普段あちこちで取材していて思う事なのですが、香川にはエネルギッシュな女性が多い!
地方の例にもれず、18歳~25歳ぐらいまでの若年層はおとなしいというか、そもそも都会に出てしまって絶対数が少ない印象なのですが、それから上の世代、特に子育て中のママさんたちのパワーはすごく感じるんですよね。
実際にいろんな分野で活動している人は言うに及ばず、そうでない人たちにも「機会があれば何かに挑戦したい!」といった地下マグマのように溜まったものがあるような気がしています。
丸亀市在住の森永星怜菜さんもそんなエネルギッシュな女性のひとり。今回は、自身の活動のきっかけや、家庭との両立、夢を持ち続けるコツなどについて、森永さんの地元を歩きながらお話をお聞きしました。
きっかけはコンプレックスだらけな自分を変えたかった。
現在、大阪のタレント事務所に所属し、香川を中心に芝居やダンスなどをメインに活動する森永星怜菜さん。2022年のミセスコンテストで世界大会に出場するなど、活躍する現在に至るまでには紆余曲折があったそうです。
ーーそもそも今の活動を始めたきっかけは?
森永さん「小さい頃から自分に自信がなく、人と話すのが苦手。授業中に当てられると半泣きしてしまうほどで、そんなコンプレックスだらけの自分がすごく嫌でした。そこで、言葉で表現できないなら体で表現しようと13歳からダンスをはじめたのですが、その『表現』することがとても楽しくて大好きになりました。」
ダンスそのものも好きだけど、それ以上に表情や動きなどで伝えられることに魅力を感じたそう。
森永さん「そこでもっと表現の幅を広げるためにお芝居をしたいと思うようになりました。大学時代にお芝居も少しかじり、表現することの楽しさをますます感じたのですが、それでも実際にその世界に行くとなると、そこまでの自信はなく… すごく葛藤しました。」
結局はその後保育士となり、表現者になるという夢は諦めたつもりでいたそうなのですが…
森永さん「その後結婚し、今6歳と4歳の子どもがいるのですが、子どもたちが自分の手から離れてくるようになると、ふと『あれ? 私このまま子育てだけで生きていくのかな…』と思った時に、忘れていた表現者になりたいという夢が蘇り、このままではいけないと思うようになりました。」
自分の人生だから自分の足でしっかり歩いていくと決めた時に耳にした、あるミセスコンテスト。そこで「この思いをたくさんの人に伝えたい!」と出場を決意、ベストスピーチ賞を獲得しつつ、あれよあれよという間に世界大会まで出場したことで自信に繋がったといいます。
森永さん「今はネット上でいろんな人と繋がる機会はあるけど、その一方で、実際に面と向かって伝え、伝えられる機会は減っていると思います。その当時は(ミセスコンテストに出場した2022年)コロナ禍で直接人と会うという行動が制限されたり、また、世界には自由な表現を規制する国もあったりで、それが辛くて、もっと自由に表現ができる世の中にしたいなと思いました。」
家庭と両立するコツは、夫婦お互いの自由を尊重すること。
森永さん「あっ、ここすごくお世話になっているお店なんですよ。社長さんいるかな…」
丸亀の街を歩きながら地元の良さや、イベント等でお世話になった人たちのことを話す森永さん。その言葉の端々に、これまで活動にかかわった人々や地域への感謝の言葉が並びます。
その感謝の気持ちはご家族にも感じているようで家庭は円満の様子。何かやりたいと思った時に、皆さんが直面するのは家庭や育児との両立という問題だと思いますが、その辺りをどうされているのかも聞いてみましょう。
森永さん「まず、子どもに対してもそうですし、主人に対してもお互いやりたい事をやったらいいと思っています。有難い事に主人も『やってみたら?』と言ってくれているのですが、それは鏡だと思っていて、あれしたらダメ、これしたらダメと主人や子どもたちに言っているうちは自分だけやりたい事なんてやれないと思うんですよね。例えばたまの休みに遊びに行きたいって思った時に『いってらっしゃい』と笑って見送ってくれる方が良くないですか? お互いにいいと思うんですよね。」
とは言え、やっぱり家族を置いてひとりだけ遊びに行ったりするのは気が引けますよね。森永さんご夫妻も最初はお互いそういうところもあったそうですが、結婚して8年、お互い好きな事ができる関係になるようにコツコツと努力されたといいます。
これは旦那だから主婦だからこうあるべきではなく、自分が何かをやりたいのなら、まずパートナーに同じような環境を整えることから始める。そこからお互いの信頼関係を築くといったところでしょうか。なんだか私には耳が痛い話なのですが、それが家庭を持ちながら夢を追いかけるコツなんでしょうね。
街でばったり会ったお友だちの方。活動を通じて楽しく話せる地元の人がどんどん増えていくって、ほんといいですよね。
とっても素敵なおばあちゃま。写真撮ってもいいですか?って聞いたら笑顔を向けてくれました。
夢はアカデミー主演女優賞!活動を通じて子どもを信じて見守る子育てを広めたい。
ーーズバリ目標は?
