有名人になったらどうなるの? きな子の元訓練士さんに聞いてみた。

ひまつぶしにガーカガワ

2010年に公開された、映画「きな子~見習い警察犬の物語~」のモデルになった訓練士、山田智紗(旧姓川西)さんに当時の人気ぶりを振り返りながらお話をお聞きしてきました。

ドッグトレーナー 山田智紗(旧姓川西)

山田 智紗(旧姓川西)
2004年4月、丸亀警察犬訓練所に入所。6年間の修行を経てその後独立、現在は高松市で家庭犬のしつけ教室や訓練を行う「Cheese Dog Academy」を運営する。
見習い警察犬きな子とコンビを組み、そのドジっぷりや愛らしさから人気に火が付き、一躍時の人になった事は記憶に新しい。

 

こんにちは。
いつかは時の人になりたい。いえ、一層のこと、時をかける少女になりたいガーハラダです。

突然ですが、映画「きな子~見習い警察犬の物語~」をご存知でしょうか?
そう、2010年に夏帆ちゃんが主演し、全国に笑いと感動を与えたあの映画です。

 

 

今回は、その夏帆ちゃんが演じた見習い訓練士のモデルとなった山田智紗(旧姓川西)さんとお会いしています。
その当時は、映画だけでなく、志村動物園やどうぶつ奇想天外などのメジャー番組や、ローカル局のニュース番組や特集番組など多数出演し、人気アイドルなみの知名度を誇った事は記憶に新しいと思います。

山田さんとは、一昨年の11月にホームページのご依頼をいただいたのが縁で、その後、名前を言ったら思い出してもらえるギリ知り合い程度のお付き合いをさせていただいています。

実は、前々から「有名人になったらどんな生活になるの?」的な事を聞きたいと思っていたのですが、そうこうするうちに昨年3月に警察犬きな子が14歳で亡くなり、とてもじゃないけど下世話な事など聞く勇気がわきませんでした。
今回は、僕の主催する「わんこのオフ会」に招待させていただいたので、せっかくの機会ですので、そこらあたりをじっくりお聞きしたいと思っています。

 

 

気が付いたら有名人になっていた。

 

ガーハラダ
今日はよろしくお願いします。いきなりですが・・・

 

キャーッ!テレビに出てた人やん♡

 

山田さん
いきなりなんなんですか! 確かに出てました(笑)
ガーハラダ
そもそも、何がきっかけでテレビに出るようになったんですか?
山田さん
それがよくわからないんです。
きな子と一緒に競技会に出てたのですが、何度チャレンジしても警察犬に合格できない。いろいろ派手に失敗しているうちにメディアに取り上げられて、気が付けばあちこちテレビに出るようになっていました。

 

きな子※当時の写真。山田さん提供。

 

ガーハラダ
きな子のコケっぷりが見事で・・・ 
申し訳ないのですが、その当時は大笑いさせていただきました。
山田さん
最初はそういう映像がニュース番組なんかで流れて、そうこうするうちに応援していただける方が増えたように思いますね。
ガーハラダ
なるほど。
きな子も山田さんも一生懸命やってただけなのに、知らないうちに人気者になってたという事ですね。
山田さん
こんなの、狙って出来るものでもないですしね。
ガーハラダ
ちなみに、ギャラとか発生したんですか?
山田さん
それがまったく(笑)。
交通費ぐらいはいただけましたが、まったくのノーギャラでした。
ガーハラダ
えっ、そうなんですか? 
パンくんでさえギャラが発生していると聞いた事がありますが・・・ 猿以下の扱いだったんですね。

 

 

ガーハラダ
すみません・・・ 失言でした・・・
ガーハラダ
でも、あちこちテレビに出るようになると、実際どうでした? 随分ちやほやされたでしょう?
山田さん
やっぱり、最初は嬉しかったですよ~
ガーハラダ
そのうちCDとか出して、アイドルになっちゃう? みたいな?
山田さん
さすがにそこまでは考えなかったです。むしろ、ちやほやされていろいろやりにくくなった事もありました。
ガーハラダ
ほう、例えば?
山田さん
訓練中から競技会まで、それこそずっとメディアの方が貼り付いていますから、さすがにプレッシャーとか変な緊張とか出ますよね。それを言い訳にはしたくないのですが、訓練になかなか身が入らない事はよくありましたね。
ガーハラダ
ああ、なんかそういうのって有りそうですね。で、当然クレームじゃないですが、何かしら伝えたんでしょう?
山田さん
もちろん、訓練所の所長には相談しました。そしたら、そういうプレッシャーに打ち勝つことが成長につながるんだって・・・
ガーハラダ
わぁ~っ、それ結構きついですね。
山田さん
でも、それがあったから今の自分があるわけで、今思えば所長の言った事は正しかったと思います。

 

※山田さん提供

 

ガーハラダ
で、映画化という頂点まで上り詰めたわけですが、ちなみに主演の夏帆ちゃんとは会いましたよね?
山田さん
はい、ロケの際は何度かお会いしましたよ。
ガーハラダ
おおっ、めっちゃ羨ましい! 
サインとかももらったりしてます?
山田さん
いただきましたけど、当時は訓練所の職員だったので、当然、サインは訓練所所有になりました(笑)
ガーハラダ
なんだか、所長さんばかり得してる感じですね(笑)
山田さん
でも、訓練の体験をしてもらう事があって、その時は私が運転する車に夏帆さんが同乗されました。ほんと、ドキドキでしたね。
ガーハラダ
なんと! 夏帆ちゃんと同じ車に!! 
という事は、夏帆ちゃんの二酸化炭素を吸ったわけですね。羨ましすぎる・・・
山田さん
それ、変態っしょ!

