お正月になると各家庭で郷土色豊かなお雑煮が振舞われると思いますが、ここ香川県では珍種と呼ばれるお雑煮があるのをご存知でしょうか?
そう、香川県民にはお馴染みの「あん餅雑煮」ですよね。
今回は、お正月に家庭でしか食べる事のできない「あん餅雑煮」を一年中提供されている、高松市百間町の甘味茶屋ぶどうの木さんにお邪魔してきました。
上品な白味噌仕立ての甘~い「あん餅雑煮」
甘味茶屋ぶどうの木さんは、高松市の繁華街、ライオン通りを三越側から少し入った場所にあります。
本来はソフトクリームやパフェ、ぜんざいなどのスイーツを提供されている地元に愛される甘味処です。
こじんまりとした店内は、手作り感満載の落ち着いた雰囲気。
ちょっとした置物などがオーナーさんの気遣いを感じて妙になごんでしまいます。
ひとりでも気軽に入れるアットホームな雰囲気が嬉しいですね。
撮影もそこそこに、さっそく香川の郷土料理「あん餅雑煮」をお願いしました。
※讃岐のあんもち雑煮(670円)
お雑煮にあん餅なんて・・・
と、奇をてらったウケ狙いのメニューのように感じるかもしれませんが、実は江戸時代末期から続く香川の伝統料理なのです。
当時、塩や木綿などとともに高松藩が奨励していた砂糖ですが、それらを栽培している農民にはおいそれと食べられる代物ではありませんでした。ただ、せめて正月くらいは贅沢して甘いものが食べたい、藩の厳しい管理下にあってお雑煮に隠すようにあんこを食べたのが始まりなんだそう。
そんな、当時の人達の苦心の作を有難いと感じつつひと口すすってみると、これが案外美味しい!
ほのかにイリコの風味を感じるまろやかな白みそ仕立ての出汁に、まん丸で上品な甘さのあん餅が絶妙な味を出しています。あっさり煮た金時人参と大根も良いアクセントになっていました。
実は少し抵抗があって今まで食べた事がなかったのですが、これは病みつきになる美味しさです。
聞けば、やはり一番人気のメニューだそうで、県内外から多くのお客さんが訪れるそう。転勤で高松にやって来た人が社内で噂を聞いて来られる事も多いとの事。
そんな人気メニューである「あん餅雑煮」。お客さんの要望もあったのか、お土産や贈答用も販売されていました。
元々香川に住んでいる人なら各家庭独自のお雑煮があると思いますが、観光客の皆さんや他県から移住された皆さんにはなかなか「あん餅雑煮」を食べる機会がないと思います。
甘味茶屋ぶどうの木さんはお正月2日から営業していますので、ぜひ香川の「珍」郷土料理をご賞味ください。
店名 | 甘味茶屋 ぶどうの木 |
所在地 | 香川県高松市百間町2-1 |
電話番号 | 087-822-2042 |
営業時間 | 火~土曜日10:00~20:00 日曜日10:00~16:00 |
定休日 | 月曜日 ※祝日の場合は翌日休み |
駐車場 | なし(近隣有料駐車場多数あり) |