与島と言えば瀬戸大橋の橋げたの島、パーキングエリアの島というイメージですが、実は他の瀬戸内海の島々と同じようなのどかな風景も広がっています。
今回は、そんなパーキングエリアの近代的な観光施設と、昔ながらの瀬戸内の島風景が混在する不思議な島、与島を散策したいと思います。
休憩だけじゃ勿体ない!坂出北I.Cから往復1,860円のお手軽な島旅
瀬戸大橋をいったん渡りだすと岡山まで行っちまうというイメージですが、実は与島パーキングエリアでUターンできるって知ってましたか?
瀬戸大橋開通時のフィーバーを体験した世代では常識だと思うのですが、それを知っている世代も当時の高い通行料のイメージを引きづっていて、なかなか与島に行くためだけに瀬戸大橋は渡らないという人も多いかもしれませんね。
ちなみに執筆時点(2024年5月)での通行料金ですが、坂出北I.Cから与島PAまでのETC車往復料金は普通車で1,860円(土日割引同額)、軽自動車等が1,520円(土日割引1,460円)。数人で近くの島へ行こうものなら船賃だけでそれくらいは普通にかかってしまいますからね、瀬戸大橋からの景観を満喫できることも考えると決して高い金額ではないと思います。
利用方法も特別なものはなく、ETC車ならただ普通に行って帰って来るだけ。与島にはETCゲートがあるので、そこを通過するだけでカウントされるしくみです。
ということで瀬戸大橋を渡ってやってきました与島パーキングエリア。まずは離島感を満喫するために島の集落へ向かってみましょう。
与島パーキングエリアの南に瀬戸大橋を望む築山展望台がありますよね。とりあえず「瀬戸大橋すげーっ!」と叫んだら、そのまま南に降りて、ちょこっと瀬戸大橋側に向かって歩くと島の集落へつながる遊歩道に差し掛かります。
ここを左(東)に向かって進めば、途中両側に草が生い茂るアドベンチャーな小径やトンネルを経て、与島の集落に出ることができます。ちなみに島の住民以外は車で行くことはできませんので、潔く徒歩で向かいましょう。
迷路のような小径をとりあえず南に向かうと、目の前に南北備讃瀬戸大橋がどーんと鎮座する小さな船泊りに出ます。
いきなり激レアなフォトスポットに巡り合いました。瀬戸大橋をバックに撮影できる場所はたくさんありますが、ほとんど知られていない場所だけにちょっと自慢になります(笑)
堤防の先まで行くと、灯台を望む瀬戸内の島らしい景観が撮影できますよ。
ポートレートにも最適かも。ほとんど人の来ない場所なので、思う存分撮影してみましょう。
ひととおり撮影したので、さっきから気になっている灯台方面に歩いてみましょう。
瀬戸大橋を背にしながら歩きますが、時々振り返ってみると「おおっ!」と叫んでしまいそうな景観が広がっています。
もう瀬戸大橋は撮り放題、いろんな場所からたっぷり撮影してみてください。
そして気になる灯台へ。実は電車で瀬戸大橋を渡るたびに気になっていたんですよね。
防波堤で繋がっていますがここは鍋島という別の島。ここにある鍋島灯台は、1872年(明治5年)に「日本の灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計により建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。
この歴史的文化価値の高い石造りの灯台は年に一度一般公開されるそうですが、普段は立ち入り禁止。近くに行ってもうっそうとした木立に遮られて見ることはできませんので、遠目から眺めるのが一番いいみたいです。
やがて与島の集落が集まる浦城地区に差し掛かります。
最盛期には500人以上が住んでいたとされる与島ですが、瀬戸大橋観光の熱が冷めると同時に島の人口も減っていき、2015年には81人という人口推移になっているそうです。
住民の人たちの迷惑にならないよう静かに集落を少し歩いてみましたが、瀬戸内の島特有の起伏のある狭い小径を挟んで密集して家々が建つ、のどかな風景が広がっていました。
そして!
先ほどからさも初めて来たかのようなウブな書き方をしておりますが、実は6年ほど前にもここには来ておりまして、その時におったまげたある建物がまだ健在か、それを確かめたかったのも今回の密かな目的なのです。
で、それがこれです。
ホラーすぎるバス停(笑)
その際に記事にしたところ軽くバズってしまって、もしかしたら島の住民の皆さまに迷惑をかけたのでは? と少しやきもきしておりました。
が… 小耳にはさんだところによると至って平穏だったそうで、それはそれでガーカガワの影響力の無さに打ちひしがれた記憶が蘇ります。
解体した船を利用した待合室は今でも現役で使われているようですが、廃墟のようなこの建物には怖いもの見たさ的な引き寄せられる魅力があって、多くの人に足を運んでもらいたいと思う反面、そっとしておいてほしいとも思う複雑な心境でございます。
いずれにしても観光地化されていないのどかな場所なので、住民の皆さまの迷惑にならないようご配慮いただけると幸いでございます。
あまりうろちょろして不審がられてもいけませんので、瀬戸大橋の雄姿を眺めながら、そろそろ与島パーキングエリアに戻りましょうか。
さすがに喉が渇いたのでフードコートでアイスをいただいて…
パーキングエリアにある与島プラザの屋上から絶景の瀬戸大橋を眺めてみました。
瀬戸大橋だけでなく、ここからの瀬戸内海の景色も最高!
この界隈は大型船舶の航路にもなっているので、どでかい貨物船やタンカーなどが間近に通り過ぎるのを見ることもできます。
付近には整備された公園もあるので、ゆっくり過ごすには最適な場所です。
瀬戸大橋を渡るついでにちょこっと休憩するだけでは勿体ない、実は観光地としてわざわざ行くだけの価値がある与島パーキングエリアでした。
ちょっとしたお出かけにもいいですし、瀬戸大橋を見たことがない、東京あたりから飛行機でやってきた友人知人を連れてくるとめっちゃ喜んでくれますよ~!
関西出身の悠衣さんもめっちゃ楽しかったそうです(笑)
おしまい。
モデル = 悠衣(ゆい)/ Instagram @yuriyuri_7pht