高松空港って飛行機に乗るためだけの施設だと思っていませんか?
変な思い込みを取り払ってみると、実は高松空港の駐車場は1時間以内の利用は無料だし、おみやげだけでなく珍しいものも売ってるし、うどん店やカフェもあるし、飛行機が見える屋上(送迎デッキ)もあるし、これがなかなか意外と楽しめるんですよね。
そして、一時期話題となった蛇口からうどん出汁が出てくる「空港だし」も増えてるし…
という事で今回は、実はいろいろ楽しい高松空港旅客ターミナルビルを探索してみようと思います。
まるでショッピングモール? ぶらつくだけでも楽しい旅客ターミナルビル
という事でやってきました高松空港旅客ターミナルビル。
ちなみに駐車場はいつもまぁまぁ混雑しているのですが、数年前に立体駐車場も増設されたので、年末年始やGWなどの超絶混雑時以外は満車で停められないということはほぼ無いと思います。
まずは1階から。ここは到着ロビーと各航空会社のチェックイン窓口などがあるフロアーです。
駅や港もそうなのですが、特に空港って旅情が感じられてちょっといい気分になりませんか?
実はこういう「らしい」案内サインが個人的には大好きなんです。
お迎えに行かれる方にはお馴染みの四国の観光案内地図。直線距離にしたら室戸岬と道後温泉って同じなんや…
高松空港ならではの設備として、お遍路さんの着替えコーナーなんかもあったりして面白い。ちょっと覗いてみたら、よくアパレルショップなんかにあるちょっと広めのフィッティングルームみたいでした。
今回アテンドしてくださった広報さんから「ここがセカチューのロケで使われた場所ですよ」と聞いて、ちょっとテンションあがりました。そう、サクが「助けてください!」と叫ぶあの名場面ですよね。
国際線チェックインカウンターから2階へ進む階段には、フランスの芸術家ヴェロニク・ジュマール氏のアート作品が。
※ヴェロニク・ジュマール作「ウェルカム」
そして、2階の青く着色された窓ガラスも同じくアート作品なんだそう。
※ヴェロニク・ジュマール作「ファニーブルー」
そのまま2階フロアーに進んでみましょう。
待合用に置かれている椅子も実はジョージナカシマ作なんだそうで、アート作品を見て回るだけでもいろいろインスパイアされそうです。
椅子つながりで紹介すると、旅客ターミナルビルでちょいちょい目にする不思議な形のソファー。よく見ると、うどんをモチーフにしているんですよね。うどんだけにコシにいい座り心地です。
空港らしい設備としてはこんなおもしろいものも。今はスマホでやりとりする人が大半だと思いますが、搭乗手続きの終わった家族や恋人などとガラス越しに最後のお別れができる電話です。なんだか昭和のトレンディードラマのワンシーンなんかに出てきそうですよね。
それでは、2階出発ロビーにある店舗さんをざっと紹介していきましょう。
さぬき銘品店
香川の銘品(名品)が集まるお土産屋さん。手土産として代表的な銘菓やうどんなどが揃うkiosk的なお店でしょうか。
出張帰りなどであまり時間のない人にささっと買ってもらうようなイメージのお店なんだそうです。
そのためか、とりあえず迷ったらコレ的なおすすめ商品が並んでいる印象です。
そうかと思えば、高松空港限定商品や小豆島の人気YouTuberさんの商品が置いていたりと、オリジナリティーも意識されているようです。
「毎回香川のおみやげは讃岐うどんだしな~」なんて方は、おなじく香川のB級グルメ・骨付き鳥なんていかがでしょうか?
この前、仕事で東京の人をアテンドした時に何気に反応が良かったカールも置いてました。もう東日本では販売されてないので、懐かしさもあって喜ばれるかも。
香川のお土産って人様に渡すばかりで意外と自分では食べないんですよね。たまにはセルフお土産でもいかがですか?
※こんぴらプリン、骨付き鳥、カールは「sky-J」さんでの販売です。
四国空市場(YOSORA)
さぬき銘品店さんが時間のあまりない人向きなら、こちらの四国空市場(YOSORA)さんはじっくり見て回りたいお店です。
さぬきうどんはもちろん、オリーブオイルや銘菓などの香川の銘品逸品がずらりと勢ぞろい。
某県知事にディスられて、逆にバズってしまったあの名産品も。
工芸品やアートグッズなども豊富で、見ているだけでも楽しくなります。
今回モデルとして同行してくれたななさんが今ハマっているという、香川の造形作家・ベン山口さんの作品も揃っていて、そのまま購入してしまいそうなくらいめっちゃ熱心に見てました。
確かに「被り猫」かわいい(笑)
手袋の町東かがわ市のメーカー「tet.(テト)」さんの手袋は2024年1月末までの期間限定販売とのこと。
地味になりがちな冬服にカラフルな手袋がちょっとしたアクセントになって、きっとオシャレな人に見られるはず。ベビー用の手袋なんて見るだけで萌える(笑)
四国って特に米どころというイメージじゃないのですが、なぜか地酒が美味しいんですよね。また、ワインや地ビールなんかも意外とこだわったものが多いと思います。
空港のスタッフさんがパッケージを描いたという純米吟醸酒「ちょっとのぃてぃたあ!」。いまだに濃い讃岐弁はようわからんけど、なんかネタになりそうなので今度実家に帰る時にでも買ってみよう(笑)
そして、広報さんイチオシなのがこちら商品。小豆島「224 WINERY」さんの限定ワインとのこと。
100%小豆島産のぶどうで醸造された今年の新酒。昨年よりまろやかなんたそう。
発売後あっという間の売れ行きで、もう残りあと1本なんだそうです。他にも美味しそうなワインが販売されていましたので、一見の価値はありそうですよ。
※追記…新酒について、もうしばらく供給してもらえるそうです。いずれにしても早めにどうぞ!
