エモい写真が撮れると若い人たちの間で人気のオールドレンズ。
本誌ガーカガワでも試しにヤフオクで「Super-Takmar 55mm F1.8」というオールドレンズを買って撮影した記事を過去2度掲載したのですが、いずれもそこそこ読まれているようです。記事の評判も割と良く、違うオールドレンズでも撮ってほしいなどというご要望もあったので、調子に乗っての第三弾です。
今回は標準レンズの帝王と言われ、多くのオールドレンズ愛好家が一度は使ってみたいと口にする憧れのレンズ「Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4」を使ってみようと思います。
ちなみに、オールドレンズってなに? と思われる方にざっと説明すると、最近フィルムカメラが若い人たちの間で人気なんだそうですが、その流れなのか昭和の頃の古いレンズを最近のミラーレスカメラに装着してノスタルジックな写真を撮るのが流行っているそうです。
現在のものと比べて昭和の頃のレンズはコーティング技術なども未熟で、マニュアルフォーカスなのでどうしてもピントが甘くなりがちです。そういった点が逆に「エモい」そうで、ヤフオクなんかでも段々値段も上がってきているんですよね。
さて、今回はどんな写真が撮れるでしょうか。ぜひご覧になってください!
空気まで写す? 父母ヶ浜で撮影してみた。
実は今回、他の取材や撮影の仕事も兼ねて善通寺と琴平経由で三豊市の父母ヶ浜へ。仕事用のカメラとオールドレンズを装着したカメラの2台持ちというなんとも首に負担のかかる撮影だったのですが、仕事の撮影の合間にオールドレンズでもちょいちょい撮影しておりました。
「ツァイスレンズは空気まで写す」とよく言われるのですが、言わんとしていることがなんとなく分かるような気がします。日の光を意識しながら撮影すると、被写体だけでなくその情景まで写真に収まっているような描写となります。これは撮ってて本当に楽しい!
マニュアルフォーカスだとピンボケ量産なので仕事ではちょっと使えないのですが、趣味の写真やじっくり撮影できる作品撮りなんかだとむしろ積極的に使いたいと思いました。
そして日没と干潮が重なった土曜日。多くの観光客で賑わう父母ヶ浜へ到着しました。
まずはまだ日の高いうちに何枚か撮影してみましょう。
過去2回の記事で使用したSuper-Takmarに比べるとフレアーやゴーストは出にくいのですが、その分、逆光下でもしっかり被写体を描写しているのが好印象。フレアーやゴーストが派手に出るのもそれはそれで好きなのですが、全体が白飛びぎみになるのが時として不満に思うこともありました。このあたりはさすがCarl Zeissですね。
ちょっと体が冷えてきたので、よくお世話になっているhand in handさんでコーヒーブレイク。ドラム缶で焚火をしていたので、暖を取らせていただきました。
元関西人の僕は撮影の際もついアホなことばかり言ってしまうのですが、休憩の時はさらにしょーもないギャグで場を盛り下げてしまいます。たまにモデルさんがウケて笑ってくれるとすかさずシャッターを切ったりするのですが、マニュアルフォーカス(手動)だととっさにピントが合わないのでこんな風になってしまいます…
まぁ、でも… これはこれで動きがあっていいかも(笑)
休憩している間に日没も近づいてきたのでそろそろ撮影を再開。オールドレンズは明るめにふわっとした写真が多いのですが、これだけ描写が良いならアンダーぎみ(暗め)に撮ってみたくなりました。
そしてこちらは少し明るめに。
あなたはどちらがお好みですか?
モデルさんが彼氏同伴だったので、せっかくだから最後にカップル写真。この彼氏もなかなかおもろい人なのです(笑)
という事で、今回は「Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4」を使った撮影を行ってみました。
今回使ったCarl Zeissは現時点で3万円~5万円程度とちょっとお高いのですが、前出の「Super-Takmar 55mm F1.8」だと5千円程度から入手できます。ミラーレスカメラをお持ちの方はオールドレンズでいつもとちょっと違った写真を撮るのも楽しいですよ~!
ガーカガワではすっかりお馴染みになったモデルの悠衣ちゃんも「めちゃくちゃ良きです!」と喜んでくれました(笑)
おしまい。
モデル = 悠衣(ゆい)/ Instagram @yuriyuri_7pht
撮影 = 原田伸一(ガーハラダ)