住友城下町として知られる工業都市・愛媛県新居浜市。その奥深い山の中に、ひっそりと取り残されたような遺構「別子銅山跡地・東平(とうなる)」があります。
その姿が南米ペルーにあるインカ帝国の遺跡に似ていることから「東洋のマチュピチュ」と近年話題となっているそう。
実は去年も行こうと思ったことがあったのですが落石の影響で通行止め(現在は開通しています)。今回たまたま新居浜へ行く用があったので帰りにちょこっと立ち寄ってみました。
てか、ちょこっとという距離ではなかったのですが…(笑)
標高750mの空中都市。かつては鉱山町として賑わった東平(とうなる)
新居浜I.Cから車で40~50分。東平には広い駐車場がありますが、そこにたどり着くまでが大変! 離合困難な場所の多い狭い山道が延々と続くので、運転に自信がない人は無理をせず、約11km手前のマイントピア別子から出ているバスツアーを利用しましょう。
この日は数日前の雨の影響でところどころ沢になっている山道に恐怖を感じながらようやくたどり着きました。
駐車場からは新居浜市内やその先の瀬戸内海まで見渡せる絶景。
真下に目をやると、東洋のマチュピチュと呼ばれる東平の産業遺跡群が広がっています。
最盛期には約5000人も暮らしたと言われる東平の地。大正5年から昭和5年まで別子銅山の採鉱本部が置かれていましたが、やがて鉱山が閉山されると人々も姿を消し、現在では一部の建物と山中に残された坑道や鉄道の後だけが産業遺構として残されているのみです。
かつてはインクライン(傾斜面を走る軌道)と呼ばれ、現在では遊歩道の一部となっている220段の階段を下りていきます。
いったん一番下まで階段を下りて見上げると、巨大な石垣がせまってくるようです。35mmのレンズでは全容が収まらない大きさ。
遺構の中腹まで戻ると、ここにも開けた広場がありました。
ここは「東平索道停車場跡」と言われる場所で、かつては鉱石や日用生活品などが索道(ロープウェイのような運送設備)によって運搬された停車場があったところ。
このあたりが一番の見どころでしょうか、風化により一部崩れた赤レンガ造りの設備や石垣を間近で見られる遺構の数々に思わずシャッターが走ります。
僕は本家のマチュピチュには行ったことがないので似ているかと言われてもピンと来ないのですが、遺跡感や古城感という点では有り余るほどの迫力でした。
今回はあまり時間が取れなかったので取材というよりロケハンみたいな感覚だったので、またいつかじっくり立ち寄りたいと思います。そう、ポートレート撮影なんかにもいいかもしれませんね。
新居浜I.Cまでは高松中央I.Cから高松道を走らせて車で約1時間、高松市内から東平まで片道約2時間ほどの距離です。異世界感のあるちょっと不思議な「別子銅山跡地・東平(とうなる)」にプチトリップなどいかがでしょうか?
おしまい。