こんにちは。
いつも何かに癒しを求めているガーハラダです。
しばらく雨が続いた後の久しぶりの晴天に誘われ、高松港にふらふらとやって来ました。
今回は癒しを求めて猫島として知られる男木島に行こうと思います。
男木島に関しては最近、島猫が極端に減ったとか、猫たちが人に近づかなくなったとか、何気に嫌な噂を小耳にはさんだりします。
そんな噂に少々不安になっておりますが、それならそれで現状を見てこようという、なかば行き当たりばったりな企画でございます。
そうこうするうちに男木島行きのフェリーがやってきました。
相変わらず、キュートなフェリー!
平日なのでガランガランなのかなと思っていましたが、意外とたくさんの人たちが乗船してきました。
ほぼ観光客のようです。
高松港を10時に出港、女木島を経由して約40分。
瀬戸内海の船旅を適度に味わった頃、男木島港に到着しました。
相変わらずの風光明媚な島の佇まいと、近代アートが融合した、ちょっとおしゃれな港ですよね。
と、いきなり島猫ちゃんたちのお出迎えです。
なんだよ・・・ ちゃんといるやん!
噂なんてあてにならないものですよね。
もう、この時点でワクワクものです。たくさんの島猫たちに癒されるという期待に胸を膨らませて、島猫のたまり場である男木漁港に向かったのでした。
いるはずの場所に猫がいない!
男木漁港はフェリーを降りて右手に5分ほど歩いた場所にあります。
去年(2016年)の4月に訪れた時にはこんな状態でした。
もう、そこいら中に島猫たちがうじゃうじゃ・・・
気持ち良さそうに猫団子になっている姿に、時を忘れるほど癒されたものでした。
ところが・・・
今回行ってみると、まったくいない!
唯一、付近をとぼとぼと歩いている哀愁漂うこの子だけでした。
たまたまタイミングが悪かったのかな?
という事で、次のたまり場である豊玉姫神社手前の路地に向かいました。
ところが・・・
ここにも、ぽつんと一匹の白猫がいるだけです。
ちなみに、同じく去年の4月に訪れた時はというと・・・
こちらもうじゃうじゃと居る状態でした。
これは一体、どういう事でしょう?
かなり気になるので、島の人達数人に聞いてみました。
デリケートな内容ですので、みなさん匿名ながらお答えいただいたのですが、それらをまとめると・・・
- 昔から猫はいた。
- 何年か前に、誰かがたくさん持ち込んだのと、猫島ブームで観光客が増え、無責任にエサを与えたものだから余計に増えた。
- 絶対数が増えると悪さをする猫も増え、一部の島民から苦情が出るようになった。
- 2016年に、ある団体が島の猫たちを全頭避妊手術を行った。
- その後、その団体が一部里親探しをした事や、避妊手術後すぐに野生に戻した事でかなりの数の猫が感染症等で死んでしまった事で島猫は激減した。
という事のようです。
殺処分を減らそうと善意の団体が奮闘された事が、皮肉にも結果的には殺処分のような悲しい結末になってしまったそうです。
裏付けを取ったわけではありませんので事実関係は分かりませんが、もしお聞きした事が事実だとすると、みなさんが良かれと思って行った事だけに、なんともやりきれないですよね。
男木島に行かれる方にお願いしたい事。
激減したとは言え、まだまだ猫たちもたくさんいるとの事で、気を取り直して豊玉姫神社に向かいました。
猫がいるかな・・・ とうろうろしていると、階段を掃除している男性がいましたので声を掛けてみました。
豊玉姫神社のお世話をなさっている井場崎さん。
確かに男木港に居た猫がキャットフードらしきものを食べているのを見ました。
与えている人が定かではなかったので、島の人かもしれないし、特に何もしなかったのですが・・・
今回、こんな悲しい結末になった要因のひとつに、観光客が与えるエサがあります。
お腹を空かせた野良猫が可哀想という気持ちも分かりますが、結果的に増えすぎる原因にもなっています。
また、その子その子で体調も違いますので、もしかすると皆さんが与えるエサでお腹を壊したりすることも有り得るわけです。
ぜひ、これはご協力いただきたい事ですね。
お聞きすると、ピーク時には人口百数十人の島に、1日1000人もの人が大挙してやって来たそうです。
そうすると、何せ狭い道が多い男木島では、人の交通渋滞が発生します。
それだけならまだしも、マナーの悪い人もいて、民家に入り込んだり、島のおばあちゃんを押しのけて強引に道路を進んだり、なんて事も頻発したようです。
道路や商店、食堂などの受け入れる側の準備が整っていないからと井場崎さんはおっしゃっていましたが、だからと言って、一時のブームの為にそれだけのコストを掛けるのもなんだか違うような気がします。
という事で、皆様にお願いしたい事。
私もそうですが、観光とはその地域に住んでいる人たちの生活空間にお邪魔する事でもあります。
「金を落とすのだから有難いと思え」じゃなくて、受け入れてくれてありがとうという気持ちでその土地の経済に貢献したいですよね。
という事で、あまりシリアスな話しを続けるのもガーカガワらしくないので、ここからはざっと男木島の魅力をお伝えしたいと思います。
これが男木島の魅力だ!
まずは、手軽に島旅が満喫できる事が最大の魅力です。
高松市内からわずか片道40分の船旅、船賃だって往復1,020円というお手軽さです。これは瀬戸内海地域特有のメリットで、他の地域ではなかなか考えられない事ですよね。
そして、井場崎さんもおっしゃってた瀬戸内海の小島特有の町並み。
平地はほとんどなく、斜面に沿って家が立ち並ぶ特有な集落は、少し坂を登ると瀬戸内海の絶景が楽しめます。
オンバと呼ばれる島特有のカートに荷物を載せて歩くおばあちゃんに声を掛けてみました。
台車は、おばあちゃんのお母さんから引き継いだもので、それに芸術家さんがかわいい絵を描いてくれたそうです。
乳母車を杖代わりに歩いているお年寄りは全国どこでも見られる風景ですが、オンバってなんだか楽しそうですよね。
ほんと、気さくで陽気なおばあちゃまでした。
少なくなったとは言え、島猫たちも健在です。
幸か不幸か、観光客の皆さんがエサを与えた事で、猫の方から観光客に近寄ってきます。
そのうち、ものほしそうな顔で見られます・・・
いやいや・・・
そんな顔で見られると・・・(笑)
でも、エサを与える事で余計に可哀想な事にもなりかねませんからね。
ここは、可哀想だけど我慢してもらいました。
ごめんね・・・
えっ?
そっち行くんかいっ!
金の切れ目は縁の切れ目ってか!
なかなかクールなやつです。
他にもいろんな魅力のある男木島。
ぜひ、島本来の魅力を堪能されてみてはいかがでしょうか?
青い空と青い海。
むしろ、空気が澄んでくるこれからの季節がベストシーズンです!
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