みなさんは、島中にうさぎがわんさかいる大久野島ってご存じでしょうか?
広島県竹原市の沖合にある周囲4.3kmの小さな島で、島内には500羽とも700羽とも言われるうさぎが野生化して生息しています。
近年では国内にとどまらず、SNSなどにより海外でも「こんな楽園が日本にあるのか!」と話題になり、ピークの平成27年には竹原市に訪れた外国人約19,000人のうち約9割が大久野島へ。その後もコロナ禍前まで年間1万人以上が訪れた人気の島なのです。(参考:竹原市公表資料)
実は以前から機会があれば行きたいとは思っていたのですが、広島まで遠いしな… という思い込みでなんとなくスルーしていました。
ところが、香川から日帰りで行ける良さげな観光地を探しながらしまなみ海道の地図を眺めていると、「あれっ?大久野島って大三島からフェリーが出てるやん!」という事を知り、さっそく行ってみることにしました。
高松から車で約2時間半、大三島・盛港からフェリーで15分のうさぎの楽園
大久野島への一般的なルートは、広島県竹原市の忠海港からフェリーでアクセスするパターン。高松からだと瀬戸大橋を渡って本郷I.Cまで2時間弱、そこから忠海港まで下道で約30分でしょうか?
それに対して今回僕たちが使ったルートは、高松から愛媛県今治市まで行き、しまなみ海道を経て大三島I.Cを下車、大久野島へ向かうフェリーが発着する盛港まで高松中央I.Cから高速道路を使って約2時間半の道のりでした。
ぶっちゃけ高松からだと広島回りのルートと時間も高速料金もそれほど変わらなかったのですが、坂出以西から出発なら断然こちらのルートが近い。それと、これはあえて今回のルートを使った最大の狙いなのですが、広島ルートだと土日ともなるとすごく混雑します。特に連休などは港の駐車場が満車とか、人が多すぎて船にも乗れないなんてことがあるそうです。
その点、大三島・盛港からのフェリーは穴場なのか利用客も比較的少なくて、しかもしまなみ海道の観光までついでにできるというメリットがあります。
なお、フェリーの時刻表や料金などは公式webサイトでご確認ください。
⇒ 大三島フェリー
ということでやってきました、しまなみ海道は大三島。ちょっと早く着いたので「道の駅 多々羅しまなみ公園」でしばし休憩、広島との県境である多々羅大橋を眺めたり、メルヘンチックな「しあわせの鐘」を鳴らしたら思いのほか鐘の音がでかかったりで案外楽しめました。
売店に売ってた、伯方の塩入りのどら焼きがめっちゃ美味しかったです。
そして道の駅から車で約10分、大久野島へ向かうフェリーの発着する盛港に到着しました。ここには広い無料駐車場もあるので、車は置いて人だけ乗船しましょう。
大久野島へは往復で大人720円。切符売り場の横にはうさぎのエサも売っていました(1袋100円)。
うさぎのエサは持ち込み可能。むしろ島に着けばうさぎはエサ目当てに人に近づいてくるので、エサを持っていないと申し訳ない気持ちになります。今回は写真映えするようミニキャロットを持参しましたが、多分足りないと思うので3袋購入しました。
ちなみに大久野島ではエサは販売されていないそうです。
平日の昼過ぎの便ということもあってフェリーはガラガラ。出港時刻が迫ってきたので慌てて乗り込みました。
一瞬雨が降ったけど冬の穏やかないい天気。香川の島旅もいいけど、愛媛しまなみの島々も瀬戸内らしい多島美が満喫できます。
といっても乗船時間はたったの15分、あっという間に大久野島へ到着しました。
それではさっそく上陸しましょう。
大久野島の港に降り立つと、いきなり付近にいたうさぎたちが駆け寄ってきました。
第一村人発見(笑)
どこにどれだけうさぎがいるのか分からないので、とりあえず「休暇村大久野島」へ向かうことに。ちなみに大久野島は基本的には無人島なのですが、宿泊施設として「休暇村大久野島」があります。
というか、うさぎはどこにでもいるので、ついつい足を止めてエサを与えてしまいます。
で、いったんエサをあげだすと次々とうさぎが集まってきて…
さらに数十メートル先からもダッシュでやってくるのでキリがありません。
てか、局地的にすし詰めになってて笑う(笑)
エサは食べ残しがあると腐ってしまってうさぎに悪影響を及ぼすので、しっかり食べ終わるまで見守ってあげるのが島のルール。ただ、この日はほとんど観光客も来ていなかったのでお腹がすいているのか、あっという間に跡形もなくエサはなくなってしまいました(笑)
というか、人を見かけたらとりあえず集まってくるのでなかなか先に進めない。ついエサを与えてしまうと、また集団に囲まれてしまう… がエンドレスに続きました(笑)
いやもう、かわいいとか、圧がすごいとか、条件反射的な言葉しか出て来ないのですが、ほんと、うさぎ好きにはこの世の楽園、天国のような場所なんじゃないでしょうか。
そしてようやく休暇村までたどり着くことができました。ここに来るまでに、準備していたエサの大半を消費してしまうというのはちょっと計算外。てか、あんなにかわいい顔してエサを欲しがられたらあげるほかなくなる…
休暇村の周りには芝生が敷き詰められていて(冬なのでそれなりでしたが…)、背景に海を入れつつうさぎと撮影するには一番映えるスポットじゃないでしょうか。
本来ならここでたっぷりエサを与えて写真を撮るつもりだったのですが、誘惑には勝てず… 残りのエサを盛大に振舞いました。
冬の間は植物も少なく、観光客自体も少ないのでうさぎたちはお腹を空かせているようです。これほど積極的だとは思いませんでした(笑)
「休暇村大久野島」には島唯一のカフェ「USANCHUカフェ」があるので、そちらでしばし休憩。一番人気という「ウサギのはなくソフト」なるものをいただきました。って、ネーミング!(笑)
大久野島には、うさぎ以外にも見どころがたっぷりあります。
まずは「うさぎ耳収音器」。収音されているのかはよく分かりませんでしたが、フォトスポットとしてはSNS映えしそう。
島の先に灯台が見えたので向かってみると、そこからの眺めが最高でした。
そして実はうさぎ以外にもうひとつ目的があって、それがこちらの廃墟。
実はこの大久野島は、昭和初期のある時期「地図から消された島」だったのです。陸軍の毒ガス工場があったため機密性から秘匿されそうですが、その毒ガス工場に電力を供給するために建てられた発電場の廃墟が今でも残っています。
危険なため柵の外からしか見ることはできませんが、これほどおどろおどろしい廃墟が残っているのは大変珍しいと思います。
ちなみに、こんなところにもうさぎがいて、めっちゃなごみました(笑)
本当は次のフェリーまでの約1時間半ぐらい滞在するつもりでしたが、つい1便ずらして3時間近くたっぷり滞在してしまいました。
帰りのフェリーを待つ間もたくさんのうさぎたちに囲まれ、でもエサはとうに無くなっているのでいたたまれなくなりましたが、時間までたっぷり楽しませていただきました。
世界から注目されている瀬戸内海に浮かぶうさぎ島。香川からは日帰りで十分楽しめますので、ちょこっとでかけてみてはいかがでしょうか?
赤ちゃんうさぎに萌え死にました(笑)
おしまい。
モデル = 悠衣(ゆい)/ Instagram @yuriyuri_7pht