豊かな自然と穏やかな田園風景が今もなお残る香川県綾川町。
親から子へ、そして孫へと連綿と続く人々の営みを感じるふるさとの町は、一見何事もなかったかのように平穏な日常を送っている。
そんな平和な綾川町で、突如として現れた今世紀最大のニュース。そう、原人が現れたという目撃情報が多数寄せられているのだ!
そして我々ガーカガワ編集部は、農作業中に偶然撮影したという貴重な写真を入手したのである!
これがあの噂の原人なのか?!
そして…
我々ガーカガワ編集部はその謎を解くベく、今まさに前人未到の原生林が生い茂る密林に挑もうとしている。
人を寄せ付けない死の道を進んだ先にある密林には、果たしてどんな危険が待っているのか。そこに隠された謎とは何か。
そして、本当に原人は実在するのであろうか!
綾川町の奥地を決死の強行軍!今、明かされる原人の謎!!
現地を調査するにあたり、農作業中に偶然原人らしきものを撮影したというAさんに、あらためてガセではないのかを聞くことにしてみた。
すると…
そこには、恐怖に怯え、体を小刻みに震わせながらもなお、自信を持った表情で証言をしてくれるAさんの姿があった。
さらに近づいて写真を撮ろうとしたところ、突然原因不明の金縛りにかかり、もはやこれまでと死を覚悟したその刹那、原人は森の奥深くに逃げて行ったという。
リポーター「ところで、なんとなくマスクをしているようにも見えるのですが…」
Aさん「ご時世なので、原人も忖度しているのでしょう」
リポーター「これ、本当に原人なんですかぁ~?」
綾川町在住のAさんの証言で確信を得た我々編集部は、さっそくスーツ隊に招集をかけ取材班を結成する事にした。
これまで県内各地に出かけては白い目で見られる歴戦の勇者たちなのだ。
尚、今回は手つかずの原生林に立ち入る事からかなり危険であるという判断で、地元猟友会の川崎さんも同行していただく事となった。
ちなみに鉄砲は所持できず、もっぱら罠を仕掛ける人なので見掛け倒しといったところか。
いや、決死の覚悟で臨む我々を陰からサポートする頼もしい助っ人なのだ。
まずは、ベースキャンプを張り、目撃情報を元に捜索する目星を付ける。
少しの判断の誤りが死に直結する過酷な調査のため、取材班一同に緊張が走る。
そこへ偵察に派遣した隊員より急報が入る!
隊員「隊長、これを見てください!」
こっ、これは!!
まさか原人は人を襲い、それを食料にする人食い原人なのか?!
隊員「こちらにも何かあります!」
これは何かの呪術なのか、それとも我々に「これ以上入ってくるな」という警告なのか?
見張られているのかもしれない…
そう感じた我々取材班は、早々にベースキャンプを出発し、目撃情報が寄せられた現地に向かう事にした。
猟友会川崎さん「ちょっと待ってください!ここに怪しい足跡が!!」
まさかこの人間の物とは思えない巨大な足跡は原人のものなのか?!
ギャーーーッ!!
突然足を滑らせた隊員!
これは原人が仕掛けたアリジゴクに違いない!!
まさに死と隣り合わせ。我々は禁断の地獄への扉を開けてしまったのであろうか!
すると今度はいきなり毒蛇の襲撃がっ!!!
次々と隊員に襲い掛かる毒蛇たち!
一瞬でもその毒牙に触れると、死の急行列車の片道切符を手にする事になる。
必死に戦う隊員たち。
なんとか危機を脱出するも、これは先を急ぐ我々に対する警告ではないのか。
隊員の間に動揺が走る。
これは一旦ベースキャンプに戻り体制を整える必要を感じた取材班は、一時退却を行う事に…
が、しかし!!
隊員「あれはなんだ!」
・・・・。
何をしている! 追え!追うんだーーっ!
隊員「あれを見ろ!」
あれはもしかして原人じゃないのか?
捕獲せよ!!
捕獲成功!
てか、着ぐるみやないかいっ!
しかも、ひっつき虫に愛されてるし!
こうして我々取材班の命がけの調査が終わり、一同ヤラセを大いに楽しんだのであった。
そして、この原人騒動は驚愕の事実として人々の心に残り続ける事であろう。
追伸…
エージェント・ミナミに待望の第一子が生まれました。最初は、原人がなぜか小さくなって「はらぺこあおむし」にする予定でしたが、さすがにヤラセにもほどがあるので写真だけ貼り付けておきます。
祝誕生!