港までは空港リムジンバス(高松駅行き)が便利。さらに小豆島に行くなら、往復のリムジンバスとフェリー運賃がセットになったチケットが2,900円と500円お得。到着ロビー正面のインフォメーションセンター横にある券売機で購入できますよ!
詳しくはこちら ⇒ 【高松空港限定】小豆島バス&フェリー往復割引チケット
高松空港から高松港フェリー乗り場まではおおよそ45分、香川らしい丸っこい山々が望める田舎の風景からリトル東京と呼ばれる街の中心部までの変化に富んだ車窓を眺めていると、あっという間に到着します。
フェリー乗り場で降りてもよかったのですが、ホテルのクロークに立ち寄るために終点の高松駅まで乗車。この日宿泊するJRホテルクレメント高松ではチェックイン前や後でもその当日中であれば荷物を預かってくれます。何かと荷物が多くなってしまう女子旅には強い味方。これは嬉しい!
荷物を預けて身軽になったことですし、フェリーの時間まで港のあるサンポート高松エリアを少し散策してみましょうか。JR高松駅や今回宿泊するホテル、そして高松のランドマーク・高松シンボルタワーなどが集まったサンポート高松は、瀬戸内海に面したウォーターフロントエリアです。
初めて高松に来た人なら、きっとこの穏やかな瀬戸内海の景色に心を奪われるはず。
3年ごとに開催される瀬戸内国際芸術祭の関連アートがあったり、運が良ければ豪華客船や海上自衛隊の艦艇が停泊していたりと見どころも多い、散策するにはぴったりの場所です。
ではそろそろ小豆島行きのフェリー乗り場に向かいましょうか。
ここ高松港からは小豆島の2つの港に行くフェリーが出ています。ひとつは土庄(とのしょう)行きで、もうひとつが池田行きでどちらも約1時間の船旅。人だけの乗船の場合は、出航時間の15分前ぐらいに行けば十分でしょう。
瀬戸内海の島々や行きかう船を眺めながら約1時間の船旅!これだけでも香川に来る価値あり
高松港11:10発池田行きフェリーに乗船、ゆっくり岸壁から離れていくと、やがて後方にサンポート高松にあるビル群が一望できます。この景色はぜひ写真に撮っておいてほしい。
地元の人たちはもう見慣れた景色なので冷暖房の効いた客室でぼんやりしているのですが、観光に来たならデッキに出て心地よい潮風にあたってみてはいかがでしょうか?
船旅と言えばたいてい水平線がどーん! みたいな印象ですが、瀬戸内海の船旅はかなり趣が違っています。島々が多いので場所によっては水平線がほとんど見えない位です。行きかう船も瀬戸内海の風景の一部になっていて、どこを切り取ってもフォトジェニック!
カメラ女子でもあるるかさんも写真を撮りまくっていました。
今回はヘアメイクとして同行してくれた札野茉凛(ふだの まりん)さん。ヘアメイクはもちろんのこと、るかさんの良い話し相手になってくれて本当に助かります。イケオジとは言え(どこがやねん!)さすがに初対面の僕と2日間みっちりは、るかさんもきついでしょうしね…
てか、モデルやらされてるやん!(笑)
それからプチ撮影会に突入してしまっておっちゃんは取り付く島もなかったのですが、連休などでない限り混雑することもほとんどないので写真を撮るのもそれほど気を遣わなくていい。
約1時間の乗船というのもちょうど良くて、写真を撮ったり海を眺めてぼーっと過ごしたり…、そうそう、売店にはうどんも販売されていてこれが美味しいんです。アクティブに動き回りたい人は船内で昼食を済ますのも手ですね。
などと言ってるうちに池田港に到着です。
島の食材を使った絶景ランチとオリーブ畑でまったりと過ごす
今回、島内の移動は小豆島オリーブバスを利用することにします。
うまく使えば割といろんな観光地に行くことができますが、本数が少ないのでバスの時間に合わせた計画が必要です。都会の路線バスの感覚でアバウトに考えていると結局どこにも行けなかった…なんてことになりかねないのでご注意を。
オリーブ色のかわいいバスがやってきました。
池田港のバス停12:18発のバスに乗って10分ほど、オリーブヶ丘で下車すると、最初の目的地である小豆島オリーブ園が目の前にあります。
まるでエーゲ海にいるような風光明媚な小豆島ですが、実は食の宝庫でもあるのです。オリーブをはじめ、醤油に素麺、豊富な海の幸や山の幸など書ききれないくらい。
そんなわけで小豆島に行くたびに何を食べようかと迷ってしまうのですが、今回はとっておきのレストランを紹介します。
小豆島オリーブ園にあるレストラン「オリーブパレス RestlaA(レストレア)」さん。
少し高台にあるレストランからの眺めが最高なんです!