 

 

ガーハラダ
変態キャラだけは封印してたんですけどね。

 

 

あの頃があったからこそ、今の自分がある。

 

ガーハラダ
そして映画化をピークにメディアの露出も減ってくるわけですが・・・
山田さん
ほんと、ローカル局の1社を除いて引き潮のようにサーーッと(笑)。
でも、考えてみれば、元々きな子が有名になっただけで、私はあまり関係なかったと思いますけどね。
ガーハラダ
いやいや、そんな事ないでしょう? もし、きな子の訓練士さんがおっちゃんだったら絵になりませんし、見習い警察犬と見習い訓練士の頑張っている姿があのブームにつながったわけですからね。でも、ふたたび脚光を浴びる事になったわけですが・・・
山田さん
去年の3月にきな子が亡くなった時ですね。
ガーハラダ
さぞ、悲しく辛かった事でしょう。
山田さん
もちろん悲しみはありましたけど、きな子は亡くなる前は病気で苦しい思いもたくさんしてましたからね。これでラクになれたね・・・という思いもありました。

 

きな子が亡くなったニュースはあるローカル局のニュース番組で知りました。
その番組では、山田さんが葬儀の際に弔辞を読むシーンが映されていましたが、涙を流しながらも気丈にきな子に感謝を伝えている姿に胸が締め付けられました。

 

ガーハラダ
不謹慎かもしれませんが、きな子が亡くなった事で、もうおそらくテレビ等の露出もほぼ無くなると思うんですよね。
ひとつの節目として、振り返ってみてどうですか?
山田さん
そうですね。きな子がいたおかげで、たくさん取材を受けたり、イベントに参加したり、本を出版させていただいたりと、普通では経験できない事をたくさん経験させていただきました。もちろん、訓練所の所長をはじめ、多くの方々のお力があったからこそなのですが、こういう経験があったからこそ、今の自分があると思っています。

 

 

そして、かつての見習い訓練士さんは・・・

 

 

冒頭に触れましたが、今回は「わんこのオフ会」に参加していただきました。
せっかくなのでと、参加された皆様のしつけ等のご相談も自ら積極的に対応されていましたが、山田さんのわんこを見る目がとっても優しいんですよね。

2010年5月に丸亀警察犬訓練所から独立されて、今は「Cheese Dog Academy」を運営されています。
これまでの警察犬の訓練で培った技術を一般の家庭犬に応用する事で、さらに技術に磨きがかかっているように見受けられます。

 

ガーハラダ
山田さんは現在独立されて主に家庭犬のしつけ教室や訓練をされているそうですね。ぶっちゃけ、あれだけ知名度のあった人ですから、それこそ繁盛しまくっているでしょう?
山田さん
よく人からも「もっと、きな子の知名度を利用すれば?」なんて言われるのですが、先ほども言いましたとおり、訓練所の所長をはじめ、いろんな人のおかげでたまたまメディアに出させてもらっただけですからね。やっぱりそれは違うと思うんですよね。
ガーハラダ
と言いつつ、ホームページにはしっかりきな子の事が書いてありますけど?
山田さん
こらこら・・・ 作ったの誰でしたっけ?
ガーハラダ
僕です~っ(笑) マーケティング的に考えると、やっぱり惜しいので、無理言って少しだけ出させていただいたんでしたっけね。
ちなみに、ホームページからのお問い合わせはありますか?
山田さん
最初はまったくなかったのですが、作成していただいて半年ぐらい経ってからですかね、急にホームページからのお問い合わせが増えました。もう、十分制作費用分の元は取らせていただきましたよ。

 

これはこれは。宣伝ありがとうございます~っ(笑)

 

お愛想でもそう言っていただけると嬉しいですね。

 

ガーハラダ
でも、確かに以前と比べてもさりげなさというか、自然というか、わんこや飼い主さんとの距離感がいいですよね。たくさんのお客さんと向き合っている雰囲気があります。
山田さん
ありがとうございます。

 

 

と・・・

いろいろお話を伺いましたが、僕の率直な感想を言いますと、やっぱりいろいろ経験した人は気持ちに余裕があるんだなという事です。
女性の方なので年齢をバラすのもアレなのですが、30代前半とは思えない落ち着きが感じられます。

警察犬訓練士さんは、タダでさえ見習いの頃は住み込みで、厳しい環境でストイックに修行をされるわけです。
その上、いろんなメディアに出る事でのプレッシャーもかなり重いものだったでしょうからね。

犬の訓練やしつけは、ある意味、ブレない姿勢と毅然とした態度が必要です。山田さんのわんこに対する接し方を見ていると、優しさと厳しさを兼ね備えた、厚みのある接し方をされている事が見て取れます。

「あの経験があったから今の自分がある」という言葉の重みを感じずにはいられませんでした。

そのうち、僕も山田さんに弟子入りしようかな・・・

 

という事で、

 

おしまい。

 

 

 

 

 

投稿者:ガーハラダ
兵庫県出身四国帰化人。爆笑よりクスッ笑いに使命を感じるギリ40代。明太子は心の友。

 

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