近年、ルッキズム(外見重視主義)が差別的な意味でとらえられる風潮の中、外見だけでなく、女性の持つ内面からあふれる美しさや行動の美を表現しようと、ミセスによるさまざまなコンテストが目に留まるようになりました。
最初は、ある程度経験も年齢も重ねた女性たちが、コンテストというある種「色物」で見られることに抵抗はないのかな… なんて思ったのですが、詳しく聞くとどうもそういった品評会的なイベントとは違うらしい。
そこで、ミセスのコンテストとはどういったものなのか、ちょうど小豆島で大会に向けたレッスン「四国合同ビューティーキャンプ」が行われるそうなのでお邪魔することにしました。
人生にSTORYを持つ女性の壮大なイベント「Mrs of the Year 2023」
今回、ビューティーキャンプが行われたのは瀬戸内海を一望する美しいロケーションに建つ小豆島のとある保養所。
日本大会への地区予選的な位置づけである、香川、徳島、愛媛、高知の四国各県の地方大会に向けての様々なレッスンが行われるとのことで、四国四県から出場者たちが集まってきました。
「Mrs of the Year(ミセスオブザイヤー)」とは、人生にSTORYを持つ女性たちの「生き方」にフォーカスし、自身にリミットを作らずチャレンジし続ける愛と感謝にあふれる「かっこいい女性」を応援するイベント。応募者の年齢や婚姻歴の有無に応じて4つの部門に分かれて開催されます。
四国では「四国の魅力を、その輝きと共に世界へ発信し地方創生を!」という想いを胸に、自分を誇れる「かっこいい女性」を目指しているそうです。
この日のビューティーキャンプは、大会時にそれぞれが発表するスピーチの練習からスタート。皆さん穏やかな雰囲気ながらも真剣にスピーチ原稿の最終チェックや発声の練習などされていました。
練習は一人ずつ行い、まるで本番さながらの緊張感。いざ、人前でスピーチするとなると途中で詰まってしまったり、スピーチ内容に集中する余り顔がこわばってしまったりと苦戦の様子です。
今回の指導に当たる四国統括プロデューサーさんも、そんな参加者たちにマンツーマンで真剣に向き合います。
スピーチが終わると、その都度的確にアドバイスを行い、本番に向けてまた各自がブラッシュアップしていくようです。
とは言え、ずっと張り詰めた空気なのかと言えばそうでもなく、時折り会場に笑いが広がるなど、そこは主婦層の多いレッスンならではのなごやかさもありました。
ひと通りスピーチ練習が終わると、美しさや健康を保つための講座が目白押しです。
小豆島ヘルシーランドさんからは、小豆島産の上質なオリーブについての解説や、それらを使った自社製品である化粧品などの説明。
日本トリムさんからは昼食をいただきながら、美容と健康に最適な「電解水素水」について、デモンストレーションを交えてお話しされました。
座学の最後はマインドセミナー。2人1組になりお互い褒め合うことで、今まで気づかなかった自分の魅力を発見したり、他人に対する愛情を持つことで自身の意欲をさらに高める、そんな効果のありそうなセミナーでした。
保養所でのレッスンやセミナーが終わると、次は場所を「オリーヴの森 The Terrace」に移して、ビューティーキャンプ後半のカリキュラムとなります。
ここは「樹齢千年のオリーヴ大樹」があることで知られ、瀬戸内海に面した高台に、その名のとおり眺望の良いテラスのような施設があります。
ここでは先ほどとは打って変わって、皆さん本番の衣装に変身! 煌びやかな女性たちに囲まれると、一瞬バチェラー・ジャパンの世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥りました。カクテルパーティーみたい(笑)
本番の衣装に身を包むとさらに気持ちが引き締まるようで、大会本番のステージを想定したテラスでの美しいウォーキングや立ち姿のレッスンは、撮影するシャッター音に気を遣うほど。皆さん本当に熱心に取り組まれています。
本番になれば皆さんライバルのはずなのですが、戦いの場というより、みんなで一緒になって向上して行こうという意識の高さが感じられて、横で見ていて清々しい気持ちになりました。
大会を通じて、四国の女性の力で地方を盛り上げていきたい。そして、地方を元気にしたい!