こちらのレストランでは、この素晴らしい景色とともに小豆島の名物である素麺やひしお丼、エキストラバージンオイルがかけ放題のパスタなど「小豆島の美味しい」を存分に楽しめるのがポイント。しかも、価格はちょっとしたカフェのランチ程度なので、気軽に立ち寄れるのも魅力のひとつです。
特製ソースでいただくオリーブ牛のひしお丼(1,350円・税込)
最初のひと口から感じるこのエキストラバージンオリーブオイルの濃厚さ。いつも食べているオリーブオイルとは違ってしっかりオリーブの風味を感じます。オリーブ牛との相性も抜群!
小豆島産のもろみ味噌をたっぷり楽しめるこちらのメニューも人気なんだとか。
もろみ味噌とたっぷり野菜のひしお丼(1,150円・税込)
オリーブオイルともろみ味噌の味がしっかり付いたそぼろと、島でとれた野菜との相性がすごく良くて、こちらもとっても美味しかった。
小豆島は素麺の産地でもあります。地元のものは地元で食べたいということで、小豆島二色素麺セット(1,200円)もチョイスしました。素麺て、なぜか定期的に無性に食べたくなるんですよね。
食事の後は、イサム・ノグチの照明器具や家具などをコレクションした珠玉のミュージアム・アルテトラに立ち寄ってみたり、
オリジナルブランドのオリーブ商品を中心に、小豆島が誇る特産品を揃えるオリーブショップでお土産を買ったりするのもいいですね。
そして、ぜひ見てもらいたいのがこのオリーブの原木。1917年に植えられたもので樹齢100年を超える立派な木です。
ここからオリーブ畑の中を進む遊歩道を通って、お隣りの道の駅小豆島オリーブ公園まで散策することにしましょう。後日、るかさんが自身のSNSに「小豆島グリーン」と表現した素敵な景観が広がります。
やがて、まるでエーゲ海にでもいるかのような風車が見えてきます。ここが小豆島でも人気の高いフォトスポットのひとつ、道の駅小豆島オリーブ公園です。
実写版魔女の宅急便のロケセットが残っていたり、オリーブ色のかわいい丸ポストがあったりと映えること間違いなし!
魔法のほうきは無料で貸してくれるので、ギリシャ風車の前でぜひ記念撮影を。
タイミングを合わせてジャンプ! てか、髪の毛!(笑)
スマホだとシャッターのタイミングが難しいので連写がおすすめ。下から見上げるような角度で撮るとさらに飛んだ感のある写真が撮れますよ。
オリーブ公園と道の駅オリーブ公園ではたっぷり映え写真が撮れるのでぜひ時間を取ってお楽しみください。
◆LOCATION
小豆島オリーブ園
小豆郡小豆島町西村甲2171
8:30~17:00 ※レストランは9:00~15:00(年中無休)
道の駅小豆島オリーブ公園
小豆郡小豆島町西村甲1941-1
8:30~17:00 (年中無休)
小豆島に妖怪? 迷路のまちで不思議体験からのエンジェルロード
オリーブヶ丘14:36発のバスに乗って次に向かったのは、迷路のまちにある妖怪美術館。土庄本町バス停下車となります。
めっちゃ天気が良かったので思わず爽やかに撮ってしまいましたが、実は「現代の妖怪」をテーマにした、世界で唯一のミュージアムなのです。
いきなり怖っ!
