何年か前に、インド通みたいな人とある本格的なカレー屋さんに行ったところ、「こんなのインドのカレーじゃない！ 一見インドっぽいけど、日本人の舌に合うようアレンジされてる」と不満をタラタラ言われた事があります。
まぁ、それがいいか悪いかはこの際どうでも良いのですが、それを聞いた時に「じゃぁ、アレンジされていない純血種のインドカレーってどんな味なの？」なんて興味が湧いたことを覚えています。

あれから数年、実は辛いのが苦手な僕にとってはそれほど重要な案件ではなかったので放置していたのですが、今回ひょんな事から、どうも純血種のインドカレーがあるらしいという話しが耳に入り、それならばと急に数年前の興味が再熱、いそいそと綾川町にある「スパイス家族カラクラ」さんに向かったのでした。

お店の前にこの旗が立ってたら営業中（笑）

「インドに行った事ないけど、これは絶対インドだろ！」と納得のカレーだった。

というか、よくあるレストランっぽいお店なんだろうなと思い込んでいたのですが、実際にお店にお邪魔すると、普通の民家の庭先でガーデンパーティーでもしましょうというノリの店構え（いや、この場合「店構え」という言葉が適当なんだろうか…）。

どこかのイベントの出店ブースのような造りがなんとも楽しい。

営業日は基本的に水・木・土・日曜日の11:00～14:00。その他、イベント等で臨時休業もあるとの事。
本格インドカレーなのに意外とお値段はリーズナブルじゃないか！

どれが美味しいかな…というより、どれがあまり辛くないかな…なんてヘタレな事を考えながら悩んでいると、オーナーさんが「せっかくなので、10月頃から発売する予定の『ミールス』を試食されませんか？」とのお申し出。

ミールス？　ん？　もしかして「meal」の複数形？　いっぱい出て来るの？？

はい、どーん！！

※ミールス（10月頃発売予定・だいたい1,100円前後になるらしい）

いやいや、バナナの葉に敷かれて出て来るとか、どんだけ本格的やねん！

それぞれのカレーをざっと説明すると…
・「サンバル」という名のちょい辛な野菜カレー
・「ラッサム」という名の酸味のあるスープ
・「ダル」という名の甘い豆カレー
・「チキンペッパーカリー」という名のブラック＆ピンクペッパーたっぷり激辛カレー

これに、ヨーグルト塩味な「バターミルク」と、ボリヤルという野菜の付け合わせ2種。へんてこりんなライスは、よくインドのドキュメンタリー番組なんかで現地の人が手でつまんで食べているような本場の長粒米に、ポディと呼ぶ豆のスパイシーふりかけが添えられています。

聞けばオーナーさんは、ある心境の変化があり半年ほどインドに滞在。その時日常的に食べ続けたインドのカレーにハマってしまい、帰国後は料理店で働きながら正真正銘の本場のカレーを再現すべく研究を重ねたんだそう。

さすがに庭先では暑いので、冷房の効いたウッディな小屋に移動して食べてみると…

いやもう、辛い！甘い！酸っぱい！そしてまた辛い！！

確かに今まで食べてきた日本人の味覚に合わせたであろう本格インドカレーとはまったく違う。
香辛料の独特な香りやクセもしっかり存在感があり、よく煮込まれた食材の旨味もカレーと馴染んでいる。インドには行った事はないですが…

いや、これマジでインドやろ！

と納得の美味しさでした。
ただし、あの独特な香辛料が苦手な人は、オーナーさんに良くお聞きになってベストなカレーをチョイスしてくださいね。

マンゴーラッシーも美味しかった！

綾川町のちょっと辺鄙な場所にありますが、超本格的なインドカレーを食べたいと思われる人には行く価値ありとおすすめします。

ツウも納得な純血種と呼んで差し支えないインドカレーじゃないでしょうか。

おしまい。