「香川なんて、もう行くところないしなぁ~」なんて、無駄にショッピングモールで時間を潰しているあなた!
たまには目線を変えて、家族やカップル、友人どうしで同じものを「体験」する楽しさを味わってみてはいかがでしょうか?
しかも、意識の高い読者さんなら、伝統文化や環境問題といったキーワードはきっちり押さえたいところ。
という事で今回は、丸亀市にある旅籠屋Tonbiii(とんび)さんを紹介したいと思います。
本誌でもすっかりお馴染みとなった、スタァ・さっちゃんに本藍染も体験してもらいますよ~!
飛び込みでもOK!本藍染やうちわ作りが気軽に体験できる
金毘羅さんへと続く丸亀街道の起点となる「太助灯籠」のすぐそば、JR丸亀駅からも徒歩5分ほどという立地にある旅籠屋Tonbiiさんは、昭和の香りが残る築70年の民家を改装した、とても雰囲気のある工房兼店舗です。
ガラガラと引き戸を開けて店内に入ると、そこにはさまざまな藍染製品やうちわが並べられていました。
何度も通っているさっちゃんは、まるで勝手知ったる我が家のようにあれこれ説明してくれます。
すでに画像から音声が漏れているかのようですが、「このピアスもとんびさんで買ったのよ~ 可愛いよね~」と音速で喋るので「ああ、若い子みたいにピアスの穴開けてるんや…」と思いました。
そして、こちらはTonbiiiさんが考案された「突光(とっこう)」という手法で描かれたうちわ。
ひとつひとつ手作業で穴をあけ、光にかざすとまるで藍の中に模様が浮き出ているように見えます。夏になったら浴衣を着て、こういう涼し気なうちわを持つとめっちゃ品が良く見えませんか?
もう何年も前の話ですが、京都のある女将さんが「浴衣にお金かけられへんのやったら団扇だけでも奮発しはったらええわ。途端にええもん着てるように見えますえ。」と言ってたのを思い出しました。
うちわはまた浴衣の時期になったらお邪魔するとして、今回は藍染体験です。
藍草を発酵し乾燥させた「すくも」をはじめとした天然の染料で行う本藍染は、1,500円(税別)~という手軽な価格で体験できます。
新型コロナが流行する前は海外からのお客さんも多く、あるインバウンド向け旅行会社からは「この価格設定は安すぎませんか?」と言われたそうですが、店主の清水さんは儲ける事より、丸亀のうちわとご自身がその魅力に取りつかれた徳島の藍染を多くの人に知ってもらいたいという思いの方が強いのだそう。
そもそも藍染に興味を持ったのも天然のもので染色するその風合いもさる事ながら、最後は自然に帰るという地球の環境にも優しいという藍の特徴に魅力を感じたから。
それから本場徳島で本藍染を修行し、独学も重ねながら工房兼店舗を構えたのですから、その思いはまさに本物です。
清水さんのお気に入りというほんわりとする歌が流れる店内と、穏やかだけど職人の誇りをさりげなく感じる清水さんの説明を聞いていると、なんだかいいなぁ~、なごむわぁ~と、つい口から出てしまいました。
それでは、いよいよ本藍染体験です。
樽のふたを開けると、藍の花が浮いた鮮やかな染液が見えました。
この藍色のスポンジのようなものが愛の花と呼ばれるもの。いわゆるアクのようなものだそうですが、この愛の花の状態で染液の状態が分かるんだそう。
愛の花を桶にすくって取り出し、準備完了。今回は、時節柄マスクの藍染にチャレンジします。
がんばるぞー!
はーい、ほどほどにね~っ!
最初は清水さんが見本を見せてくれます。
染液の水面をできるだけ波打たせずにゆっくり浸して約1分ほど揉みます。そして、しっかり絞ったら30秒ぐらい空気に触れさせます。それを何度か繰り返しますが、その回数は染めたい色の深さによって変わってきます。
さっちゃんは、直感で好きな色だからと18回染を選択。さっそく真剣に、黙って作業を始めます。
1分間浸して…
しっかり絞ったら30秒空気に触れさせます。
そしてまた浸して…
絞って空気に触れさせる。
浸して…
絞って空気に触れさせる…
また浸して…
さっちゃん「あれ、今何回やったっけ??」
知らんがな…
そして、軽く昼寝がしたくなるほどの心地良くなごやかな時間が流れ…
回数を忘れてからは、1分と30秒というルールも適当な感じとなり…
清水さんも自分の作品を作り始め…
ええ天気やなぁ~と呟いたりしながらまったりと過ごし…
そろそろさっちゃんも飽きたそうなので…
水で洗い流します。
製品としてはここから「乾燥」「灰汁抜き」「水洗い」という作業を7日間繰り返して藍を生地に定着、色移りしないよう仕上げるそうですが、今回は体験なのでアイロンでさっと乾かします。
ご自宅に持って帰ってから水洗いと乾燥を何度か繰り返すとさらにしっかり色が定着するそうです。
乾かしている間にさっちゃんがまたぞろ藍製品の「おすすめだよ~」なポーズを取るのでいちおう撮影しとこか。
これは確かにちょっとほしいと思ったし(笑)
そして、ご厚意で藍茶をご馳走になったら、見た目の色に反して意外に優しい飲み味のお茶で、これがまためっちゃなごむ~!
ここに来てから「なごむわぁ~」って何度言ってしまったことか。
本当にリラックスすると余計な頭が回らなくなるのか、なぜかボキャブラリーが少なくなるんですよね。
本当に良い時間でした。
うちわ作りと本藍染体験は、飛び込みでもOKですが、予約も可能との事。今回はいろいろお喋りしながらだったので長居をしてしまいましたが、通常60分程度とお気軽に体験できるのがポイントです。
メジャーな観光スポットもいいですが、みんなでこういう「体験」するのもたまにはいいですよ~!
さっちゃんと、店主の清水さん。
ゲストルームも昭和な感じでなごむ!
ついでに2階にあるゲストルームも見せていただきました。
こちらは、1泊5,000円(税別)のお部屋。他にも1泊3,000円のお部屋もあるそうです。
昭和の場末感が出ていて、個人的には何かの撮影に使いたいと思いました。
こんな風に(笑)
さすが美人の名残が残るさっちゃん、思いのほかいい感じに撮れました。
おしまい。
店名 | 旅籠屋Tonbiii(はたごやとんび) |
所在地 | 丸亀市西平山町231-2 |
電話番号 | 0877-88-8251 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 月曜日 ※祝日の場合は営業し、翌日振替休業 |
駐車場 | 店舗隣りにあり |