明治期に建てられた蔵や倉庫、庄屋の建物、昭和期の印刷所跡をリノベーションした全4館からなる「妖怪美術館」は、現代の妖怪が世界中から800体以上も集まるエンターテインメント性に富んだ美術館です。
館内に入ると…
ガチで怖いから!
そして、巨大な妖怪!!
2人で鼻くそになるという神対応ありがとうございます。
そしてさらに別の建物を覗くと…
いや、まじで怖いから!
閲覧注意級の恐ろしさと、それでいてどこかクスッ笑いしてしまう妖怪たちに、逆に体の変な憑き物取れたような爽快感が味わえる不思議な美術館でした。
人によっては悲鳴で喉がカラカラでしょうから、妖怪にまつわるグッズや小豆島のおみやげなどが並ぶショップを冷やかしたり、常連客は妖怪という「妖怪bar」でドリンク片手に少し休んでもいいですね。
いや、最後が一番怖かった!(笑)
館長であり妖怪画家でもある柳生忠平さんと。
妖怪美術館
小豆郡土庄町甲398
9:00〜21:00(木曜日のみ17:00まで / 水曜日休館)
そして、さらに迷路のまちを歩いて次の目的地であるエンジェルロードへ向かいます。
「迷路のまち」というのも洒落た名前だなと思ったのですが、その昔、海賊や海風から住民を守るために複雑に入り組んだ路地を造ったと言われています。
細い路地を迷いながら歩いているとまさに迷路のよう。西光寺横の小径なんて風情たっぷりです。
ふいにこういう小径に出会えるのも公共交通機関を使った旅の醍醐味ですよね。車だと気づかずに通り過ぎてしまいます。
そして、ちょうど引き潮の良い時間帯にエンジェルロードに到着しました。
エンジェルロードは、沖にある余島まで干潮の前後にのみ砂浜でつながる不思議な場所です。
その架け橋のようにつながった砂浜をカップルで渡ると幸せになるという噂が流れ、いつしか「エンジェルロード~天使の散歩道~」と呼ばれるようになりました。
もう夏の海水浴も一般的じゃなくなっているので、砂浜を歩くことも少なくなっているのでは?
波の音を聞きながら「わっ、砂が靴に入った~!」なんてはしゃぐのも楽しいですよ。
さすがに暑かったのでアイス(笑)
たっぷり小豆島を楽しんだのでそろそろ帰路に着きましょうか。エンジェルロードの最寄りのバス停・国際ホテル前16:57発のバスに乗って土庄港へ。ここから高松行きのフェリーに乗船しましょう。
ちょうど日の沈む時間帯のフェリーだったので、夕陽がとっても綺麗でした。
高松港に着くころにはすっかりゴールデンアワー。体力が残っていれば、少し散策してもいいですね。
おじさんは体力が残っていなかったのでそのままホテルへチェックインです(笑)
高松の夜はお寿司。そして港に面したホテルでプチリゾート気分!
