「ぴっぴ」とは、讃岐弁でうどんのこと。
小さなお子さんに向けて使う言葉で、全国的には「ちゅるちゅる」って言うのでしょうか、「まんま」とか「ねんね」みたいな赤ちゃん語のひとつです。

さて、その「ぴっぴ」ですが、最近ではあまり聞かれることがなくなりました。というより、うどん屋さんで乳幼児を連れたファミリーを見かけることが少なくなったような気がします。
少子化ということもあるのかもしれませんが、昼時はいつも混雑する回転率重視のうどん屋さんが多いので、「子どもがいると気を遣う」「子どもと行く時はお昼時を外している」というママさんの話もよく耳にします。

そんなぴっぴ家族の皆さんに朗報です！　小さなお子さんが何人いようが、お昼の真っ只中であろうが、ゆっくりうどんが味わえるお店が丸亀にあると聞き、さっそくお邪魔してきました。

讃岐麺食堂 縁や 丸亀店さん。

結論を先に言うと、もう公園代わりに通ってもいいんじゃね？　と思うレベルでした。

ファミリーにゆっくりしてもらいたい！広い店内を生かした至れり尽くせりなうどん屋さん

さっそく店内に入ると、ちょっと高級なテーブルと椅子がずらっと並ぶ広い空間。その広い店内の真ん中よりやや入り口寄りには、どーんと設けられたキッズスペースが目に留まります。

うどん屋さんにこの広さのキッズスペースは見たことがない！　遊具もたくさんありますし、キッズスペースを隔ててさらにテーブルと椅子が並んでいて、一般のお客さんとのゾーニングがうまく考えられています。
一般のお客さんは店内の奥へ行き、ファミリーは入り口側、自然とそういった使い方になっているので、隣の席のおじさんおばさん達に気を遣うことなく過ごせるのがポイント。

さらに、乳幼児向けのカトラリーやヨダレかけなんかも充実！　いやもう、手ぶらで来れるでしょう！

さらにさらに、店内にはこんな貼り紙が！

うどん食べなくてええんかいっ！（笑）

うどん県民と言えども週7でうどんはさすがにきつい。定番の天ぷらのほか、ちょっとした惣菜も充実しているのでこれはありがたい！
冷暖房も完備されているので、食事ついでに毎日公園代わりに使ってもよさそうですね。

と、冒頭からファミリー推しばかりしてしまいましたが、肝心のうどんが美味しくなければ始まらない。
今回は、時期的にそろそろ食べたくなる釜あげうどん（小360円）をお願いしました。

これこれ、夏の間はつい逃げの「冷かけ」をチョイスしていたのですが、うどん本来の味を楽しむなら釜あげ一択。それこそ、そのお店の「うどん」が分かる一品ですよね。

縁や丸亀店さんのこだわりは、ゆでたてあげたてを提供すること。当然釜あげはゆでたてなのですが、他のうどんについてもゆであがりから15分を過ぎたうどんは使わない。残ったうどんは無料で提供するという徹底ぶりです。（これは早い者勝ち）

さっそくいただきましょう！

さぬきうどんはコシが命とよく言われますが、この釜あげは柔らか目の僕の好きなタイプ。出汁につけてちゅるちゅるっといただくと、のど越しの良さがたまらん！　これはうまい！
熱いのでそこは気を付けるとして、この程よい柔らかさは小さなお子さんにもぴったりじゃないでしょうか。

天ぷらも美味しいよ～！
サクサクのレンコンに、この唐揚げはしっかり味が染み込んでいて、さすがはお店の自信作のことだけはありました。

最後に副店長の香川さんにひと言いただきました。

香川さん「当店の自慢はこだわりの美味しいうどんと、ファミリーの方にもゆったり過ごしてもらえる店内です。時間を気にすることなく、お子様連れでぜひ遊びに来てください！」

取材に伺ったのは11時すぎだったのですが、お昼時間に近づくにつれ、お客さんも増えてきました。
中には小さなお子さんを連れたママさんたちの姿も見られ、この地域ではすっかり「ファミリーに優しいうどん屋さん」というポジションが認知されていることも伺えました。

縁や丸亀店さんに行けば、可愛らしいお子さんから「ぴっぴおいしい」なんて声が聞こえてくるかもしれませんね。