コロナ禍で大打撃を受けた各観光地ですが、そんな時だからこそ踏ん張って、古いお店のリニューアルやリノベーションなどを積極的に行い、さらに街の魅力に深みが増した琴平町。その賑わいぶりに、数年ぶりに訪れた地元の香川県民が「こんなに楽しい街になってるの?」と驚くほど。
12月~2月の休前日にはサンライズ瀬戸が琴平まで延長運転されますし、東京からも行きやすくなる金刀比羅宮の表参道筋をぶらりと散策してみました。
風情を残しつつオシャレで楽しいお店も続々登場!金刀比羅宮表参道筋
観光客で賑わう表参道は「金陵の郷」の少し手前からスタート。この辺りまでJR琴平駅からは徒歩で約10分、車で行く方は周辺に有料駐車場(普通に観光して400円~800円ぐらい)が多数あります。
ちなみに高松市内からは国道32号線を下道で行く人が多いと思いますが、善通寺I.Cまで高速道路を使って南下した方が断然早いです。
まずは周辺をぶらりと散策。金倉川に架かる橋からの眺めや、レトロな商店街の看板などが旅情を感じさせます。
「金陵の郷」には大きな楠(くすのき)が。その昔、こんぴらさんの天狗がこの楠で休息したという言い伝えが残っています。江戸時代に建てられた香川の地酒「金陵」の酒蔵を改装し、お酒の製法や昔ながらの道具などを展示している「金陵の郷」にはつい立ち寄ってしまいます。
表参道筋を少し歩くと、左手に漆器のお盆が一面に貼られたアートっぽい壁が!
こちらは2023年12月にオープンした「ことひらテラス」さん。間口が広くて開放的なのでとっても入りやすい!
店内に入ると、カフェというよりオシャレな休憩処といったイメージ。和モダンで明るい店内に引き寄せられるようにたくさんのお客さんが利用していました。
仲多度郡琴平町716-5
営業時間 10:00~16:00
そして、こんぴらさんで人気と言えばこちらの「おいりソフト」は外せない! その元祖である「ナカノヤ琴平(中野うどん学校琴平校)」さんにお邪魔しました。
こちらのナカノヤ琴平さんにはちょっと変わった香川らしいお土産が並んでいるのが特徴です。ゆるキャラグランプリ「ゆるバース®」で優勝した香川のご当地ツルキャラ「うどん脳」のグッズはファンでなくてもつい買ってしまう人気商品。
その隣には、なんと本物のうどんで作られたかわいいマグネットやキーホルダー、ブローチもありました。
うどん作りが体験できる「中野うどん学校」を併設しているだけあって、お土産用の讃岐うどんも一風変わったものを販売。自分でお好みの太さに切って食べる「讃岐巻物うどん」や、
愛犬も一緒にうどんが食べられる「ドッグヌードル」や、自分でうどんを打つ「手打ちうどんセット」などは自宅用のお土産にもいいかも。
他にも可愛いものや面白いもの、もちろん定番のものまで様々なお土産が揃っているのでぜひ覗いてみてください。
そしてお待たせしました「おいりソフト」です。いつも大変人気で、この日も冬の寒空にもかかわらずたくさんのお客さんが並んでいました。
抹茶と、抹茶+和三盆のミックス。
ソフトクリームに散りばめられたカラフルな「おいり」がとってもキュート!
「おいり」とは、元々は香川県の西讃地域で結婚式の嫁入り道具として使われた銘菓です。「心を丸く持って、まめまめしく働きます」との意味が込められ、長じてしあわせのお菓子として重宝がられています。
冷たいソフトクリームにカリカリな食感のおいりがとっても合います。写真映えするので、食べる前に皆さんスマホで写真を撮るのが定番になっていました。
仲多度郡琴平町796番地
営業時間 8:30~17:30(年中無休)
さらに表参道筋を歩いてみましょう。
琴平町でやたらと目につく丸ポスト、何年か前に調べたところ町内に19個ありました。丸ポストが日本一多い小平市で32個なので、なかなかの数だと思います。
階段の脇にある石垣ではちょっとイキってポートレート。こういうのも旅の思い出になったりするんですよね。
ここからは金刀比羅宮本宮まで785段の階段が続きます。これまでの広い参道から一変して、まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのようなレトロな商店が並ぶ石畳の参道になり、旅情が一層感じられることでしょう。
若い人たちで賑わう射的屋さんを見つけました。
実は参道沿いにもう1店舗あるのですが、結構並んでいて取材を断念。こちらの店舗も若い人たちで賑わっていたのでいったんやりすごしたのですが、たまたまお客さんがいないタイミングを見計らって突撃、以前他の観光系の撮影でお邪魔したことがあって、僕の顔を覚えてくれてたので快く撮影許可をいただけました。
射的と言えば僕たちの世代では懐かしい代物なのですが、若い人たちにはむしろ新鮮に見えるよう。今回同行してくれたまいさんは「どうやって打つんですか?」と、おもちゃの鉄砲そのものも持ったことがない未経験者だったのですが、お店の人に教わりながらぎこちなく的に向けて撃っていました。
的に当たりだすと楽しいみたいで、つい身を乗り出してしまうことも(笑)
ひとり8発で500円。そのうち2発当たったので、初めてにしては上々だったのではないでしょうか。これは楽しすぎる!