他にもオシャレ系のインスタグラマーさんなんかが喜びそうな四国の名品がズラリ! なんとなくデパ地下っぽいお上品さのあるショップですので、プチ贅沢したい時などに立ち寄りたいですね。
そしてYOSORAさんの隣には、高松空港2つめのうどん蛇口が鎮座されています。こちらは冷だし。
たっぷり讃岐うどん店巡りをしたのにもかかわらず、うしろ髪引かれている旅行者の皆さんにはこの最後の一杯がたまらないはず。ついでに元祖の方のうどん蛇口(空港だし)にも立ち寄って、味比べもしてみましょう。
と思ったのですが…
空港だし、もう終わりだし!
人気なので、午前中に行った方がいいかも。ちなみにこちらは温かい出汁です。
cafe THREE
ウインドーショッピングでちょっと疲れたのでしばし休憩(なにも買ってないんかいっ!)。
2023年10月にリニューアルした高松空港のオシャレカフェ「cafe THREE」さんに立ち寄りました。以前の店舗は丸いカウンターを囲むようにぐるりとテーブル席があって、カフェというより雰囲気の良いBARというイメージだったのですが、リニューアル後はカジュアルなオープンカフェといった印象です。
相変わらずこちらのカフェラテは凝ってる。窓の外を眺めながらのカフェタイムが、なんだかこれから遠くへ旅立つような錯覚を覚えて、ちょっと不思議な気分になるんですよね。
ななさんはお店の方おすすめのジュエルピクルスとイタリアンソーダ。
見栄えもいいし、香川の秋野菜を使ったピクルスも美味しかったそうですよ。
空港のカフェって実はまったくのノーマークだったのですが、ちょっとお茶しよーって時にも意外といいし、高松空港はフリーWi-Fiが使えるのでちょっとした仕事にも使える。打合せなんかのときに「空港のカフェで」なんて言えば、ちょっとデキる人のように思われてハッタリも効く(笑)
ほんと、いろいろ使えるよねーって思いました。
2階には他にも、空港という讃岐うどんの顔としての役割が否が応でも付きまとってくる立地の中、ずっとレベルの高いうどんを提供している「さぬき麺業」さんや、
こちらは当日の搭乗券が必要なのですが、スペシャルな有料の待合コーナー「ラウンジ讃岐」などもあります。ソフトドリンクは無料だし、ゆったりと待ち時間を過ごせるので飛行機に乗る際にでも利用されてみてはいかがでしょうか。(対象のゴールドカード提示で無料)
なんかエライ人たちがたくさんいてビビった…
隠れたフォトスポット。屋上展望デッキで飛行機を間近に見よう!
自称カメラマンとしては絶対押さえておきたい場所がこちら。
ターミナルビル中央のエレベーターを使って3階に行き、トンネルのような「スカイウォーク」を抜けると、送迎デッキと呼ばれる屋上展望デッキに出ます。
時刻は14:40頃、17時前には日没を迎えるこの時期は、すでに斜めから差し込む柔らかい日差しに包まれています。
この場所もお出かけスポットとしてはノーマークなんじゃないかと思いますが、飛行機の離陸着陸はもちろん、航空機を駐機場に誘導するマーシャリングが見れる場所として、案外人気なんだそうです。
そろそろ東京・羽田空港発のANAが着陸する時刻。やっぱりここに来たからには旅客機を見ないわけにはいきませんよね。
遠くで機体らしきものが日差しを浴びて光ったと思ったら、あっという間に着陸。ブレーキをかけた時のジェットエンジンの爆音がすごい迫力でした。
いったん滑走路の先まで進んだ旅客機の行方を追い続けるななさん。旅客機を間近に見る事なんて滅多にないので、興味津々のようです。
駐機場に近づくと旅客機を誘導するマーシャリングや、到着してからは貨物のコンテナを降ろす作業など、まるで子どものようにいちいち驚きながら見ている姿がかわいい。
ちなみにフェンスの小窓は撮影用。こういうちょっとした気遣いもいいですよね。
飛行機を撮るには絶好のフォトスポット。もしかしたら、ポートレートなどの人物撮りにもロケーション的にいいかも。
実際に使われていたジャンボ機のタイヤが展示されていました。
イメージ的にもっと大きいのかと思っていました。これは意外…
そのまま滑走路と反対側に出ると、高台にある高松空港からの眺望がすごく綺麗でした。綾川町や高松市内の街並みが遠くまで見下ろせ、屋島や瀬戸大橋まで見ることができました。ほんと、ここは何度来てもいい!
という事で、思いのほか長いレポートになりましたが、みなさんいかがだったでしょうか。
空港というと、飛行機に乗る時にしか行っちゃいけないみたいなイメージかもしれませんが、ふらっと遊びに行っても十分楽しめる施設だと思いませんか?
また、これから年末年始の旅行や帰省のシーズンに差し掛かってきます。空港にギリギリに到着するのではなく、少し早めに行ってみてもいいかもしれませんね。いろいろ楽しめる高松空港へぜひどうぞ!
あっ、そうそう…
僕も今回はじめて知ったのですが、空港の入り口にあるでっかいアート作品はイサム・ノグチの遺作なんだそうです。
おしまい。
※各施設、店舗の営業時間は公式webサイトにてご確認ください。
⇒ 高松空港公式webサイト
モデル = なな