人は誰しも多かれ少なかれ悩みやストレスを抱えていて、時には今いる場所から逃げ出したくなることもあるのではないでしょうか?
子どもだって同じ。学校や友達と馴染めなかったり、不登校になってしまったり、両親が毎日遅くまで仕事をしていてひとりぼっちなんてこともあるかもしれません。
そこで昨今注目されているのが、家庭でも学校でもない第三の居心地の良い場所(サードプレイス)です。
今回は、そんな子どもたちだけでなくすべての人が主体的に、自立して、ありのままの自分で居られる場所、高松市西宝町にある「西宝町みんなの居場所」さんにお邪魔しました。
子どもから大人まで約200人が利用する学習支援や食育活動などの場
ある人から初めてこの場所のことを聞いた時、実はあまりピンとこなかったんですよね。学童のような気もするし、子ども食堂でもあるし、おまけに書道教室やコワーキングスペースなどもやっている、公的なものかと思ったら個人が主宰しているという。
記事でどう紹介すればいいのかな… なんて思いながらドアを開けると、小学生の子どもたちと、そのママさんたちでしょうか、30代位と思われる女性たちで賑わっていました。
壁にはたくさんの習字が貼られていたり、
子どもや大人たちに寛いでもらうためでしょうか、たくさんの絵本や小説なども置いてあって、なるほど「みんなの居場所」というサードプレイス的な要素は十分伝わってきました。他にヨガなどの教室も行われているそうです。
主宰の中山さんに挨拶すると、ちょうどこの日は「みんなの食堂」開催日とのことで、せっかくなのでお昼をいただきました。
「みんなの食堂」とは、食器や調理用具、食材などの支援を受け、みんなで作る食堂です。多世代で一緒に食事を作り、食事を共にすることで交流をはかり、子どもたちの第三の居場所をつくる活動なんだそうです。大人も利用できる子ども食堂と言えばいいのでしょうか。
食事代300円と聞いてなんだか申し訳なかったのですが、人懐っこいお子さんにつられて一緒にいただくことにしました。
家庭的な味のシチューがなんだか懐かしくて、とっても美味しくいただきました。
そもそもこちらは「西宝町書道教室」が核となっています。書道を教える子どもたちの中には落ち着いて書に向き合えない子が意外と多い事に驚き、子どもたちや、子どもに関わる大人たちの心のケアが必要ではないかと考えたのが「西宝町みんなの居場所」を作るきっかけだったそう。
最近は自分の意志が弱い、主張しない子どもたちが多いと感じることから、自立した子どもを地域で育てる、そして大人も育つみんなの学び舎にしていきたいそうです。
施設の一角には、学用品や生活雑貨、食品など寄付で集まったものを無料配布するフードパントリーも設置されていました。
学校や家庭といった固定された人間関係には時として息が詰まることもあり、もしかしたら大人以上にストレスを抱えている子どももいるかもしれません。
また、子どもだけでなく、子育ての悩みをひとりで抱えて苦しんでいるママやパパもきっとたくさんいるはずです。
そんな時に第三の居心地の良い場所があればどれほど救われることでしょう。
聞けば、「西宝町みんなの居場所」には近隣校区だけでなく高松市内の子どもや大人たちが200名近く利用しているそうです。子どもだけでなく、大人も大歓迎とのことなので、まずは気軽に立ち寄られてみてはいかがでしょうか?
営業日やみんなの食堂、イベントなどスケジュールは「西宝寺町みんなの居場所」公式Instagram(@saihocho_thirdplace)でご確認ください。