森永さん「私はもう、日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を取るって決めています。めちゃくちゃ大きい目標なんですけど(笑)。でも、なんだろう… できるって思うんですよね。引き寄せの法則じゃないですけど、やっぱり自分を信じないと夢って叶えられないから。」
大きな目標を掲げても、それを達成できるのはごくひと握り人だけ。でも、そのひと握りの人たちはその大きな目標を持ったから達成できたのも事実です。やるからには夢も目標も大きく! これはほんと同意します。
森永さん「でも実はそれがゴールじゃなくて、自分が夢を叶えることで自分が満たされるのはもちろん、自分が笑顔になると、その姿を見て子どもたちも笑顔になるし、家庭が明るくなります。そして、その先があって…」
保育士だった経験からいろんな子どもたちと接してきて思うのは、何かと親が出てきて、子どもが自分の考えを伝えたり表現したりすることがすごく減ってきていること。どうしても相手を攻撃する方に行ってしまっていると感じるのだとか。
森永さん「子どもって自分で問題を解決する力を持っているし、思いを伝えることもできる。もっともっと子どもを信じて見守る子育てを広めたいなというのはあります。そのためにまずは自分の夢を叶え、影響力のある存在になりたいですね。」
子どもたちとの交流のひとコマ。自由に自己紹介をしてもらうことで、まずは自分をどう表現するかを体験、その後ダンスも楽しい雰囲気の中、レッスンされていました。
森永さん「ダンスも子どもたちに教えているのですが、ただステージでかっこよかったらそれでいいみたいなレッスンはしたくないんです。お客様にご迷惑にならないようにちゃんと歩くとか、きちんと挨拶するとか、心を動かす表現をする人ってやっぱり内面的な部分もやっぱり必要だと思うんですよね。礼に始まり礼に終わるじゃないけど、内面的なものも含めて育てていきたいと思っています。」
ダンスや芝居だけでなく、モデルや振付師、メイク、ヘアアレンジ、着付け、子育て相談など、さまざま分野で活動する森永星怜菜さん。「頼まれ事は試され事、依頼される人は私にできると思ってくれているはずなので、それには全力で応えたい。」と言います。
ひと昔前の芝居と言えばテレビや映画、演劇などでしたが、今は動画やプロモーションなどさまざまな形で演技力を活かすことができます。同じように、今までは遠い夢だと思っていたことでも、方法や手段を変えることで活躍できる場が意外に多くあるかもしれません。
夢を持つこと、チャレンジすることは、何歳になっても、どんな状況であっても本人次第で可能だと思います。森永星怜菜さんとお話をしていて、もっと多くの香川の女性たちに活躍していただいて、地域を元気にしてもらいたいなと感じました。
おしまい。
森永星怜菜さんのInstagram