四国統括プロデューサーの町田千愛(まちだ ちえ)さんにお話を伺いました。
ーーミスコンは多く見られますが、ミセスを対象とした本格的なコンテストはあまり見ないような気がします。あえて「ミセス」を対象とした狙いはどんなところにあるのでしょうか?
町田さん「私は、男性も女性も歳を重ねて、人生経験を経ることで人間としての魅力が内面から出てくるんじゃないかなと思っています。結婚して子育てを経験して、自分の事よりも家族や子どもに優先順位が変わっていく中で、そういった人だからこそ『実は今のあなたが一番輝いているんだよ』ということを伝えたい。そんな気持ちもあってミスではなく、あえて内面からの美しさにフォーカスしたミセスに取り組んでいます。」
ーー実際にエントリーされている皆さんはどういった方が多いのでしょうか?
町田さん「フリーランスなどご自身で事業をされている方もいれば専業主婦の方など、皆さん幅広い分野で活躍されています。こういうコンテストがあるからと自分から手を挙げる人はなかなかいないのですが、ただ、どこかで『やってみたいな』と思っているところに誰かから背中を押されてという人が多いです。」
ーーちなみに、町田さんご自身も過去の大会に参加されたとお聞きしていますが、ご自身が参加されたきっかけを教えていただけますか?
町田さん「私も皆さんと同じで最初は人からお誘いを受けました。私は高知県なのですが、地元でこういったコンテストを開催されたこともなかったので、初めは『ただ目立ちたいだけでしょ』とか『お金もたくさんかかるんでしょ』とか冷めた目で見ていました。
ただ、元々私は高知でテレビレポーターをはじめ、自分を変えていきたいといろんな仕事にもチャレンジしてきたので、今度は誰かの背中を押したい、他の女性にも自分を生かす何かを見つけてもらいたい、という気持ちが当時からありました。そんなこともあって、実は開催する側になりたいと思ったのですが、それならまず自分で経験してみないと…ということで過去の大会に出させていただきました。」
ーー実際にプロデューサーとしてかかわられて、参加者の皆さんの変化みたいなものは感じられますか?
町田さん「もう、ものすごくあります! 集まってくる人たちのパワーがすごくて、最初は『私なんて…』と言ってた人が、あの時のあの人はどこに行ったんだ…と思うくらい変化があって(笑)
大会が終わった後もどんどん自分の道を切り開いていかれる姿を何度も見ました。
また、エントリーする時にはご主人さんから『恥ずかしいからやめてくれ』なんて言われてたのに、本人の頑張りを見て積極的に応援してくれるようになったりと、本人も家族も変わっていく姿も目の当たりにしました。やっぱりチャレンジする事って大事なんだなと実感しています。」
ーー最後に、今後に向けて何か意気込みはありますか?
町田さん「このミセスオブザイヤーは、2年目にして日本最大規模のミセスコンテストになりました。普通はコンテストの世界大会は他の国で行うのが通例なのですが、ミセスオブザイヤーにかんしては、他の国の方々に日本の魅力や良さを知ってもらいたいという想いで、日本で世界大会を開催しているんですね。
同じように私は、この四国の魅力をいろんな人々に伝えたいと思っています。私が四国の統括をさせていただいているのも、地元高知だけじゃなくて四国はひとつ、四国の魅力をどんどん伝えて、実際に四国に足を運んでいただくきっかけにしたいですね。やっぱり地方が元気になることが一番だと思うので、四国の女性の力で地方を盛り上げていく、そんな大会になればいいなと思います。」
ミセスの魅力って、今まで経験してきた人生の厚みというか、生き様というか、そういった内に秘められた美しさだと思うんですよね。
それにもかかわらず、これは男女とも言える事ですが、年齢を重ねてくるとその美しさを表現できる機会が途端に減ってくるように思います。
いつになっても、どれだけ歳を取っても、やっぱり内面も含めた「美しさ」は必要だし、それをあたらめて意識できるミセスオブザイヤーの意義はとっても高いなと感じました。
エントリーされた皆さん、ぜひ各地方大会に向けて頑張ってください!
おしまい。
※大会の詳細やチケットについては公式webサイトをご覧ください。
⇒ Mrs of the Year SHIKOKU