この日のお宿は高松屈指のハイセンスなホテル・JRホテルクレメント高松をチョイス。港に面していて部屋からの眺めもいいし、交通アクセスもいいので県外の人からおすすめの宿を聞かれたら真っ先にすすめるホテルです。
まずはとりあえずチェックイン。さすがに疲れたよね~(笑)
人におすすめしておいて何なのですが、地元に住む僕が高松のホテルに泊まることなんてほぼないので、実はクレメントの客室って興味津々だったのです。実際に泊まった人の評判がすこぶる良いので人にはすすめているのですが、今回初めて客室を拝ませていただきました。
スタンダードなシングルやツインルームは元より、スイートから和室までバラエティに富んだ客室があるのですが、今回は二面採光の角部屋・スタンダードダブルに泊まってもらいました。
海側だったので眺めも最高! ホテルの設備やホスピタリティーももちろん良いのですが、泊った人たちはまず部屋からの眺めにやられてしまいます。
ダブルベッドなので一人で宿泊するなら広々。今夜はゆっくり旅の疲れを癒していただくとして、いったん夕食のためにホテルを出ましょうか。
JRホテルクレメント高松
高松市浜ノ町1-1
隣接するJR高松駅前まで出ると、街の明かりがいい感じ。この春に新しい駅ビル・高松オルネがオープンしてからはさらに良い雰囲気になりました。
スマイルステーションのハートをうまく取り入れて(笑)
実は今回の計画を立てる時、最後まで迷ったのが駅前での夕食です。せっかくなので地元の美味しいものをおすすめしたくて、さらに駅周辺にはそれらを扱う居酒屋も点在しているのですが、女子旅という要素を考えたりするとほんと決められない…
それでたまたま高松オルネにオープンした杉玉さんの記事を書いたら、るかさんから「杉玉大好きです!」とコメントをいただいたので、リクエストにお応えして「鮨 酒 肴 杉玉 JR高松駅」にお邪魔することにしました。
とりあえずお疲れさまでした~!
「鮨 酒 肴 杉玉」は回転すしスシローと同じグループの大衆寿司居酒屋で、関東や関西を中心に全国・海外あわせて現在91店舗(2024年8月時点)を展開しているそう。グループの仕入れ力を活かし、こだわりの寿司や一品料理をお手頃な価格で提供。鮮度や味、見た目もこだわった寿司や、居酒屋ならではの一品料理、そして食事と相性抜群な自慢のお酒を多数用意しているとのこと。
なにはともあれ、まずは「杉玉ポテトサラダ(539円・税込)」から。
前回取材でいただいてすっかりハマってしまったのですが、カプセルに入った「杉玉」のロゴをモチーフとしたポテトサラダの中身は卵黄と寿司屋らしく刻んだガリが入っていて、これが良いアクセントになっていてめっちゃおいしい!
がっつり肉厚のお寿司も食べたい! 「思わず写真を撮りたくなる、厚切り5貫盛り(1,749円・税込)」はひと口食べると涙腺が崩壊する美味しさ。
なお、上記杉玉ポテトサラダと厚切り5貫盛りは1日の販売数に限りがあり、また仕入れ状態により販売を中止することもあるそうです。他のメニューについても同様の取り扱いがあるかもしれませんのでご注意ください。
タコさんウインナーも可愛いし、ネタの乗ったシュウマイも初体験の味でした。
ちなみにそこそこ食べて飲んで一人あたり4,000円ほど。明るくて開放的な店内なので、女子旅にも安心しておすすめできる大衆寿司居酒屋さんでした。
鮨 酒 肴 杉玉 JR高松駅
高松市浜ノ町1-20 高松オルネ南館1階
11:00~23:00(L.O.食事22:00、ドリンク22:30)・無休
という事で断捨離の出来ない僕はまたしても超絶長い記事となってしまいましたが、香川女子旅1日目の小豆島編はいかがだったでしょうか?
後編となる2日目の高松編も魅力的なスポットが満載! そして香川で人気のあの讃岐うどん系YouTuberも乱入してくるてんこ盛りの内容となっています。続けてぜひご覧ください!
⇒ 2日目 観光スポットがぎっしりコンパクトに詰まった高松の王道観光地を巡る
モデル = るか / Instagram @rk19_photo
ヘアメイク = 札野茉凛(ふだの まりん)/ Instagram @ridayo__20
おまけ るかさんが撮った素敵な写真(1日目)