ここ数年、文芸書が売れなくなったと聞きます。
そう言われると、カフェや電車の中で本を読んでいる人を見かける事もほぼなくなり、話題の本やベストセラーを扱ったニュースも露出が少なくなったような気がします。
僕自身も10代半ばから月に何冊も小説を読み続けていたのですが、ここ数年は出張の際のお伴にする程度でネット依存が増した感があります。
そんなわけで、今回、モデルのあいりんから「がっつり本が読める落ち着いたカフェがあるんです。」と聞いた時には、失礼ながら今時の若者が「本が読める」事をお店選びの基準としている事にちょっとした驚きを感じるとともに、そのカフェに対する興味が湧いてきました。
特に「そう言えば最近小説とか読んでないな…」なんて思われる方には、ぜひご覧いただきたいと思います。
まるで往年の小説に出てくるような味のある喫茶&バー
「半空(なかぞら)」という店名を聞いて、記憶が確かなら昔読んだ芥川龍之介の小説で目にしたような気がしますが、半空とは広さの意味の空の半分ではなく、高さの意味を表しています。
普段使いの言葉じゃないので、なんとなく文学的な言葉の響きを感じますが、そんな事を考えながら階段を上がっていくと、まさに往年の小説にでも出てくるような店内の雰囲気に度肝を抜かれました。
真昼間なのに店内は真っ暗!
雰囲気づくりのために店内の照明を落としているお店は多いのですが、僕人生の中で最闇じゃないでしょうか?
慌ててカメラの露出を上げて撮影しながら店内を見回すと、あえて意図とされているのか、確かにこれくらい暗い方が読むことに集中できるのかなと感じます。
店内はカウンターのみ。
ふらっと立ち寄っても、これだけの本があれば興味のそそられるものも多いと思います。
おっ、片岡義男なんて高校生のころ読み倒したなぁ~(笑)
コーヒー&バーというだけあって、ドリンク類を中心としたメニューも豊富。
よく見ると、音楽や文学をもじったメニューもあって、ちょっと気になる…
初めて来たお店は常連さんおすすめのものをオーダーするに限る。同行したあいりんにおすすめを聞き、さっそく注文しました。
と言いつつ、僕はオーソドックスにブレンドコーヒー。
※半空ブレンドコーヒー(600円)
がっつりコクのあるコーヒーも増えてきましたが、こちらはちょっと香りの良いほっとする飲み味。
聴き心地の良い音楽をさりげなく感じながら本を読むならこの味なんだろうな…と思わせる美味しさでした。
あいりんは、これまた読書に定番の紅茶。
※ウエディングインペリアル(700円)
ココナッツっぽい甘い香りと味なんだけど、あっさりとしていて飲みやすい。ミルクを入れるとさらにコクが増して美味しいとの感想。そのまま前に来た時に読みかけていたという本に没頭してしまいました。
ヒマなので、読書に集中しているあいりんを撮りまくって邪魔をする僕(笑)
さらにヒマで小腹もすいてきたのでこちらもオーダー。
※フルーツサンド(600円)
甘ーい、美味しい、フルーティー!
というか、お前も本読んだらええやん! みたいなツッコミが来そうですが、それはまた個人的にお邪魔した時の楽しみに取っておきます。
僕だけ食べるのも何なので、あいりんにはこちらもオーダー。
※コーヒーゼリーパフェ(1,200円)
物静かなオーナーさんがさりげなく点ててくれる美味しいコーヒーに、この場所だけ時間が止まったような心地よさ。まるで、最近読んだ小説「コーヒーが冷めないうちに」(著:川口俊和)に出て来そうな雰囲気の良いカフェのよう。
小説だとコーヒーが冷めないうちに戻ってこないと過去から抜け出せなくなるのですが、半空さんならコーヒーが冷めても居座りたい… そんな事を感じさせる素敵なお店でした。
モデル=あいりん
撮影=ガーハラダ
店名 | コーヒー&バー 半空 |
所在地 | 高松市瓦町1丁目10-18 北原ビル2F |
電話番号 | 087-861-3070 |
営業時間 | 13:00~3:00 |
定休日 | 日曜日 |
駐車場 | なし |