最近よく耳にするオーバーツーリズム問題。
ここ四国ではまだそれほど困った話は聞かないのですが、それでもやっぱりゆっくり過ごせる場所に越したことはない。
実は前回の丸亀駅周辺ゆる散歩が思いのほか好評で、違う場所も知りたいというリクエストもいただいたので、それに味を占めての第二弾です。
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今回は香川県の東の端、東かがわ市の引田地区を2時間ばかりゆる散歩してきました。最近は香川でも西の方に引力を感じるのですが、東にも魅力がいっぱい詰まっていますよ!
ひっそりと佇む古い町並み、港に行けば映え映えなアートスポットも! ゆるりと散策したい引田界隈
無料の「引田の町並み駐車場」に車を停め、今回のゆる散歩をスタート。いきなり町の雰囲気に溶け込んだかわいい神社に遭遇。さりげなく置かれた色褪せたベンチもひっそり感があっていいですね。
天気の良い午後なんかに町のおばあちゃんたちがここに座って談笑されたりするのかな… なんて想像するとほっこりします。
古い町並みと言っても、よくある小京都的な町全体が町家という風情ではなく、古い建物と最近建った家々が混在する生活感のある町並みです。何かイベントでもあれば別なのでしょうが、土日でも訪れる人は少なく、その分、のんびり散策するには打ってつけの場所です。
引田は古くから「風待ちの港」として海上交通の要所として栄え、安土桃山時代に始まったとされる醤油醸造によって港町はさらに繫栄し、江戸時代後期には廻船問屋などの豪商も現れました。
現在でも江戸時代から明治にかけての古い建物が多くの残っており、「風待ちの港の町」の風情を感じる町並みが広がっています。
そんな引田の町並みの観光拠点となっているのがこちらの「讃州井筒屋敷」です。
「讃州井筒屋敷」は、江戸時代の豪商である佐野家の邸宅を保存し、一班公開している観光施設です。
美しい板塀と大きな門構えに引き寄せられるように入って行きました。
店長さんにご挨拶し、少し敷地内を見せてもらいましたが、まるで大名屋敷のような佇まいです。こういうお屋敷にお邪魔するたびに思うのですが、昔の豪商って現代のお金持ちとはスケールが違いますよね。
敷地内には地元の魚料理が味わえるお食事処や、骨とう品などを扱うお店などもあります。
また、住まいであった「母屋」では、当時の隆盛を思わせる美しい庭園や座敷なども見ることができます。
実は後日、別件で母屋も撮影させていただいたのですが、これだけ見ごたえのある邸宅も珍しいと思います。後日また記事にする予定ですのでお楽しみに!
ちなみに母屋での撮影は、現在は許可制とのこと。ここに限った話ではないのですが、最近はマナーの悪いカメラマンの話もよく耳にするので、そこは本当に気を付けていただきたいと思います。自戒も込めて。
※讃州井筒屋敷 東かがわ市引田2163
讃州井筒屋敷のすぐ先には、こちらも風情を感じる建物「東かがわ手袋ギャラリー」がありました。こちらも実は前から気になっていたのでお邪魔することにしました。
ご存じ、手袋は東かがわ市の地場産業で全国シェアの90%以上を誇ります。
そんな地場産業である手袋をアート感覚で展示されているのが、こちら「東かがわ手袋ギャラリー」です。
ここは阿部邸倉庫と呼ばれていた建物で、平成10年頃まで実際に手袋工場として使われていたそうです。ギャラリー内には手袋を使ったアート作品のほか、大正・昭和の時代に手袋製造に使われていたミシンや道具類なども展示されています。
どれもレトロ好きにはたまらないものばかり。
アート作品もどこかほっこりするような手作り感満載なのがまたいい!
昭和の手袋工場を再現したような一角もありましたが、変に「町の産業である手袋のことをもっと知ってほしい!」という圧が感じられないのもいいですよね。さまざまな展示の中から、見る人それぞれの感性で手袋の魅力を感じ取ってもらえれば… という控えめな思惑を感じて、すごく好感が持てました。こういうところも引田らしい。
ふらっと立ち寄ってぼんやり眺める… そんな、ゆる散歩にぴったりなギャラリーでした。
※東かがわ手袋ギャラリー 東かがわ市引田2161-2
ここからは少し引田の町並みを散策しながら港の方に向かっていきたいと思います。
他にも周辺には日下家住宅や松村家住宅などの登録有形文化財が点在していて、のんびり散策するには打ってつけ。
昭和レトロを感じさせる旧引田郵便局は、今ではカフェになって引田の町並み散策には欠かせないスポットになっています。
実はロケ終了後に休憩がてら立ち寄ったのですが、建物だけでなくアンティーク家具などもあってすごく落ち着いた雰囲気。そのうちじっくり取材したいと思いました。
そして細い路地を通り、すれ違うご婦人や猫様ににっこり挨拶をしながら港へ向かうと…
広い漁港に出ました。
ここでぜひ立ち寄ってもらいたいのが、ガーカガワでも何度か取り上げさせていただいた「東かがわ市湾岸アートプロジェクト」です。
堤防を少し歩くと、かなりの規模感でアート作品が描かれています。
これは、アートによって町の活性化をはかろうと、地元の有志で立ち上げた「湾岸アートプロジェクト」によるもので、県内外から集まったアーティストたちが個性豊かに描いた作品たちです。
単にアートとして壁画を眺めるのもいいのですが、SNSなんかを見ていると、壁画のデザインにのっかって思い思いの楽し気な写真を撮っている人が多いようです。
という事で我々ものっかってみました(笑)
はしゃぎながら撮影してるのに、その傍らで平然としているアオサギ。彼らにとってもはや見慣れた風景なのでしょう(笑)
突堤に上がると心地よい潮風がさっと吹き抜けました。景色もいい!
なんだかんだで結構歩いたのですが、歴史を感じる町並みや、楽しいアートに触れていると不思議と疲れは出てこないんですよね。まだまだ見れていないところがあるので、またじっくりと散策したいと思いました。
という事で今回は東かがわ市の引田周辺をゆるく散歩してみました。これから寒くなる季節ですが、晴れた暖かい日を狙っていくと案外寒さも心地よいと思います。
有名観光地もいいですが、のんびり地元民になった気分で隣町を散策してみるのも楽しいですよ。
おしまい。
モデル = 花菜(はるな / Instagram @haruna_haruchan)