こちらの1号店は、参道にある2号店が混雑している時に開けているそうです。まずは参道店(2号店)へ。
仲多度郡琴平町806-1(参道店)
営業時間 10:00~17:00
たっぷり歩いて射的で盛り上がったので喉が渇きました。散策の最後は、表参道69段目、鎌倉時代の1245年から続く老舗の土産物店「五人百姓 池商店」さんに立ち寄りました。
開放感のある店内には、県内の銘菓をはじめとしたお土産品や丸亀うちわなどの工芸品のほか、琴平をテーマにデザインしてもらったオリジナルのTシャツや、県内の和菓子店とコラボした商品などが所狭しと並んでいます。
こちら「五人百姓 池商店」さんと言えばやっぱりこれ!
鎌倉時代の創業当時から販売されているという、こんぴら名物「加美代飴(かみよあめ)」です。
昔からの手造りにこだわり、店内からも加美代飴が型に流し込まれる様子を見ることができます。
均一に同じ量を型に流し込む作業は熟練の技そのもの。
独自の伝統製法で造られた黄金色の加美代飴は強度が高く、真夏に車の中に放置していても溶けることがほぼないそうです。なので、食べる時には付属するトンカチで叩いて割るのですが、これが案外楽しい。
そして、この伝統的な飴を使ったスイーツやドリンク類も大人気! お店の奥にある「茶堂」でいただく事にしました。
金刀比羅宮へとつながる街道にあった「茶堂(ちゃどう)」。庶民には神社仏閣への参拝しか旅行が許されていなかった時代において、江戸や大坂など日本中からやってくる旅人からの情報は大変貴重なものでした。そんな旅人と地元の人が交流し、語り合う憩いの場であった役割をこの場所を通じて受け継ぎたいという想いから、このスペースを「茶堂」と名付けたそうです。
暖色のあたたかい照明に照らされた室内から眺める中庭がほっとする。
そんな茶堂でまったりとしながらいただくのは、ここ最近めっちゃ流行っているりんご飴。食べやすくひと口大にカットしてくれています。
りんご飴といえば縁日などでは定番。
昔からあるりんご飴がなぜここに来てブームになっているのか、流行に疎い僕にはさっぱり分からないのですが、実はこのりんご飴にはあまり良いイメージがなかったんですよね。縁日の屋台だから正直あまり良いりんごは使われてない、途中で飽きてしまって手がベトベトになる…
でも、このりんご飴を食べたらめっちゃジューシーでシャキシャキ! そして、この飴がパリパリとした食感で甘くて美味しい。ほんと、今までのりんご飴のイメージが180度変わりました。
そして、個人的にお気に入りの「ひやしあめラテ」。
こちらも、もちろん飴のシロップが付いてきます。
イメージとしてはシロップの代わりにひやしあめソースを入れた感じなのですが、当然その甘さの質が違います。なんだかコクがあってまろやかな甘さ。そして、氷になっている抹茶が溶けてくると味変! これはいつもながらすごいアイディアだと思います。
寒い時期なので温かいドリンクもいいかも。他にもおいりソフトやティラミスなどのスイーツも充実。石段の続く参道のちょうどいい位置にあるので、休憩にも最適です。
仲多度郡琴平町933
営業時間 9:00~18:00(年中無休)
以上、観光客で賑わう金刀比羅宮の表参道筋をゆったりと散策してみました。
これから年末のお礼参りや年明けの初詣など、特に賑わいを見せる金刀比羅宮ですが、そうでなくとも年中御利益のあるパワースポットです。参拝ついでにたっぷり楽しんでみてはいかがでしょうか?
おしまい。
モデル = まい / Twitter @ec201804