9月4日まで開催中の「むれ源平 石あかりロード2022」の初日にお邪魔しました。
ようやく3年ぶりに開催(昨年はリモート開催)されたとあって、夕涼みを兼ねて多くの人たちが高松市牟礼町の会場に訪れていました。
コロナ対策のため飲食等の出店はなかったのですが、それでも石の町ならではの個性的な「石あかり」が並ぶ路地はとっても良い雰囲気です。イルミネーションのような派手さはないものの、それがかえって趣があっていいんですよね。心にもほっこりとしたあかりが灯るようです。
ほっこりとした気持ちになりながらも、この石あかりロードに来るたびにちょっとした胸のつっかえが出てくるのです。
それは、先祖代々受け継がれたお墓の問題。まだしばらく先の話しだとは思うのですが、僕と妻の両方の実家にあるお墓をどうやって維持していくのか? 幸い、まだ親は健在なのですが、それでももう後期高齢者ですからね。うちの場合は遠方にあるので、なおの事きちんと考えておかないといけません。
そんな事を考えながら石あかりを眺めていると、ふと気になる案内が…
RENOプロジェクト??
えっ? お墓の引っ越しとか撤去、リノベーションなんてできるの?
なんだかめっちゃ気になったので、案内を掲示している「はやしばら有限会社」さんに詳しくお話を聞いてみました。
西日本を中心に全国対応!お墓の引っ越しやリノベーションに「RENOプロジェクト」
はやしばら有限会社さんは、1995年設立の石材総合商社。本業は国内の石材や輸入石材の卸売業で、中国にも事業所があるそうです。
事務所にお邪魔したら福福とした人の良さそうな社長さんが応対してくれました。
社長の林原さん。
ーーお忙しいところすみません、表にある「RENOプロジェクト」に興味を持ちまして少しお話をお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?
林原さん「いいですよ(笑)。このRENOプロジェクトは一昨年の12月から始めたのですが、今あるお墓を有効活用するためのあらゆるご相談をお受けしています。主にお墓のお引越しや、修繕、撤去、リノベーションなども手掛けています。」
ーー実は僕も心の隅に引っかかっていたのですが、実家が遠いこともあってなかなかお墓参りに行けてないのです。例えば遠方にあるお墓を引っ越したりなんてできるのでしょうか?
林原さん「意外とそういうご相談は多いですよ。遠方でなかなか行けないとか、最近はご高齢者が多いので、お墓の立地によっては近くても行きづらいなんてこともあります。うちは長年お墓の商社として西日本を中心に全国の石屋さんに卸しておりますので、そのネットワークを使って対応しています。」
例えばお墓の引っ越しの場合、仮に九州から関西の墓地へ引っ越すとすると、はやしばらさんが撤去を九州の石材店に依頼し、一旦高松の自社で引き取り修繕やリノベーションを行います。その後関西へ送り、現地の石材店に設置と必要に応じてメンテナンスを依頼するしくみです。これにより、新たに墓石を買って設置するよりかなりお安くすむそうです。
ーーちなみに、ケースによって金額もまちまちだと思いますが、イメージ的にはおいくらぐらいなのでしょうか?
林原さん「移動距離や修繕内容などによってもかなり上下するのですが、イメージ的には40~60万円ぐらいでしょうか。ただ、見積もりを取ってみないと金額ははっきりしませんし、逆にご予算内でできる範囲のことをやるみたいな事もできるので、まずはお気軽にご相談いただきたいですね。」
ーー修繕というのはだいたい想像できるのですが、リノベーションというとちょっとピンときません…
林原さん「お引越し先の墓地の形状や広さによっては元々のお墓が入らないという事もありますよね。その場合は形状に合わせて加工したり、もっと言えば少子化などでなかなかお墓自体を維持することも大変です。事情があってお墓そのものを撤去する場合でも単に廃棄するのではなく、なにかしら形を変えて身近に置くという事もできます。やはり先祖代々大切にされてきたものですからね。」
どんなものかちょっと見てみましょうか? ということで石あかりロードに展示している作品を見せていただきました。
林原さん「これらは元々お墓だったものや、地元の石材店様の庵治石を再利用したものなんですよ。」
別にスピリチュアルなものを信じているわけじゃないけど、墓石にはいろんな魂や思いが染みついているようで、なかなか捨てられないですよね。仮に仕方なくお墓を撤去したとしても、何かしら形を変えて残せば浮かばれるような気がします。
SDGsに取り組みながら、伝統ある石の文化を次世代に残していきたい!
ーーお墓をリノベーションするなんて無知な僕には想像できなかったので驚きました。そもそもなぜこのような取り組みを始められたのでしょうか?
林原さん「私も40年ぐらいお墓の卸販売をずっとやってきまして、売る事だけに専念してきました。ただ、近年はお墓自体が売れなくなって、業界全体がかなり厳しい状況なんですね。どこの小売店さんに行ってもお客さんを探してくれと言われる状況では次世代に夢がないのではと悩み続けていました。それと、65歳になって、これまでお世話になった感謝を何かの形で表したいと思うようになりました。」
そんな中、月に1度石材店を集めての会議やSDGsなどの勉強会に参加したりするうち、新しいものを売るだけでなく、全国に約3千万基ともいわれるすでに建っているお墓に目を向けてみるのも必要なのではと思うようになり、renovationをもじって「RENOプロジェクト」を始めたのだそう。
林原さん「実際にお墓じまいするケースも見ると、やはり石材ロスが勿体ないと思いましたね。」
庵治石の産地といわれるこの地域も、いずれ限りのあるものは採りつくしてしまう日がきます。持続可能な産業として次世代に伝承していくためには、これまで加工し販売してきたものにも目を向けないといけない。
少しおどけながら話される林原社長のお話を聞いていると、感謝の心や石材業に対する深い愛情や思い入れ、それと次世代につなげる使命感をすごく感じました。
はやしばら有限会社の「RENOプロジェクト」は西日本を中心に全国対応。
お墓の撤去や引っ越し、修繕やメンテナンス、リノベーションなどでお悩みの方、そもそも今あるお墓をどうしたらよいのかという悩みなど、とりあえずお墓を知り尽くしているはやしばらさんに一度ご相談されてみてはいかがでしょうか?
はやしばら有限会社
香川県高松市牟礼町牟礼2657-5
TEL 087-845-7103
⇒ RENOプロジェクト webサイト