
1994年の酒税法改正以来、国内のみならず香川県内でも多くのマイクロブルワリーが誕生、酒店やお土産店などでそれぞれの特徴を生かしたクラフトビールが目に留まるようになりました。
今回紹介する2024年11月に誕生した「Quad K Beer(クアッドケイビア)」も、そんな特徴ある香川発のクラフトビールのひとつ。計測器メーカーである四国計測工業が、独自技術により熟成した国産ホップを使ったフルーティなクラフトビールを開発したと聞き、その美味しさの秘密を探るべく、高松市サンポートにある同社高松オフィスにお邪魔しました。
日常に小さな楽しみと冒険を!原材料と独自技術による熟成にこだわるクラフトビール「Quad K Beer」

今回紹介する「Quad K Beer」には今のところ3種類のラインナップが用意されています。お話をお聞きする前に商品概要を簡単に説明すると…
◆定番商品の「あしたのセゾン」
熟成ホップを使用することで苦みが抑えられまろやかな味わい。セゾン酵母由来のフルーティな香りも特徴なので、ちょっとビールが苦手…という人にもおすすめ!
◆期間限定品の「mucaca」
四国計測工業の本社がある多度津町産の無農薬イチジクを副原料として使用。アンバーエールをベースに、イチジクの実以外にも香りの強いイチジクの葉と八角をバランスよく加えることで、独特の風味を醸し出す個性的なビールです。
◆期間限定品の「kokou」
坂出市の名産品である真っ赤な皮のみかん「小原紅早生」を副原料として使用。爽やかな味わいのフルーツラガーです。
説明を聞くだけでどれもほんとに美味しそう! 女性ウケしそうなラベルも可愛いですよね。
これは相当なこだわりがあるに違いない。なぜ計測器メーカーがクラフトビールを手掛けたのかなんて事も気になるので、同社事業開発課の秋山さん(写真左)に少々お話を伺ってみました。

ーー四国計測工業さんとクラフトビールって失礼ながらちょっとイメージできないのですが、どういった経緯がありましたか?
秋山さん「弊社は四国電力グループの一員で、元々は電力量メーターを四国中から回収して整備し再生化する事業から始まりました。現在は産業関係や電力関係、メカトロ関係の設備を扱い、その中でマイクロ波技術を保有し、試験向けの装置を30年ほど開発販売しています。そのマイクロ波技術を応用した食材の熟成促進装置『Umamié』をビールの原材料であるホップの熟成に使ってはどうかというところから始まりました。」
ーーホップを熟成させる「Umamié」について、もう少し教えてください。
秋山さん「Umamiéは簡単に言うと冷蔵庫と電子レンジが合わさったような装置で当社の独自技術が使われています。冷蔵庫のように食材の表面は冷やしながら、電子レンジのようにマイクロ波を当てて食材内部をあたためて、食材が持っている酵素を活性化させうま味のもとになるアミノ酸を増やします。同時に余分な水分も抜けるため、うま味がぎゅっと凝縮されるんですよ。
例えばお肉の熟成なら、従来、長くて数か月かかるものが、『Umamié』であれば数日程度で可能なんです。まさに食材のタイムマシンです!
このUmamiéはお肉だけでなく様々な食材に使えることも大きな特徴となっています。そこで、じゃあ大好きなクラフトビールの原料になるホップを入れたらどうなるんだろう?と挑戦して始まったのがこのQuad K Beerなんです。」
「Umamié」を使って熟成中のホップ。被災地支援や良質な農園があるという理由で、福島県産のホールホップを使用。独自技術で熟成させることにより、ホップの苦みを低減し、まろやかな味わいが特徴のクラフトビールになるんだそう。

ーー元々あった技術を使うにしてもそう簡単に出来るものじゃないと思うのですが、これまで何かビール作りの経験などはあったんですか?
秋山さん「いえ、飲むぐらいです(笑)。元々ビールが好きで、社内のクラフトビール好きが集まって何度か飲みに行ったりもしていたのですが、今回こういった話があって試作品も作ってもらったのですがなかなか美味しいものができなくて苦労しました。現在は丸亀市のミロクビールさんの力をお借りしているのですが、商品企画や、副原料調整、ホップの加工などは自社で行っています。原料選定や品質管理、クラフトビールならではの風味変化の説明などが苦労する点です。」
ーースタッフ皆さんがこだわり、苦労して出来上がった「Quad K Beer」ですが、ひと言でどんな特徴があるのでしょうか?
秋山さん「セゾンスタイルでフルーティー、苦味は抑えられてまろやか。気合いを入れるというより、ほっと一息つくような優しい味わいを目指しています。」
ーー最後に、秋山さんおすすめの飲み方などありますか?
秋山さん「日常に溶け込むように楽しんでほしいです。(一般的に量販されているビールと比べて)価格はやや高めですが、記念日やちょっとした区切りの日に飲む『ちょっといい日』のビールとして飲んでもらいたいです。」

帰りにオフィスのある高松シンボルタワーを1階まで降りて、マリタイムプラザにある「四国ショップ88」さんで「あしたのセゾン」を買って家で飲んでみたのですが、それほどクセもなく軽やかに飲める、まさにフルーティなクラフトビールでした。うちのマダムも「ラベルが可愛いから食卓にあるだけでも楽しくなるね」と気に入った様子です。
「Quad K Beer」は、四国ショップ88のほか、久本商店(高松市)、松田酒店(丸亀市)、メグルショップ(高松オルネ内)、栗林庵(高松市)、井上食品(坂出市)などでも購入できます。皆さんも「ちょっといい日」にいかがですか?
